【2026年11月2日最新】東京の貯水率は何%?3水系の貯水量を比較
まず押さえておきたいのは、東京都全体に適用される単一の公式貯水率が公表されているわけではないという点です。
東京都水道局は、東京の水源を利根川水系・荒川水系・多摩川水系に分け、各ダムの貯水量と貯水率を公表しています。
2026年11月2日の公表値を整理すると、次のようになります。
東京の主要水源・最新貯水率
利根川水系
貯水量44,869.0万m³・前年49.7%
荒川水系
貯水量7,552.6万m³・前年40.8%
多摩川水系(2貯水池合計)
貯水量16,534.1万m³・前年66.1%
この数字から分かるのは、利根川水系が3水系の中で最も高く、荒川水系が相対的に低いということです。
多摩川水系については、代表的な小河内貯水池単独の貯水率が75.6%です。一方、村山・山口貯水池も含めた2貯水池合計では75.2%となります。数字が異なるのは集計対象が違うためです。
前年同日と比べると、どのくらい改善した?
注目したいのは、2025年11月2日と2026年11月2日の比較です。
| 水系 | 2025年11月2日 | 2026年11月2日 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 利根川 | 49.7% | 81.3% | +31.6ポイント |
| 荒川 | 40.8% | 52.4% | +11.6ポイント |
| 多摩川(2貯水池) | 66.1% | 75.2% | +9.1ポイント |
特に利根川水系は前年から31.6ポイント上昇しています。前年の同時期と比べれば、貯水状況は大きく改善しています。
ただし、前年より高いことと、将来の渇水リスクがなくなったことは同じではありません。降雨、河川流量、ダムからの補給量によって状況は変わります。
なお、東京都水道局は公表データに速報値が含まれ、後日訂正される場合があると説明しています。最新の推移を確認するときは、更新時刻も併せて見る必要があります。
【主要ダムを徹底比較】矢木沢・奈良俣・浦山・小河内の現在の貯水率
水系全体の数字だけでは、個々のダムの状態までは分かりません。
2026年11月2日の東京都水道局の資料から、主要ダムと貯水池の状況をまとめました。
矢木沢ダム:貯水率98.7%で高い水準
利根川水系の主要施設である矢木沢ダムは、貯水率98.7%。貯水量は11,395.7万立方メートルです。
水資源機構が管理する施設で、奈良俣ダムなどとともに利根川上流の水資源を支えています。
今回の数字では、利根川水系の中でも高い貯水率を維持しています。ただし、矢木沢ダムだけを見て東京の水不足の可能性を判断することはできません。ほかのダムの状況や河川流量も合わせて確認する必要があります。
奈良俣ダム:貯水率89.7%
奈良俣ダムの貯水率は89.7%、貯水量は7,622.4万立方メートルです。
矢木沢ダムと同じ利根川水系に属し、東京都を含む首都圏の水利用を支える施設です。
矢木沢ダムより9ポイント低いものの、今回の公表値では比較的高い水準にあります。
浦山ダム:貯水率63.8%
浦山ダムは荒川水系の重要な水源施設です。
11月2日の貯水率は63.8%、貯水量は3,572.3万立方メートルとなっています。
荒川水系全体の52.4%を上回っていますが、同じ水系の滝沢ダムは50.2%、二瀬ダムは3.3%と、施設ごとに状況が異なります。
この違いは、水系全体の数字だけでは見落としやすいポイントです。
小河内貯水池:多摩川水系の中心的な水源
東京都西多摩郡奥多摩町に位置する小河内貯水池は、一般に奥多摩湖として知られています。
11月2日7時現在の貯水量は14,022.6万立方メートル、貯水率は75.6%です。
小河内貯水池の貯水率は、多摩川水系の状況を把握するうえで重要な指標になります。ただし、東京都水道局の集計では村山・山口貯水池も含まれるため、合計値75.2%と混同しないよう注意が必要です。
【東京の水源の仕組み】なぜ利根川・荒川が約8割を占めるのか
東京の水道水は、どこから運ばれてくるのでしょうか。
東京都水道局の説明によると、東京の水源はほとんどが河川水で、利根川・荒川水系が約80%、多摩川水系が約17%、その他が約3%を占めています。
現在の水源構成に至るまでには、東京の人口増加と水需要の変化が大きく関係しています。
多摩川中心だった東京の水道が変わった理由
昭和30年代まで、東京は多摩川水系への依存度が高い水道システムでした。
しかし、人口増加と都市化に伴い、水道需要が急速に拡大します。そこで、利根川水系の水資源開発を進め、東京へ供給できる水量を増やしてきました。
現在の東京都の保有水源量は、日量約680万立方メートルとされています。
利根川の水が東京に届くまで
利根川上流のダムに蓄えられた水は、河川を流れ、群馬県と埼玉県の境付近にある利根大堰から取水されます。
その後、武蔵水路を通じて荒川へ導水され、下流の取水施設を経て浄水場に送られます。
つまり、利根川と荒川は独立した水源というだけでなく、水を融通するための施設によって結ばれています。
この仕組みがあることで、東京都は複数の水系を組み合わせた水利用を実現しています。
多摩川水系も重要な予備的役割を担う
東京都水道局は、利根川・荒川系の水と多摩川系の水を相互に融通できる仕組みを整備しています。
通常は利根川・荒川の水を主に利用し、小河内貯水池などの多摩川系の水は貯留に努めながら必要な分を使用します。
一方、利根川・荒川水系で渇水や水質事故が発生した場合には、多摩川系の水を活用する運用も可能です。
水源を複数確保することは、東京の安定給水にとって大きな意味を持っています。
【貯水率低下の理由と実態】数字が毎日変わるのはなぜ?
ダムの貯水率は、毎日同じ数字を維持するわけではありません。
降雨や雪解けによって流入量が増える一方、生活用水などの供給や河川環境を維持するために放流が行われます。
そのため、貯水量は自然条件とダムの運用の両方によって変化します。
貯水率が低下する主な4つの要因
1. 降雨量の減少
雨が少ない期間が続くと、河川からダムに流れ込む水量が減ります。特に上流域での少雨は、ダムの貯水量に影響します。
2. 雪解け水の減少
冬の積雪が少ない場合、春から初夏にかけて供給される雪解け水も少なくなります。利根川上流域では、積雪や融雪の状況も水資源を考えるうえで重要です。
3. 水道用水や農業用水などへの供給
ダムは水を保管するだけの施設ではありません。下流の水利用者に水を供給する役割も担っています。
4. 洪水調節や河川維持のための運用
大雨に備えて貯水容量を確保したり、下流の河川流量を維持したりするために放流する場合があります。
このため、貯水率が下がったからといって、必ずしも水道水の消費量が急増したとは限りません。
2026年11月2日のデータで注目したい変化
東京都水道局の公表値では、前日と比較して次の変化が確認できます。
- 利根川水系:398.0万m³増加
- 荒川水系:8.3万m³増加
- 多摩川水系:60.9万m³減少
利根川水系では全体として貯水量が増加した一方、多摩川水系では減少しています。
ここで重要なのは、1日単位の増減だけで水不足を判断しないことです。
数日間の推移、週間の変化、前年同日との比較を組み合わせることで、貯水状況の方向性を把握しやすくなります。
貯水率の比較で見落としやすいポイント
ダムの貯水率を比較する際には、分母となる貯水容量に注意が必要です。
東京都水道局の資料では、利根川・荒川水系について、非洪水期(10月~翌6月)と洪水期(7月~9月)で貯水容量が異なる施設があります。
多摩川水系についても、非出水期(11月~翌5月)と出水期(6月~10月)で容量の扱いが異なります。
例えば、同じ貯水量でも、比較対象となる有効容量が変われば貯水率も変わります。
したがって、前年同日と比較する場合には、同じ時期のデータを使い、対象施設と容量の定義も確認することが大切です。
【東京の渇水リスクと取水制限】2026年11月は水不足なのか?
2026年11月2日の数値を見る限り、東京の主要3水系はすべて前年同日より高い貯水率を確保しています。
ただし、荒川水系の二瀬ダムは3.3%と低い数字になっており、個別施設の状況には注意が必要です。
では、東京で取水制限が始まる可能性はあるのでしょうか。
2026年の渇水対応状況
国土交通省は2026年8月6日に渇水情報連絡室を設置し、全国の水資源状況を継続的に発信しています。
一方、関東地方整備局の渇水対策本部は8月6日に設置され、8月17日に解散しています。
国土交通省が10月29日に公表した全国の渇水状況では、取水制限などの対応が掲載されている水系は中国・四国・九州地方が中心で、関東地方は対象として掲載されていません。
つまり、全国的には渇水への警戒が続いているものの、関東の状況は他地域と区別して判断する必要があります。
貯水率が低いと、すぐに取水制限になる?
答えは、必ずしもそうではありません。
国土交通省の説明では、渇水とは、降雨不足などで河川流量が減り、通常どおりの取水を続けるとダムの貯水が枯渇すると想定される場合などに、取水制限を行う状態を指します。
取水制限の判断には、単純な貯水率だけでなく、河川の流量、今後の降雨予測、ダムの補給能力、各利水者の需要などが関係します。
そのため、貯水率が50%を下回ったら必ず取水制限が始まる、といった全国共通の単純な基準で判断することはできません。
東京オリンピック渇水から学ぶべきこと
東京の水不足を考えるうえで忘れてはならないのが、1964年の東京オリンピック渇水です。
当時の東京は多摩川水系への依存度が高く、昭和36年から昭和40年3月まで4年連続で給水制限を実施しました。
1964年夏には最大50%の給水制限が行われ、日中の断水など市民生活にも大きな影響が及びました。
その後、荒川からの取水や利根川からの導水など、水源を広域化する取り組みが進められました。
現在の東京が複数水系から水を確保できるのは、過去の深刻な水不足を教訓に、水源開発と導水施設の整備を積み重ねてきた結果です。
【プロの結論】見るべきなのは貯水率だけではない
2026年11月2日の東京の水資源状況を評価するなら、次の3点が判断材料になります。
- 水系全体の貯水率: 主要な水源全体にどの程度の水が確保されているか。
- 個別ダムの貯水量: 特定のダムに極端な低下が発生していないか。
- 河川流量と取水制限情報: 実際に水道用水の供給に影響する動きが出ているか。
今回、利根川水系は81.3%、多摩川水系は75.2%(2貯水池合計)で、前年同日を上回っています。荒川水系は52.4%と相対的に低いものの、前年の40.8%からは改善しています。
二瀬ダムのように個別の貯水率が低い施設が存在しても、その数字だけで東京都全体の給水危機を意味するわけではありません。
東京の水不足を判断するには、ダム単体ではなく、水系全体の貯水量と水の供給体制をセットで見ることが重要です。
【貯水率東京】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年11月2日現在、東京の貯水率は何%ですか?
A1:東京都水道局の公表値では、利根川水系81.3%、荒川水系52.4%です。多摩川水系は小河内貯水池単独で75.6%、村山・山口貯水池を含む2貯水池合計で75.2%です。東京都全体を一つの数字で表す公式貯水率とは区別してください。
Q2:矢木沢ダムと奈良俣ダムの現在の貯水率は?
A2:2026年11月2日現在、矢木沢ダムは98.7%、奈良俣ダムは89.7%です。どちらも利根川水系の重要な水源施設で、首都圏の安定した水供給を支えています。
Q3:東京で取水制限や断水が始まる可能性はありますか?
A3:貯水率だけで取水制限の開始を予測することはできません。2026年11月2日時点では、国土交通省の公表資料で関東地方整備局の渇水対策本部はすでに解散しており、10月29日の全国状況にも関東の取水制限は掲載されていません。今後の降雨や河川流量の変化には引き続き注意が必要です。
まとめ:東京の貯水率は前年より改善、今後は水系別の推移に注目
2026年11月2日現在、東京の主要水源は前年同日と比較して改善しています。利根川水系は81.3%、荒川水系は52.4%、多摩川水系は2貯水池合計で75.2%です。
特に利根川水系は前年から31.6ポイント上昇しており、今回のデータでは比較的安定した貯水状況が確認できます。一方、荒川水系では二瀬ダムの貯水率が3.3%と低く、個別施設の動向も見逃せません。
今後、東京の水不足を判断するときは、次の情報を定期的に確認することをおすすめします。
- 東京都水道局の「貯水量情報」と水系別貯水量の推移
- 国土交通省関東地方整備局の首都圏の水資源状況
- 水資源機構が公表する利根川・荒川水系のダム情報
- 国土交通省の渇水情報と取水制限の発表
貯水率は、その日の水源の状態を示す重要な指標ですが、数字が高いから将来も安心、低いから直ちに断水という単純なものではありません。
東京の水道を支えているのは、利根川・荒川・多摩川という複数の水源と、それらをつなぐ導水施設、そしてダムの計画的な運用です。今後も水系全体の推移と降雨状況を併せて確認することが、渇水リスクを正しく理解するためのポイントです。