【放送日・番組概要】2023年11月11日、タモリが案内する4つの奇妙な世界
フジテレビの公式番組情報によると、放送枠は土曜プレミアム。放送時間は21時から23時10分までの130分間で、ストーリーテラーはシリーズおなじみのタモリが務めた。
『世にも奇妙な物語』は1990年4月にレギュラードラマとしてスタートした。短編ごとに主演俳優、脚本家、演出家を入れ替え、サスペンス、SF、ホラー、ブラックコメディなどを組み合わせる形式が長年の特徴だ。
2023年秋の特別編も、このオムニバス形式を生かした4作品構成。著名俳優を起用しながら、各作品の題材や演出を大きく変えている。なお、フジテレビの作品一覧は4作品を掲載しているが、公式サイトには掲載順と実際の放送順が異なる場合があるとの注意書きもある。フジテレビ公式番組ページ・作品一覧
【全4話のあらすじ・キャスト】草彅剛、北村一輝、溝端淳平、西野七瀬が主演
2023年秋の特別編を代表する特徴は、4人の主演俳優がそれぞれ異なるジャンルの物語を担っていることだ。以下はフジテレビの公式番組情報に掲載されたキャストとスタッフの一覧である。
| 作品名 | 主演・主要キャスト | 脚本・演出 | 原作・題材 |
|---|---|---|---|
| 永遠のふたり | 草彅剛、大西礼芳、姜暢雄、モロ師岡、江口洋介 | 星護(脚本・演出) | 公式ページに原作記載なし |
| 地獄で冤罪 | 北村一輝、花江夏樹(声)、鈴之助 | 辻野正樹(脚本)、松木創(演出) | 公式ページに原作記載なし |
| トランジスタ技術の圧縮 | 溝端淳平、阿部亮平、福澤朗 | 相馬光(脚本)、岩田和行(演出) | 宮内悠介の同名小説 |
| 走馬灯のセトリは考えておいて | 西野七瀬、利重剛、朝加真由美、七海うらら | 嶋田うれ葉(脚本)、岩田和行(演出) | 柴田勝家の同名小説 |
1.「永遠のふたり」草彅剛・江口洋介が演じる緊迫のSFサスペンス
主人公は研究者の坂本一(草彅剛)。古い研究室が警察の特殊部隊に包囲され、坂本は教授殺害の容疑をかけられて立てこもっている。
教授の秘書である安藤リカ(大西礼芳)もその場におり、坂本は必死に無実を訴える。しかし、現場に到着した二宮警部(江口洋介)は特殊部隊による突入を決断する。
追い詰められた坂本が最後に向かったのは、研究室にある謎のボタンだった。彼がそれを押した瞬間、世界は一変する。
主要キャストは次のとおり。
- 坂本一:草彅剛
- 安藤リカ:大西礼芳
- 三田隊長:姜暢雄
- 白髪の老人:モロ師岡
- 二宮康孝:江口洋介
脚本・演出は星護。草彅と星の再タッグも注目された。星は『僕の生きる道』などの通称「僕シリーズ」を手がけた演出家であり、『世にも奇妙な物語』でも長年にわたって作品を制作してきた人物だ。
草彅の同シリーズ出演は2012年秋の「ヘイトウイルス」以来、約11年ぶり。江口洋介との共演も、1996年のドラマ『結婚しようよ』以来、27年ぶりだった。
星護が得意とする、現実と非現実の境界を揺さぶる演出に加え、警部と追い詰められた研究者の心理的な駆け引きが見どころとなる。フジテレビ公式トピックス「草彅剛が11年ぶりに“世にも”主演決定!」
2.「地獄で冤罪」北村一輝と花江夏樹が描く異色の法廷劇
北村一輝が演じるのは弁護士の山根航平。深夜の事務所で仕事をしていた彼は、突然、部屋の向こうから無実を訴える声を聞く。
声の主は三雲一郎(花江夏樹)。殺人罪で死刑が執行されたはずの人物だった。
三雲の説明によると、彼は冤罪によって死刑となり、死後は地獄に落ちていた。しかも地獄でも裁判が行われており、無実を証明できなければ永遠に苦しむことになるという。
山根は疑念を抱きながらも、三雲の弁護を引き受ける。事件の真相を追ううちに、予想外の事実が浮かび上がっていく。
出演者は以下のとおり。
- 山根航平:北村一輝
- 三雲一郎(声):花江夏樹
- 長沼拓也:鈴之助
脚本は辻野正樹、演出は松木創。北村の『世にも奇妙な物語』出演は2016年の「車中の出来事」以来、約7年ぶりの主演だった。
特に注目したいのは、三雲を演じる花江夏樹の起用だ。声だけで存在感を示すキャスティングによって、姿の見えない人物の訴えが物語の不気味さを強めている。
松木創は公式コメントで、脚本の推敲が通常の5~6回から11稿にまで及んだことを明かしている。物語の構成に強くこだわった制作過程がうかがえる。
単純な幽霊譚ではなく、冤罪、弁護、責任、そして人間の罪を組み合わせた作品だ。法廷サスペンスが好きな視聴者にとって、4作品の中でも特に考察しがいのある一編となっている。フジテレビ公式トピックス「北村一輝、7年ぶりに“世にも”主演決定!」
3.「トランジスタ技術の圧縮」溝端淳平が挑む前代未聞の競技SF
3作品目は、タイトルからして異彩を放つ「トランジスタ技術の圧縮」。主演は溝端淳平で、彼が演じるのは梶原倫夫という青年だ。
題材となるのは、実在するエレクトロニクス専門誌『トランジスタ技術』。毎月発刊される分厚い専門誌を保管するため、人々は本そのものを圧縮することを考えた。
やがて、この生活の知恵は世界的な競技へと発展する。
梶原は、かつて「圧縮の神」と呼ばれた人物からアイロンを使った技術を受け継いでいる。一方、対戦相手の坂田成実(阿部亮平)は、驚異的な握力でページをむしり取る方法を得意とする。
アイロンを使う梶原と、握力で勝負する坂田。勝利を手にするのはどちらなのか。
出演者は次のとおり。
- 梶原倫夫:溝端淳平
- 坂田成実:阿部亮平
- 実況:福澤朗
原作は宮内悠介の短編「トランジスタ技術の圧縮」。創元SF文庫『超動く家にて』に収録されている。脚本は相馬光、演出は岩田和行が担当した。
さらに、実在の専門誌を題材とすることから、CQ出版の『トランジスタ技術』編集部が圧縮協力として参加している。
フジテレビ公式情報によれば、溝端は本作が『世にも奇妙な物語』初出演にして初主演。福澤朗の実況も演出上の重要な要素となっている。
この作品の面白さは、荒唐無稽な設定をスポーツ中継のような真剣さで描く点にある。大真面目に取り組むほど笑いが生まれるという、シリーズのブラックコメディ的な魅力がよく表れた一編だ。フジテレビ公式トピックス「溝端淳平、“世にも”初出演で初主演!」
4.「走馬灯のセトリは考えておいて」西野七瀬が演じる近未来のヒューマンSF
西野七瀬が演じる小清水イノリは、故人のライフログからライフキャストを制作する仕事に携わっている。
ライフログとは、生前の生活、趣味、好み、話し方などを記録したデータのこと。これらをロボットに組み込むことで、亡くなった人にそっくりな存在を再現できる技術が発達した近未来の日本が舞台となる。
質の高いライフキャストを制作するライフキャスターとして評判のイノリだが、本人はその存在を「魂のない人形」と感じ、仕事に疑問を抱いていた。
そんな彼女のもとに、かつて人気を博したバーチャルアイドル・黄昏キエラのライフキャストを制作してほしいという依頼が届く。50年以上前のアイドルのライフログを集める過程で、イノリはキエラの知られざる過去に触れていく。
主要キャストは以下のとおり。
- 小清水イノリ:西野七瀬
- 小清水明宏:利重剛
- 柚崎碧:朝加真由美
- 黄昏キエラ:七海うらら
原作は柴田勝家の同名小説で、ハヤカワ文庫から刊行された作品。脚本は嶋田うれ葉、演出は岩田和行が担当した。
西野七瀬は本作で『世にも奇妙な物語』初出演にして初主演を果たした。黄昏キエラを演じる七海うららは、バーチャルとリアルの両方で活動するパラレルシンガーとして起用されている。
制作面でも興味深い。演出の岩田和行によると、撮影、CG、バーチャルアイドルの制作、楽曲チームなど、多くのスタッフが参加して映像表現を構築したという。
単に故人を再現する技術の是非を問うだけではない。記憶と人格は同じなのか、データとして再現された存在を本人と呼べるのかという、現代のデジタル社会にも通じる問いを扱っている。
4作品の中では、テクノロジーと人間の感情を結びつけたヒューマンSFとして位置づけられる。フジテレビ公式トピックス「西野七瀬、“世にも”初出演で主演に!」
【原作・制作スタッフを検証】オリジナル脚本と小説原作の違い
2023年秋の特別編は、4作品すべてが同じ方法で制作されたわけではない。公式スタッフ情報を見ると、宮内悠介と柴田勝家の小説を原作とする作品が2本あり、残る2本には公式ページ上の原作クレジットがない。
ここは検索時に混同されやすいポイントだ。「永遠のふたり」と「地獄で冤罪」は、原作小説のタイトルを探すよりも、脚本家と演出家を確認するほうが正確に作品の出自を理解できる。
4作品の原作・脚本・演出の整理
「永遠のふたり」は星護が脚本と演出を兼任。既存の原作作品を映像化する形式ではなく、公式スタッフ欄には原作の記載がない。
「地獄で冤罪」は辻野正樹が脚本を担当し、松木創が演出。こちらも公式ページには原作の記載がない。
「トランジスタ技術の圧縮」は宮内悠介の小説を映像化。原作の奇抜な発想を、実在する専門誌との協力によって映像作品へ展開している。
「走馬灯のセトリは考えておいて」は柴田勝家の小説が原作。脚本の嶋田うれ葉と演出の岩田和行が、近未来の世界観をテレビドラマとして構築した。
共同テレビとフジテレビの制作体制
4作品に共通する制作体制にも注目したい。
公式ページに記載された制作はフジテレビ、制作著作は共同テレビ。編成企画には渡辺恒也、長嶋大介、水戸祐介の3人が名を連ね、プロデュースは中村亮太が担当している。
一方、脚本と演出は作品ごとに異なる。シリーズ全体の統一感を保ちながら、短編ごとの個性を強められる仕組みだ。
つまり、4作品の雰囲気が大きく違うのは、単なる偶然ではない。共通する番組ブランドと制作体制のもとで、異なる作家性や演出手法を組み合わせるオムニバス形式そのものが生み出す特徴である。
【評判・視聴率】2023年秋の特別編はどの作品が評価された?
作品の評判を考える際には、テレビ視聴率と視聴後の作品評価を分けて見る必要がある。
まず、TVガイドWebが掲載した2023年11月6日から12日までの関東地区・世帯視聴率ランキングでは、11月11日放送の本作は6.5%を記録し、ドラマ部門7位にランクインした。
これは当時のテレビ視聴状況を示す数字であり、作品の満足度や個々のエピソードの人気を直接示すものではない。TVガイドWeb・2023年11月6日~12日のテレビ視聴率ランキング
作品ごとに異なる評価ポイント
マイナビニュースの放送日レビューでは、4作品のジャンルの違いが取り上げられた。
- 永遠のふたり:草彅剛の演技とSF的な映像表現が見どころ。
- 地獄で冤罪:予想のつかない展開と、現実感を伴うサスペンス性。
- トランジスタ技術の圧縮:奇抜な設定と、競技に懸ける人物たちの熱量。
- 走馬灯のセトリは考えておいて:バーチャル技術を題材にした感情的な人間ドラマ。
特に「トランジスタ技術の圧縮」は、荒唐無稽な設定を真正面から描くことで、シリーズならではの奇妙なユーモアを生み出している。一方、「走馬灯のセトリは考えておいて」は近未来SFでありながら、人間の記憶や別れを扱う感情的な作品として紹介された。マイナビニュース・2023年11月11日掲載の作品レビュー
視聴者投稿にも評価の幅が見られる。Filmarksのレビューには、「走馬灯のセトリは考えておいて」と「トランジスタ技術の圧縮」を高く評価する意見がある一方、作品によって好みが分かれた感想も掲載されている。
この違いは、視聴者が『世にも奇妙な物語』に期待する要素が一つではないことを示している。強い恐怖やどんでん返しを求める人と、SF的な発想や人間ドラマを楽しみたい人では、評価する作品が異なりやすい。Filmarks・『世にも奇妙な物語’23 秋の特別編』投稿レビュー
【歴代の秋の特別編と比較】2023年版が持つシリーズ内での位置づけ
『世にも奇妙な物語』は1990年4月にレギュラードラマとして始まり、その後、春・秋などの特別編を中心に展開してきた。
フジテレビの公式アーカイブを確認すると、2023年秋の前後にも、秋の特別編が継続して制作されている。
- 2020年秋:2020年11月14日放送。「イマジナリーフレンド」「コインランドリー」「アップデート家族」「タテモトマサコ」。
- 2021年秋:2021年11月6日放送。「優等生」「スキップ」「ふっかつのじゅもん」「金の卵」。
- 2022年秋:2022年11月12日放送。「元カレと三角関係」「わが様」「コンシェルジュ」「ちょっと待った!」。
- 2023年秋:2023年11月11日放送。「永遠のふたり」「地獄で冤罪」「トランジスタ技術の圧縮」「走馬灯のセトリは考えておいて」。
その後、2024年は6月の夏の特別編に続き、12月14日に冬の特別編が放送された。2025年には35周年SPの秋の特別編も制作されており、季節ごとの企画と記念特番を組み合わせながらシリーズが続いている。
2023年版の特徴は、4作品の題材が非常に幅広いことだ。研究室の謎を扱うSF、死後の裁判を扱うサスペンス、専門誌をめぐるコメディ、デジタル技術による故人の再現を扱うヒューマンSFが一つの番組に収まっている。
単一ジャンルに統一するのではなく、作品ごとに違う後味を用意することが、このシリーズの大きな強みである。フジテレビ公式「あらすじ(2020年~2024年)」・「2025年~2029年」
【プロの結論】2023年秋の特別編は何を基準に楽しむべきか
2023年秋の特別編を評価する際には、単純に怖かったか、最後に驚かされたかだけで判断しないほうがよい。
4作品は、それぞれ異なる方向から人間の常識や価値観を揺さぶっている。
- SF的な仕掛けや世界の反転を楽しみたい人:「永遠のふたり」。
- 伏線やサスペンス、意外な真相を楽しみたい人:「地獄で冤罪」。
- シュールな笑いや奇抜なアイデアが好きな人:「トランジスタ技術の圧縮」。
- デジタル技術と人間の記憶、別れを考えたい人:「走馬灯のセトリは考えておいて」。
一方、全編にわたって強いホラーや恐怖演出を期待する視聴者には、コメディ色の強い作品やヒューマンSFが好みに合わない可能性もある。
編集者として特に注目したいのは、原作小説の有無よりも、4作品がどのように異なる「奇妙さ」を作っているかという点だ。
「永遠のふたり」は世界の仕組みを揺さぶり、「地獄で冤罪」は人間の罪と責任を問い、「トランジスタ技術の圧縮」は日常の道具を競技へ変え、「走馬灯のセトリは考えておいて」は記憶と人格の境界を描く。
こうした違いを意識すると、単なる4本立てのドラマではなく、同じ番組ブランドのもとで異なる作家性を楽しめる作品集として理解できる。
【世にも奇妙な物語2023秋】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:世にも奇妙な物語2023秋の放送日はいつですか?
A1:2023年11月11日(土)21時から23時10分まで、フジテレビ系の土曜プレミアム枠で放送されました。ストーリーテラーはタモリです。
Q2:2023年秋の特別編は全部で何話ですか?
A2:全4話です。「永遠のふたり」「地獄で冤罪」「トランジスタ技術の圧縮」「走馬灯のセトリは考えておいて」で構成されています。
Q3:草彅剛が出演した作品のタイトルは何ですか?
A3:「永遠のふたり」です。草彅剛が研究者の坂本一を演じ、江口洋介、大西礼芳らが共演しました。
Q4:北村一輝が出演した作品はどんな内容ですか?
A4:「地獄で冤罪」です。北村一輝演じる弁護士が、死刑執行後に地獄の裁判で無実を訴える男性の弁護を引き受ける物語です。三雲一郎の声は花江夏樹が担当しました。
Q5:「トランジスタ技術の圧縮」の原作は何ですか?
A5:宮内悠介の同名小説です。創元SF文庫『超動く家にて』に収録されています。溝端淳平が主演し、阿部亮平、福澤朗が出演しました。
Q6:「走馬灯のセトリは考えておいて」の原作者は誰ですか?
A6:柴田勝家です。ハヤカワ文庫の同名小説が原作で、西野七瀬が主人公の小清水イノリを演じました。
Q7:4作品すべてに原作小説がありますか?
A7:いいえ。フジテレビの公式スタッフ情報で原作が明記されているのは「トランジスタ技術の圧縮」と「走馬灯のセトリは考えておいて」の2作品です。「永遠のふたり」と「地獄で冤罪」には公式ページ上の原作記載がありません。
Q8:2023年秋の特別編の制作会社はどこですか?
A8:制作はフジテレビ、制作著作は共同テレビです。編成企画は渡辺恒也、長嶋大介、水戸祐介、プロデュースは中村亮太が担当しました。
まとめ:世にも奇妙な物語2023秋は4つの異なる奇妙さを楽しめる特別編
『世にも奇妙な物語’23 秋の特別編』は、2023年11月11日に放送された全4話のオムニバスドラマである。
草彅剛の「永遠のふたり」、北村一輝の「地獄で冤罪」、溝端淳平の「トランジスタ技術の圧縮」、西野七瀬の「走馬灯のセトリは考えておいて」。主演俳優も題材も異なる4作品が、タモリのストーリーテラーによって一つの番組にまとめられた。
原作情報では宮内悠介と柴田勝家の小説がそれぞれ映像化され、残る2作品は星護と辻野正樹が脚本を担当。フジテレビと共同テレビによる制作体制のもと、各話の演出家が独自の世界観を作り上げている。
2026年に振り返っても、デジタル技術による故人の再現や、現実の専門誌を題材にした奇想天外な競技など、今なお興味を引くテーマがそろっている。
ホラーだけに限定せず、SF、サスペンス、コメディ、人間ドラマという幅広いジャンルを楽しむ。それこそが、2023年秋の特別編を味わうための最良の視点だ。 (出典: 世にも奇妙な物語 2023 秋(Yahoo!ニュース))