【まず結論】ドラえもんが青い理由は大きく分けて2つある
ドラえもんが青くなった理由を理解するには、物語の中で青くなった理由と、作者がキャラクターを青色にデザインした理由を分けて考える必要がある。
物語上の説明として有名なのは、次の2つだ。
1. メッキが剥がれた説: 黄色い体だったドラえもんが、三日三晩泣き続けた結果、表面の黄色いメッキが剥がれて青くなった。
2. 青ざめた説: ネズミに耳をかじられ、耳のない自分の姿を鏡で見てショックを受け、全身が青くなった。
一方、実際のキャラクターデザインについては、さらに興味深い事実がある。
ドラえもんチャンネルが紹介する藤子・F・不二雄の制作背景によると、ドラえもんは1970年の連載開始時から青い体としてデザインされていた。学年誌では赤いタイトル文字や黄色い背景が多かったため、それらの色と重ならず、読者の目に留まりやすい青色が選ばれたという。
つまり、青色は最初から作品の顔として選ばれた色だった。黄色から青に変わる物語は、その後に生まれた設定なのである。
【映画版を検証】『2112年 ドラえもん誕生』で明かされた黄色から青への変化
ドラえもんが青くなった理由として、最も詳しく描かれているのが、1995年3月4日公開の短編映画『2112年 ドラえもん誕生』だ。
上映時間は30分。ドラえもんの誕生から、セワシのもとで働き始め、のび太のもとへ向かうまでの経緯を描いている。
この作品では、ドラえもんが最初から青かったわけではないことが明確に示されている。
① 2112年9月3日、黄色いネコ型ロボットとして誕生
映画の設定では、ドラえもんは2112年9月3日にマツシバ・ロボット工場で誕生する。
当初の姿は、現在のドラえもんとは大きく異なっていた。
- 体は黄色。
- ネコ型ロボットらしい耳が付いている。
- 現在のような丸い頭ではない。
- 青色になる前の姿は、黄色い体のロボットだった。
製造時の事故などを経て、ドラえもんはロボット養成学校に通うことになる。
そこで同級生やノラミャー子と出会い、後にセワシの子守用ロボットとして働き始める。
② ネズミロボットに耳をかじられる
悲劇のきっかけは、セワシがドラえもんの粘土模型を作ろうとしたときに起きる。
操作を誤ったネズミロボットがドラえもんの耳をかじってしまったのだ。
ネコ型ロボットにとって、耳はネコらしさを象徴する大切な部分。ドラえもんは耳を失い、ロボット病院で処置を受けることになる。
ところが、耳を失った姿は、ドラえもんにとって大きなショックだった。
③ ノラミャー子に笑われ、元気をなくす
さらにドラえもんを落ち込ませたのが、憧れの存在だったノラミャー子の反応だ。
耳を失った姿を見たノラミャー子に笑われてしまい、ドラえもんは深く傷つく。
ここが映画版の重要なポイントである。
単にネズミに耳をかじられたことだけが悲劇ではない。自分の外見に自信をなくし、大切に思っていた相手からも笑われたことで、精神的に追い込まれていく。
④ 「元気の素」ではなく「悲劇の素」を飲んでしまう
元気を取り戻そうとしたドラえもんは、元気の素を飲もうとする。
しかし、ここでまたしても間違いが起きる。
飲んでしまったのは、元気の素ではなく、悲劇の素だった。
その結果、ドラえもんは悲しみが止まらなくなり、三日三晩泣き続けることになる。
⑤ 三日三晩泣いた結果、黄色いメッキが剥がれる
そして、ドラえもんが青くなる決定的な出来事が起きる。
三日三晩泣き続けたことで、体の黄色いメッキが剥がれ、下地の青色が現れてしまったのだ。
さらに、泣き続けた影響で声までしゃがれてしまう。
現在のドラえもんの青い体と、少し特徴的な声につながるエピソードである。
映画のあらすじでも、悲劇の素を飲み、三日三晩泣いた結果、メッキが剥がれて現在の姿になったと説明されている。
映画版の答えは、耳を失った悲しみから泣き続け、黄色いメッキが剥がれたため。
この説明が、現在も広く知られているドラえもんの青色の由来だ。
【もう一つの有名な説】『ドラえもん百科』の青ざめた理由とは?
映画版とは異なる説明を広めたのが、漫画家・方倉陽二による『ドラえもん百科』である。
方倉陽二は藤子・F・不二雄のチーフアシスタントを務めた人物で、『ドラえもん百科』ではドラえもんの設定や秘密を独自のアイデアも交えて紹介していた。
その中で登場したのが、いわゆる青ざめた説だ。
耳を失った自分を鏡で見てしまった
この設定では、ドラえもんがネズミに耳をかじられるところまでは共通している。
しかし、青くなる過程が映画版とは異なる。
1. ネズミに耳をかじられる。
2. 病院で処置を受け、耳を失う。
3. 傷が癒えた後、鏡で自分の姿を見る。
4. 耳のない自分の姿にショックを受ける。
5. あまりの驚きに全身が青ざめ、青いドラえもんになる。
こちらの説明では、悲劇の素もメッキの剥がれも登場しない。
耳を失った自分の姿を見た精神的ショックが、そのまま体の色の変化につながったという、非常にシンプルな設定だ。
なぜ方倉陽二の設定が広まったのか?
理由の一つは、『ドラえもん百科』がドラえもんの世界を詳しく知るための解説漫画として読まれていたことにある。
原作漫画では説明されていなかった設定を補足する役割を担い、読者にとってはキャラクターの知られざる過去を知る貴重な情報源だった。
この青ざめた説は、後のアニメ作品にも取り入れられた。
ただし、ここで区別したいのは、方倉陽二の設定と藤子・F・不二雄自身が描いた原作本編は同じものではないという点だ。
ITmediaのねとらぼも、青ざめた説は『ドラえもん百科』で描かれた設定であり、原作漫画にその経緯が描かれているわけではないと整理している。
【原作漫画を検証】ドラえもんが青い理由は本当に描かれている?
ここで重要になるのが、藤子・F・不二雄自身が描いた原作漫画の内容だ。
実は、原作漫画だけを読んでも、ドラえもんが青くなった理由を明確に知ることはできない。
原作11巻にはネズミに耳をかじられたエピソードがある
1976年6月30日に発売された『ドラえもん』コミックス11巻の176~177ページには、ドラえもんの耳がなくなった理由につながるエピソードが掲載されている。
ここでは、ネズミに耳をかじられたことが明かされる。
しかし、重要なのはその前後の描写だ。
耳をかじられる前後で、ドラえもんの体色が変化する場面は描かれていない。
つまり、ネズミに耳をかじられたことと、青くなったことは、原作漫画の中では直接結び付けられていないのである。
原作のドラえもんは最初から青かった?
原作のカラー作品を確認すると、ドラえもんは初期から青い体として描かれている。
ドラえもんチャンネルが紹介する『ドラえもんカラー作品集』の解説でも、1970年の連載開始時から青い体、赤い首輪、黄色い鈴という配色でデザインされていたと説明されている。
したがって、原作の描写を基準にするなら、次のように整理できる。
- ドラえもんが青くなった瞬間は描かれていない。
- 最初から黄色だったという描写も原作本編にはない。
- ネズミに耳をかじられた過去は描かれている。
- 青色はキャラクターの初期デザインとして採用されていた。
この違いを知ると、映画版で描かれた黄色いドラえもんの誕生エピソードが、後から追加された物語設定であることがよく分かる。
【2011年のアニメ】『走れドラえもん!銀河グランプリ』では再び青ざめた説を採用
1995年の映画でメッキが剥がれた説が描かれた後、再び別の説明が登場した。
それが、2011年9月9日放送のテレビアニメ『走れドラえもん!銀河グランプリ』である。
テレビ朝日系の紹介記事でも、同エピソードにドラえもんが青くなった経緯が登場することが説明されている。
デポンにタヌキと間違えられたドラえもん
物語の舞台は22世紀。
未来の街を訪れたドラえもんは、人気レーサーのデポンと出会う。
ところが、デポンからネコではなくタヌキと間違えられ、見た目をからかわれてしまう。
ドラえもんは、自分の外見に対してコンプレックスを抱いていた。
このエピソードでは、そのコンプレックスの原因を説明するために、過去の出来事が描かれる。
黄色かったドラえもんが青くなった経緯
この作品でも、ドラえもんはかつて黄色く、耳も付いていた。
しかし、ある日ネズミに耳をかじられ、緊急手術を受けることになる。
その後、耳のなくなった自分の姿を見てショックを受け、全身が青ざめてしまった。
つまり、2011年のアニメでは『ドラえもん百科』で知られる青ざめた説が再び採用されたのだ。
なぜ1995年の映画版と違うのか?
興味深いのは、1995年の映画で藤子・F・不二雄が決定版と評価したと紹介される設定が、後年のテレビアニメではそのまま使われなかったことだ。
この違いは、ドラえもんの過去を描く作品が、必ずしも一つの説明に統一されているわけではないことを示している。
2011年の作品では、キャラクターの外見に対するコンプレックスを描くことが物語上の役割を果たしている。
そのため、鏡を見て青ざめるという、感情と外見の変化が直接結び付く説明が採用されたと考えられる。
これは単なる設定の食い違いというより、各作品がドラえもんの過去をどう描くかという演出上の違いとして理解すると分かりやすい。
【歴代設定を一覧比較】ドラえもんが青くなった理由の変遷
ここまで紹介した内容を、年代と作品の関係から整理してみよう。
この表から分かるように、ドラえもんの青色には、作品の成立時期によって異なる説明が存在する。
特に押さえておきたいのは、次の3点だ。
- 1970年の原点では、ドラえもんは最初から青い。
- 1970年代の『ドラえもん百科』で青ざめた設定が広まった。
- 1995年の映画でメッキが剥がれた設定が描かれ、2011年には再び青ざめた設定が使われた。
こうして整理すると、単純な設定変更ではなく、原作・派生漫画・映画・テレビアニメという媒体ごとに物語が積み重なってきたことが見えてくる。
【プロの結論】ドラえもんが青い本当の理由は制作背景にある
ここまでの情報を総合すると、ドラえもんが青い理由については、質問の意味によって答えを使い分けるのが正確だ。
物語の中で青くなった理由を知りたいなら、1995年の映画『2112年 ドラえもん誕生』のメッキが剥がれた説が代表的な答えになる。
一方、藤子・F・不二雄がなぜドラえもんを青色にしたのかという制作上の疑問には、学年誌の配色事情という明確な背景がある。
青色が選ばれたのは読者の目に留まりやすかったから
当時の学年誌は、赤いタイトル文字や黄色い背景を使うことが多かった。
その中でドラえもんを目立たせるため、青色が選ばれた。
これは単なる色の好みではなく、漫画を読む子どもたちにキャラクターを印象付けるためのデザイン上の工夫だった。
現在でもドラえもんの青い体、赤い首輪、黄色い鈴という組み合わせは、一目でキャラクターを認識できる特徴になっている。
ネット上の噂と公式作品の設定を見分ける3つの基準
ドラえもんの青い理由を調べる際は、次の基準で情報を整理すると混乱しにくい。
1. 原作漫画に描かれているか: 原作11巻では耳を失った経緯が描かれているが、青くなった理由は説明されていない。
2. どの作品の設定なのか: 青ざめた説は『ドラえもん百科』や2011年のアニメ、メッキが剥がれた説は1995年の映画で確認できる。
3. 制作上の理由なのか: キャラクターの青色そのものは、1970年の連載開始時から採用されたデザインである。
この3つを区別すれば、「青ざめた説とメッキが剥がれた説のどちらが正しいのか」という疑問にも、無理なく答えられる。
映画の物語としての正解と、原作の描写、作者のデザイン意図は、それぞれ別の視点だからだ。
【よくある質問】ドラえもんが青い理由に関するFAQ
Q1:ドラえもんが青くなった一番有名な理由は何ですか?
A1:1995年公開の映画『2112年 ドラえもん誕生』で描かれた、三日三晩泣き続けて黄色いメッキが剥がれたという理由です。
Q2:ドラえもんは昔、本当に黄色かったのですか?
A2:映画版や後年のアニメでは、黄色い体だった過去が描かれています。ただし、藤子・F・不二雄の原作漫画では、最初から黄色かったという設定は明確に描かれていません。
Q3:ネズミに耳をかじられたことが青くなった直接の原因ですか?
A3:作品によって異なります。映画版では耳を失った悲しみから泣き続けたことが原因です。『ドラえもん百科』や2011年のアニメでは、耳のない自分の姿を見て青ざめたことが原因になっています。
Q4:ドラえもんが青い理由は藤子・F・不二雄が考えたのですか?
A4:キャラクターの青色そのものは藤子・F・不二雄がデザインしたものです。一方、鏡を見て青ざめたという説明は方倉陽二の『ドラえもん百科』で広まった設定です。
Q5:ドラえもんが青くなった理由を描いた2011年のアニメは何ですか?
A5:『走れドラえもん!銀河グランプリ』です。ネズミに耳をかじられたドラえもんが、自分の姿を見てショックで青ざめたという経緯が描かれています。
Q6:ドラえもんの誕生日はいつですか?
A6:公式に設定されている誕生日は2112年9月3日です。1995年の映画『2112年 ドラえもん誕生』でも、この日が誕生の日として描かれています。
まとめ:ドラえもんの青い体には誕生秘話とデザインの工夫が隠されている
ドラえもんが青い理由は、一つのエピソードだけでは説明しきれない。
1995年の映画『2112年 ドラえもん誕生』では、ネズミに耳をかじられ、悲劇の素を飲んで三日三晩泣き続けた結果、黄色いメッキが剥がれたという物語が描かれた。
一方、『ドラえもん百科』では、耳のない自分の姿を鏡で見て青ざめたという設定が登場し、2011年の『走れドラえもん!銀河グランプリ』でも再び採用された。
そして、実際の制作背景に目を向けると、ドラえもんは1970年の連載開始時から青いキャラクターとしてデザインされていた。赤や黄色が多かった学年誌の中で、読者に印象を残すための配色だったのである。
ドラえもんの青色は、作者のデザイン上の工夫から生まれ、後に映画や漫画、アニメによってさまざまな物語が加わったものだ。
青ざめた説もメッキが剥がれた説も、ドラえもんの過去を彩る大切なエピソードである。作品ごとの違いを知ってから見直すと、いつもの青い姿が少し違って見えてくるかもしれない。 (出典: ドラえもん 青い 理由(Yahoo!ニュース))