【遺族側のマナー】御愁傷様と言われたときの返事・返し方
自分が遺族の立場になり、参列者から「ご愁傷様です」と声をかけられた場合、どのように返事をすればよいのでしょうか。
普段使わない言葉だけに、突然の場面では戸惑う人もいます。しかし、難しい敬語や長い返答を用意する必要はありません。
ご愁傷様ですへの基本的な返事5選
| 返事の言葉 | ニュアンス・使い方 |
|---|---|
| 恐れ入ります | 丁寧で幅広い場面に使える |
| 痛み入ります | 相手の厚意に深く感謝する表現 |
| お気遣いありがとうございます | 相手の心遣いへの感謝 |
| ご丁寧にありがとうございます | 改まった場面で自然 |
| 生前はお世話になりました | 故人がお世話になったことへの感謝 |
特におすすめなのは「恐れ入ります」です。
相手の弔意を受け止めながら、丁寧に返答できます。
状況別の返事の例文
一般的な葬儀の場面
恐れ入ります。ありがとうございます。
目上の人や仕事関係者に対して
ご丁寧にありがとうございます。生前は大変お世話になりました。
親族や親しい友人に対して
お気遣いありがとう。まだ気持ちの整理がつかないけれど、来てくれてうれしいです。
参列してくれた人に対して
お心遣いありがとうございます。お忙しい中、お越しいただき恐縮です。
「ありがとうございます」と返しても失礼ではない?
ここは誤解されやすいポイントです。
お悔やみの言葉に対して「ありがとうございます」と返すこと自体が、マナー違反になるわけではありません。
ただし、「ありがとうございます」だけでは、何に対する感謝なのかが伝わりにくいと感じる人もいます。
そのため、次のように言い換えると自然です。
- 「お心遣いありがとうございます」
- 「ご丁寧にありがとうございます」
- 「葬儀にご参列いただき、ありがとうございます」
冠婚葬祭のマナーを解説するAll Aboutでも、こうした表現が紹介されています。
返事ができないときは黙礼だけでもよい
大切な人を亡くした直後は、気持ちの整理がつかず、言葉が出てこないこともあります。
そのようなときは、無理に返答する必要はありません。
相手の方を向いて静かに一礼するだけでも、弔意を受け止めたことは伝わります。
実際にAll Aboutの冠婚葬祭ガイドも、返事が出てこない場合は黙礼だけでも失礼にはならないと説明しています。
【ビジネス敬語・メール】御愁傷様を使ったお悔やみの文例
仕事関係者や取引先の人に訃報があった場合、対面での挨拶とメールでは表現を使い分けることが大切です。
ビジネスでは「お悔やみ申し上げます」が使いやすい
「ご愁傷様です」は、対面での挨拶に適した表現です。
一方、メールや手紙では「謹んでお悔やみ申し上げます」「心より哀悼の意を表します」といった文章表現が適しています。
なお、「ご愁傷様です」をメールで使うことが一律に禁止されているわけではありません。全葬連の2026年2月4日更新の案内でも、お悔やみメールの件名の表現例として紹介されています。ただし、改まったビジネスメールでは「お悔やみ申し上げます」を基本にするとよいでしょう。
仕事関係者へのお悔やみメール文例
取引先の担当者に訃報があった場合
件名:謹んでお悔やみ申し上げます
このたびは、ご家族様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
ご心痛のほど、いかばかりかとお察しいたします。
どうかご無理なさらず、ご家族との時間を大切にお過ごしください。
なお、本メールへのご返信には及びません。
謹んで哀悼の意を表します。
職場の上司や同僚へのメール文例
上司の家族に不幸があった場合
件名:お悔やみ申し上げます
このたびは、ご家族様のご逝去を知り、大変驚いております。
心よりお悔やみ申し上げます。
大変な時期かと存じますので、どうかご自身のお身体も大切になさってください。
業務については周囲で対応いたしますので、どうぞご心配なさらないでください。
ご返信は不要です。
親しい友人に送るメール・LINEの文例
友人の親族に不幸があった場合
お父様のことを聞きました。突然のことで、本当に驚いています。
心よりお悔やみ申し上げます。
今は大変だと思うので、無理をしないでくださいね。
何か手伝えることがあれば、いつでも連絡してください。
返信は気にしないでください。
親しい相手には、形式的な敬語を重ねるよりも、相手との普段の関係に合った自然な言葉を選ぶことも大切です。
お悔やみメールで気をつけたい3つのポイント
1. 件名は簡潔にする
「お悔やみ申し上げます」「訃報に接して」など、内容が分かる件名にします。
2. 長文にしない
遺族は葬儀や各種手続きで忙しいため、短くまとめます。
3. 返信を求めない
「ご返信には及びません」「お返事は不要です」と添えると、相手の負担を減らせます。
全葬連のメールマナー解説でも、件名の簡潔さ、忌み言葉への配慮、返信の必要性を考えた伝え方が取り上げられています。
【失礼を防ぐ】葬儀で避けたい忌み言葉とNG表現
お悔やみの言葉を伝えるときは、表現そのものだけでなく、何気ない会話にも注意が必要です。
特に葬儀では、不幸が繰り返されることを連想させる「忌み言葉」を避ける習慣があります。
1.重ね言葉
不幸が繰り返されることを連想させるため、次のような言葉は避けるのが一般的です。
- たびたび
- 重ね重ね
- くれぐれも
- ますます
- いよいよ
- 次々
- しばしば
例えば、「重ね重ねお悔やみ申し上げます」と言いたくなる場合は、「心よりお悔やみ申し上げます」と言い換えられます。
2.不幸の繰り返しを連想させる言葉
次のような言葉も、弔事では避けるのが一般的です。
| 避けたい表現 | 言い換え例 |
|---|---|
| また | 改めて |
| 再び | 改めて |
| 再三 | 何度も(文脈に応じて省略) |
| 追って | 後ほど |
| 繰り返し | 改めて |
3.死を直接的に表現する言葉
死に関する直接的な表現は、遺族の心情に配慮して柔らかい言葉に置き換えます。
| 避けたい表現 | 適切な言い換え |
|---|---|
| 死ぬ | 亡くなる |
| 死亡 | ご逝去 |
| 急死 | 急逝 |
| 生きていたころ | ご生前・お元気だったころ |
| 死んだ人 | 故人 |
4.遺族を傷つける可能性がある言葉
忌み言葉以外にも、善意から発した言葉が相手を傷つける場合があります。
特に避けたいのが、次のような表現です。
- 「元気を出してください」
- 「頑張ってください」
- 「まだ若いのに残念ですね」
- 「お気の毒に」
- 「仕方がないですよ」
これらは、遺族の悲しみを軽く扱っているように聞こえたり、気持ちを無理に切り替えるよう求めたりする可能性があります。
また、次のような質問も控えましょう。
- どうして亡くなったのですか?
- 何の病気だったのですか?
- 最期はどのような様子でしたか?
死因や病状は非常に個人的な情報です。遺族から話し始めた場合を除き、こちらから尋ねる必要はありません。
全葬連の2026年更新のマナー解説でも、重ね言葉や死因への詮索、遺族への安易な励ましを避けるよう案内されています。
5.宗教・宗派に合わない表現
葬儀の言葉選びでは、宗教や宗派による違いも見落とせません。
| 宗教・宗派 | 配慮したい表現 |
|---|---|
| 一般的な仏式 | ご冥福をお祈りしますなど |
| 浄土真宗 | ご冥福を祈るという表現は避ける |
| 神道 | 冥福・成仏・供養などの仏教用語は避ける |
| キリスト教 | 冥福・成仏などの仏教用語は避ける |
宗派が分からない場合は、「心よりお悔やみ申し上げます」と伝えるのが無難です。
宗教的な意味を含まない表現を選ぶことで、相手の信仰に配慮できます。
【御愁傷様とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:御愁傷様とご愁傷様はどちらが正しいですか?
A1:どちらも正しい表記です。「御」を漢字で書くか、ひらがなの「ご」で書くかの違いで、意味や読み方は変わりません。一般的な文章では「ご愁傷様」と書くと読みやすくなります。
Q2:ご愁傷様ですと言われたら、ありがとうございますと返してもよいですか?
A2:問題ありません。「お心遣いありがとうございます」「ご丁寧にありがとうございます」と返すと、より自然で丁寧です。「恐れ入ります」や「痛み入ります」も適しています。返事が難しい場合は黙礼だけでも構いません。
Q3:ご愁傷様ですとお悔やみ申し上げますは一緒に使えますか?
A3:一緒に使えます。「このたびは誠にご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます」という表現は、葬儀や弔問で使える丁寧な挨拶です。
Q4:ご冥福をお祈りしますは遺族に使ってもよいですか?
A4:本来は故人に向けた言葉です。遺族に直接挨拶するときは「心よりお悔やみ申し上げます」と伝える方が適切です。また、浄土真宗・神道・キリスト教などでは使用を避けるのが一般的です。
Q5:ご愁傷様ですはメールでも使えますか?
A5:メールで使うことが一律に禁止されているわけではありません。ただし、改まった文章では「謹んでお悔やみ申し上げます」「心より哀悼の意を表します」などが適しています。
Q6:ご愁傷様ですは目上の人にも使えますか?
A6:使えます。より丁寧に伝えるなら「このたびは誠にご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます」とするとよいでしょう。
まとめ:御愁傷様は相手の悲しみに寄り添うための言葉
「御愁傷様」は、身近な人を亡くした遺族に対して、悲しみや心の痛みを思いやる気持ちを伝えるお悔やみの言葉です。
2026年現在も、通夜や葬儀、弔問での基本的な挨拶として使われています。
最後に、失礼のない言葉選びのポイントを整理します。
- 御愁傷様とご愁傷様は同じ意味で、表記の違いにすぎない。
- 葬儀や弔問では「このたびはご愁傷様です」が基本。
- 改まった文章やメールでは「お悔やみ申し上げます」が使いやすい。
- 「ご冥福をお祈りします」は故人に向けた仏教由来の表現で、宗教・宗派への配慮が必要。
- お悔やみを受けたときは「恐れ入ります」「お心遣いありがとうございます」などと返せばよい。
- 忌み言葉や死因への質問、安易な励ましは避ける。
【プロの結論】
お悔やみの言葉において、最も大切なのは、難しい敬語を使いこなすことではありません。
相手が深い悲しみの中にいることを理解し、その気持ちを尊重することです。
言葉に迷ったときは、短く「このたびは心よりお悔やみ申し上げます」と伝え、静かに一礼するだけでも十分です。
無理に気の利いた言葉を探したり、悲しみを慰めようとしたりする必要はありません。
形式よりも、相手の心に寄り添う姿勢を大切にすること。 それが、葬儀や弔問で失礼のないお悔やみを伝えるための基本です。 (出典: 御愁傷様 と は(Yahoo!ニュース))