【出場選手一覧】確定エントリーとスタートリストの注目選手は?
日本陸連は2026年6月5日、出場選手のエントリーリスト確定版を公表した。男子100mには前回大会の優勝者である桐生祥秀、日本の若手短距離界を代表する清水空跳らが登録。女子やり投にはパリ五輪金メダリストの北口榛花、男子400mには中島佑気ジョセフが名を連ねた。
特に男子100mは、実績を持つベテランと勢いのある若手が同じ舞台に立つ構図となった。出場資格記録だけでなく、前回優勝者としての出場枠や標準記録による資格取得など、選手によってエントリーの背景も異なる。
注目選手と出場種目・大会結果
この一覧で注意したいのは、エントリーした選手が必ず競技に出場したわけではない点だ。桐生は男子100m決勝に進出した一方、清水は公式リザルトでDNSと記録されている。出場予定者と実際の競技参加者は区別する必要がある。
また、確定エントリーリストは6月5日時点の資料であり、その後の欠場申請を反映したスタートリストとは役割が異なる。日本陸連は大会公式サイトで6月12日、13日、14日それぞれのスタートリストを公開していた。
男子100mの注目選手
- 桐生祥秀(日本生命):前回大会の優勝者。日本歴代3位の9秒98を持つ実績あるスプリンター。
- 清水空跳(星稜高):10秒00のU20日本記録を持つ若手選手。
- 守祐陽(渡辺パイプ):参加資格記録10秒00でエントリー。
- 小池祐貴(住友電工):日本代表経験を持つ短距離選手。
- 山縣亮太(セイコー):日本記録9秒95の保持者。
- 多田修平(住友電工):国内トップクラスのスタート技術を持つ選手。
なお、桐生の出場種目は個人100mだけではない。6月15日時点のアジア大会日本代表内定選手一覧では、桐生は混合4×100mリレーのメンバーとしても掲載された。個人種目の成績だけで代表活動全体を判断できない点も押さえておきたい。
女子・中距離・フィールド種目の注目選手
- 北口榛花(JAL):女子やり投。2024年パリ五輪金メダリスト。
- 久保凛(積水化学):女子800m。国内中距離の注目選手。
- 中島佑気ジョセフ(富士通):男子400m。アジア大会代表選考でも重要な存在。
- 田中希実(豊田自動織機):女子1500mなどで注目された中長距離選手。
- 泉谷駿介(住友電工):男子110mハードルの有力選手。
- 橋岡優輝(富士通):男子走幅跳の有力選手。
男女34種目の出場選手を網羅した資料は、日本陸連が公開した「エントリーリスト(確定版)」と、競技日ごとのスタートリストで確認できる。特に出場者の変更や欠場を調べる場合は、最終的な競技結果と照合することが欠かせない。
【決勝結果】男子100mは多田修平が優勝、女子やり投は北口榛花が制す
大会の注目種目では、事前の予想とは異なる結果も生まれた。男子100mでは連覇を狙った桐生祥秀が3位となり、多田修平が5年ぶり2回目の日本選手権優勝。女子やり投では北口榛花が62m86を記録して優勝した。
男子100m:多田修平が10秒17で5年ぶりの日本一
男子100m決勝は6月13日に行われた。優勝したのは住友電工の多田修平。記録は10秒17(追い風0.1m)だった。
2位は筑波大学の西岡尚輝で10秒20。前回覇者の桐生祥秀は10秒24で3位となった。
桐生は連覇こそ逃したものの、国内トップレベルの選手が集まる決勝で表彰台を確保した。一方、多田は5年ぶり2回目の優勝を達成。男子100mの勢力図を考えるうえでも印象的な結果となった。
清水空跳については、確定エントリーに名前があったものの、実際の予選記録はDNS。10秒00の記録を持つ若手選手の走りを期待していたファンにとっては、結果を確認する際に押さえておきたいポイントだ。
日本陸連の公式決勝記録は次のとおり。
- 1位:多田修平 10秒17
- 2位:西岡尚輝 10秒20
- 3位:桐生祥秀 10秒24
男子400m:中島佑気ジョセフが45秒60で優勝
男子400mでは、富士通の中島佑気ジョセフが45秒60で優勝した。
2位は筑波大学の林申雅で45秒75、3位はミズノの佐藤風雅で45秒95。国内トップクラスの400m選手が上位を争った。
中島はアジア大会の代表選考においても注目されていた選手であり、今回の優勝は日本選手権のタイトル獲得という意味でも大きい。男子400mは個人の持ちタイムだけでなく、レース後半のスピード維持やペース配分が勝敗を左右する種目だ。
女子800m:久保凛が2分01秒54で日本一
女子800mでは積水化学の久保凛が2分01秒54で優勝した。
2位は岩谷産業の塩見綾乃で2分01秒67。久保との差はわずか0秒13だった。3位には筑波大学の勝くるみが2分03秒77で入った。
女子800mは、序盤からの位置取りとラストスパートのタイミングが結果に直結する。久保は接戦を制し、日本選手権のタイトルを獲得。アジア大会代表内定選手にも名を連ねた。
女子やり投:北口榛花が62m86で優勝
女子やり投は、JAL所属の北口榛花が62m86を記録して優勝した。
2位は武本紗栄の61m74、3位は上田百寧の61m03。上位3人がいずれも60mを超える記録を残した。
北口は2024年パリ五輪の女子やり投金メダリスト。世界の舞台で結果を残してきた選手が、日本選手権でも優勝を果たしたことは、国内投てき種目の競技水準を示す結果となった。
また、派遣設定記録は60m25。北口の62m86はこれを上回っており、アジア大会代表に内定した。
【種目別リザルト】男子17種目・女子17種目の優勝者と記録一覧
第110回日本選手権では、男女それぞれ17種目の決勝が行われた。短距離から長距離、ハードル、跳躍、投てきまで、各種目で日本一が決定している。
以下は日本陸連の正式リザルトを基に整理した決勝優勝者と記録だ。記録は公式結果の表記に合わせている。
男子の優勝者・決勝結果
- 100m:多田修平 10秒17
- 200m:水久保漱至 20秒14
- 400m:中島佑気ジョセフ 45秒60
- 800m:萬野七樹 1分46秒45
- 1500m:飯澤千翔 3分40秒11
- 5000m:森凪也 13分22秒41
- 110mハードル:泉谷駿介 13秒17
- 400mハードル:後藤大樹 48秒09
- 3000m障害:青木涼真 8分18秒63
- 走高跳:坂井宏和 2m20
- 棒高跳:柄澤智哉 5m50
- 走幅跳:橋岡優輝 7m89
- 三段跳:宮尾真仁 16m64
- 砲丸投:森下大地 18m69
- 円盤投:湯上剛輝 60m66
- ハンマー投:中川達斗 73m93
- やり投:﨑山雄太 82m05
女子の優勝者・決勝結果
- 100m:井戸アビゲイル風果 11秒44
- 200m:井戸アビゲイル風果 23秒19
- 400m:松本奈菜子 52秒94
- 800m:久保凛 2分01秒54
- 1500m:田中希実 4分11秒80
- 5000m:山本有真 14分59秒89
- 100mハードル:中島ひとみ 12秒77
- 400mハードル:青木穂花 55秒92
- 3000m障害:齋藤みう 9分30秒30
- 走高跳:髙橋渚 1m86
- 棒高跳:諸田実咲 4m25
- 走幅跳:秦澄美鈴 6m39
- 三段跳:船田茜理 13m69
- 砲丸投:坂ちはる 16m07
- 円盤投:齋藤真希 55m56
- ハンマー投:村上来花 68m18
- やり投:北口榛花 62m86
特に注目したいのは、女子100mと200mの両方で井戸アビゲイル風果が優勝したことだ。100mは11秒44、200mは23秒19。2年連続で両種目を制し、女子の短距離種目を代表する存在感を示した。
男子では、後藤大樹の男子400mハードル48秒09が際立った。大会新記録に加え、U20日本新記録、U18日本新記録、日本高校新記録を更新する結果となった。
なお、これらは各種目の優勝記録であり、予選や準決勝の大会新記録などとは区別している。全選手の順位、予選通過記録、風速、試技内容については、日本陸連が6月14日に公開した全リザルトで確認できる。
【欠場選手】柳田大輝・鵜沢飛羽・広中璃梨佳はなぜ出場しなかった?
確定エントリーの発表と同時に注目されたのが、世界選手権経験者を含む有力選手の欠場情報だった。
2026年6月5日付の日刊スポーツの報道では、柳田大輝、鵜沢飛羽、広中璃梨佳らが欠場すると伝えられた。日本陸連の確定版資料にも、男子100mの柳田と男子200mの鵜沢にはキャンセルの表示がある。
柳田大輝:男子100mを欠場
Honda所属の柳田大輝は、男子100mのエントリー選手として掲載されていたが、確定版ではキャンセル扱いとなった。
男子100mは多田修平、桐生祥秀、山縣亮太、小池祐貴ら実績のある選手が集まった種目だけに、柳田の不在も大会前の大きな話題となった。
鵜沢飛羽:男子200mを欠場
鵜沢飛羽はJAL所属の短距離選手で、男子200mの日本歴代3位となる20秒11の記録を持つ。
日刊スポーツの報道によると、鵜沢はけがのため日本選手権を欠場した。男子200mで有力候補の一人だっただけに、欠場は競技展開にも影響するニュースとなった。
広中璃梨佳:女子5000mを欠場
女子5000mでは、ユニクロ所属の広中璃梨佳が欠場した。広中はすでにアジア大会の女子10000m代表に内定していた選手である。
ここで重要なのは、5000mを欠場したことと、アジア大会代表としての選出は別の話だという点だ。日本陸連が6月15日時点で公表した代表内定選手一覧には、広中の名前が女子10000mの代表として掲載されている。
欠場とアジア大会代表は別々に確認する
鵜沢にも同様の注意点がある。日本選手権の男子200mを欠場した一方、6月15日時点のアジア大会代表内定選手一覧では男子200mの代表として名前が記載されていた。
つまり、日本選手権に出場しなかったことが、そのままアジア大会代表からの落選を意味するわけではない。別の競技会での選考や、すでに獲得していた代表資格が関係するためだ。
欠場情報を見る際は、次の3つを分けて確認する必要がある。
- エントリーしたが大会を欠場した選手
- 日本選手権の結果によって代表内定を獲得した選手
- 日本選手権とは別の選考過程ですでに代表内定していた選手
【アジア大会選考と大会の成果】後藤大樹が男子MVP、来場者は5万5598人
第110回日本選手権を語るうえで欠かせないのが、愛知・名古屋2026アジア競技大会との関係だ。今大会は単なる国内王者決定戦ではなく、アジア大会の日本代表を決める最終選考会として開催された。
日本選手権で新たに24人が即時内定
日本陸連の6月19日付総括会見レポートによると、今大会で新たにアジア大会代表へ即時内定した選手は、男子15人、女子9人の合計24人だった。
即時内定の条件は、日本選手権で優勝し、決勝終了時点までにアジア大会の派遣設定記録を突破していること。優勝だけで自動的に代表が決まる仕組みではない。
さらに、即時内定者以外についても、強化委員会による選考が行われた。日本陸連の説明では、アジアトップリストのおよそ8位を基準に残りの代表枠を検討する方針が示されている。
この仕組みは、国内大会での順位と国際大会での競争力を両立させるためのものだ。日本選手権で勝つことは重要だが、アジア大会でメダルを争える記録水準に達しているかどうかも選考上の大きな判断材料になる。
MVPは後藤大樹と井戸アビゲイル風果
日本陸連が発表した最優秀選手賞(MVP)は、男子が後藤大樹、女子が井戸アビゲイル風果だった。
後藤は男子400mハードルで48秒09を記録。U20日本新、U18日本新、日本高校新を更新する快走で優勝した。日本陸連の総括会見でも、強化委員長が高校2年生によるこの記録を高く評価している。
井戸は女子100mと200mで2冠を達成。しかも両種目で2連覇を成し遂げた。短距離種目で継続して結果を残す競技力が、女子MVP選出につながった。
3日間の公式入場者数は55,598人
大会の盛況ぶりを示したのが、公式入場者数だ。
- 6月12日(金):12,818人
- 6月13日(土):25,041人
- 6月14日(日):17,739人
- 3日間合計:55,598人
2日目は25,041人が来場し、3日間で最も多かった。前回大会の合計41,353人と比べると、14,245人増加している。
日本陸連の総括会見では、昨年の東京世界選手権で高まった陸上競技への関心や、新設スタジアムの環境が大会の盛り上がりにつながったとの見解も示された。
国内選手権が競技関係者だけでなく、一般の観客にも広く支持されたことは、2026年の陸上界にとって重要な成果だった。
【プロの結論】出場選手を調べるならエントリー・スタートリスト・リザルトを区別する
今回の第110回日本選手権で、情報を読み解く際に最も重要なのは、出場選手情報には複数の段階があるということだ。
検索結果で「日本選手権陸上2026 出場選手一覧」と表示される情報が、必ずしも実際の出場者を意味するわけではない。大会前の登録情報、大会当日の番組編成、競技終了後の正式記録では、それぞれ確認できる内容が異なる。
3種類の公式資料の違い
- エントリーリスト確定版:大会に申し込んだ選手と参加資格を確認する資料。
- スタートリスト:競技日ごとの組分けやレーン、実際の出走予定者を確認する資料。
- 正式リザルト:実際の順位、記録、欠場、失格などを確認する資料。
今回の大会では、6月5日付の確定エントリーリストに掲載された清水空跳が、実際の男子100m予選ではDNSとなった。これだけでも、登録情報だけを見て出場したと判断できないことが分かる。
日本陸連は確定エントリー発表後のキャンセルや繰り上げについてもルールを明示していた。さらにスタートリストは、各競技日の直前までに申請された欠場を反映して編成される仕組みだった。
情報を確認するときの判断基準
検索する目的によって、参照すべき資料は異なる。
- 選手が大会に登録されていたか知りたい場合は、確定エントリーリスト。
- 当日の組分けやレーンを知りたい場合は、スタートリスト。
- 実際に出場したか、何位だったか知りたい場合は、正式リザルト。
- アジア大会の日本代表に選ばれたか知りたい場合は、日本陸連の代表内定選手一覧。
この区別を意識するだけで、欠場選手を出場者として紹介したり、優勝者をそのまま代表内定者と判断したりする誤解を避けられる。
また、競技記録を比較する際は風速も重要だ。短距離種目では追い風の影響が記録に反映されるため、単純なタイム比較だけで選手の実力を判断するのは適切ではない。男子100mの多田修平の10秒17には追い風0.1mという条件が付記されている。
公式資料の更新日、競技日、記録条件まで確認することが、陸上競技の結果を正確に読み解くための基本となる。
【日本選手権陸上2026の出場選手】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本選手権陸上2026の男子100mには誰が出場しましたか?
男子100mには桐生祥秀、清水空跳、多田修平、小池祐貴、山縣亮太らがエントリーしました。決勝では多田修平が10秒17で優勝し、西岡尚輝が10秒20で2位、桐生祥秀が10秒24で3位となりました。清水空跳は予選DNSでした。
Q2:北口榛花と久保凛の結果はどうでしたか?
北口榛花は女子やり投で62m86を記録して優勝。久保凛は女子800mで2分01秒54を記録して優勝しました。両選手ともアジア大会代表内定選手に名を連ねています。
Q3:柳田大輝・鵜沢飛羽・広中璃梨佳は欠場しましたか?
はい。柳田大輝は男子100m、鵜沢飛羽は男子200mを欠場し、広中璃梨佳も女子5000mを欠場しました。ただし、鵜沢は男子200m、広中は女子10000mのアジア大会代表内定選手一覧に掲載されており、日本選手権の欠場と代表選考は別々に考える必要があります。
Q4:日本選手権陸上2026の全種目の結果はどこで確認できますか?
日本陸上競技連盟の第110回大会公式サイトに掲載された「全てのリザルト」PDFで確認できます。男女の決勝順位だけでなく、予選や準決勝の記録、欠場、風速なども掲載されています。
Q5:第110回日本陸上競技選手権大会はいつ、どこで開催されましたか?
2026年6月12日(金)から14日(日)までの3日間、愛知県名古屋市のパロマ瑞穂スタジアムで開催されました。愛知・名古屋2026アジア競技大会の日本代表選考競技会を兼ねた大会です。
まとめ:日本選手権陸上2026は若手の台頭と実力者の競演が光った大会
第110回日本陸上競技選手権大会は、2026年6月12日から14日まで愛知・パロマ瑞穂スタジアムで開催され、男女34種目の日本一が決定した。
男子100mは多田修平が10秒17で優勝し、桐生祥秀は3位。男子400mは中島佑気ジョセフ、女子800mは久保凛、女子やり投は北口榛花がそれぞれ頂点に立った。
さらに男子400mハードルでは後藤大樹が48秒09の記録を残し、男女のMVPにも選出された。3日間の来場者は合計55,598人に達し、競技面でも大会運営面でも注目を集めた。
一方、柳田大輝、鵜沢飛羽、広中璃梨佳らの欠場、清水空跳のDNSなど、エントリー情報と実際の出場状況には違いがあった。アジア大会代表選考についても、日本選手権での優勝と代表内定は必ずしも同じではない。
2026年大会の出場選手や結果を正確に知りたい場合は、日本陸連の確定エントリーリスト、日別スタートリスト、正式リザルトの3資料を照合することが最も確実だ。選手の登録状況だけでなく、実際の競技結果と代表選考まで追うことで、第110回大会の全体像が見えてくる。
主な参照資料:日本陸上競技連盟「第110回日本陸上競技選手権大会」大会要項・確定エントリーリスト・スタートリスト・正式リザルト・大会総括会見レポート、JOC大会情報、日刊スポーツ、月刊陸上競技。 (出典: 日本 選手権 陸上 2026 出場選手(Yahoo!ニュース))