【結論】暖房は何度からつける?室温18℃を下回る前後が判断の目安
暖房をつけるタイミングに、全国共通の外気温の基準はありません。外気温が10℃でも、日当たりがよく断熱性に優れた住宅なら室内は暖かい場合があります。反対に、外気温が15℃あっても、断熱性の低い住宅や北向きの部屋では室温が低くなることがあります。
そのため、暖房を使うかどうかは、気象予報の最低気温よりも、実際に生活している部屋の温度を基準に判断するのが合理的です。
室温別・暖房をつける判断基準
| 室温 | 暖房の判断 | おすすめの対応 |
|---|---|---|
| 25℃以上 | 基本的に不要 | 暖房を使わず温度を確認 |
| 21〜24℃ | 状況による | 寒さや体感温度に応じて調整 |
| 19〜20℃ | 必要に応じて使用 | 快適性を優先して調整 |
| 18℃ | 暖房を検討 | 室温が下がらないよう対策 |
| 16〜17℃ | 暖房を推奨 | 早めに室温を上げる |
| 15℃以下 | 暖房を優先 | 防寒と室温管理を徹底 |
上記は公的な法定基準ではなく、WHOの18℃という健康上の指標と環境省の20℃という省エネ上の目安を組み合わせた生活上の判断基準です。
特に、乳幼児、高齢者、心臓や呼吸器に持病がある人は、寒さへの対応力が異なります。WHOのガイドラインでも、こうした人々には18℃より高い室温が必要になる可能性が指摘されています。健康状態に応じて、18℃に達するまで我慢する必要はありません。
外気温が何度になったら暖房が必要?
「外気温が何度になったら暖房をつけるべきか」という疑問に対して、明確な全国共通の答えはありません。
暖房の必要性は、次のような条件によって変わります。
- 住宅の断熱性能:断熱材や複層ガラスの有無によって室温の下がり方が異なる。
- 日当たり:南向きの窓から日光が入る部屋は、暖房なしでも暖かくなることがある。
- 建物の構造:木造住宅、鉄筋コンクリート住宅などで熱の蓄積や放出の仕方が異なる。
- 湿度と気流:湿度や風の当たり方によって、同じ室温でも寒さの感じ方が変わる。
- 生活する人の状態:年齢、体調、服装、活動量によって快適な温度は異なる。
例えば、外気温が8℃の日でも、室温が21℃で快適なら暖房を無理につける必要はありません。一方、外気温が12℃でも、室温が16℃まで下がっているなら暖房を使う判断が適切です。
外気温は暖房を使い始める予測材料、室温は実際に使うかどうかを決める判断材料と考えると分かりやすくなります。
【WHOと環境省を比較】冬の室温18℃以上と暖房時20℃の違い
暖房の適切な温度を調べると、WHOの18℃と環境省の20℃という2つの数字が登場します。どちらも公的な情報ですが、示している目的は異なります。
WHOが推奨する冬の室温18℃以上
WHO(世界保健機関)は2018年11月に「WHO Housing and Health Guidelines(住宅と健康に関するガイドライン)」を公表しました。
このガイドラインでは、温帯または寒冷な気候の地域において、寒冷期の一般的な住宅の室温について18℃が健康を守るための安全でバランスの取れた温度として示されています。
背景にあるのは、室内の寒さと健康リスクの関係です。低い室温は血圧の上昇などと関連し、心血管系や呼吸器系の健康にも影響する可能性があります。
また、WHOは高齢者、子ども、慢性疾患のある人、とりわけ心肺疾患のある人について、18℃より高い室温が必要になる可能性にも言及しています。
つまり、18℃は「ここまで暖房を我慢してよい」という数字ではなく、寒冷期に健康を守るために意識したい室温の下限として理解することが大切です。
環境省のウォームビズは室温20℃が目安
一方、環境省が推進するウォームビズは、暖房時の室温を20℃を目安にして、過度な暖房に頼らず快適に冬を過ごすライフスタイルです。
環境省の公式説明によると、ウォームビズは平成17年度(2005年度)から冬期の地球温暖化対策の一環として呼びかけられています。
ここで注意したいのは、20℃という数字がエアコンのリモコンに入力する設定温度ではなく、実際の室温を指していることです。
また、断熱性の高い住宅では暖房を使わなくても室温が20℃を超えることがあります。環境省も、そのような住宅に対して、わざわざ暖房や冷房を使って20℃に調整することを求めているわけではありません。
ウォームビズの目的は、寒さを我慢させることではなく、衣服や住環境を工夫しながら過剰なエネルギー消費を抑えることにあります。
2つの基準はどう使い分けるべき?
WHOと環境省の基準を整理すると、次のようになります。
この比較から分かるのは、18℃と20℃は対立する数字ではないということです。
健康を守る観点では18℃を下回らないように意識し、省エネの観点では20℃前後を目安に過剰な暖房を避ける。この2つを組み合わせると、無理のない暖房の使い方が見えてきます。
2026年11月現在も、環境省のウォームビズ公式案内では20℃が目安として示されています。
【設定温度と室温は別物】エアコン暖房は何度に設定すればいい?
暖房をつけるときに迷いやすいのが、エアコンの設定温度です。
例えば、リモコンを20℃に設定したからといって、部屋の温度が必ず20℃になるわけではありません。エアコンの設定温度と、実際の室温は別のものです。
エアコンの設定温度と室温の違い
設定温度とは、エアコンが運転する際に目標とする温度です。一方、室温は部屋の中で実際に測定される空気の温度を指します。
この2つに差が生じる理由は、主に次のとおりです。
- 窓や壁から熱が逃げている。
- 外気温が低く、暖房の能力が追いつかない。
- 部屋の広さに対してエアコンの能力が不足している。
- 天井付近に暖かい空気がたまり、足元が冷えている。
- エアコンの温度センサー付近と生活空間の温度が違う。
例えば、エアコンを22℃に設定していても、窓際や床付近では18℃程度しかない場合があります。反対に、日当たりのよい断熱住宅なら、低めの設定でも室温が十分に上がることがあります。
政府広報オンラインでも、エアコンの設定温度と室温は同じではないことを説明しています。室内の温度を正しく把握するには、温湿度計を併用するのが効果的です。
エアコン暖房の設定温度は何度がおすすめ?
最初の目安としては、20℃前後の室温を目標に調整するとよいでしょう。
ただし、エアコンの設定温度は住宅によって異なります。室温が17℃しかない部屋で設定温度を20℃にしても、すぐに快適な温度になるとは限りません。
実際の運転では、次のような調整方法がおすすめです。
- 室温が18℃未満:暖房を使い、室温が上がるように調整する。
- 室温が18〜19℃:寒さを感じるなら設定温度を少し上げる。
- 室温が20℃前後:快適なら設定温度を維持する。
- 室温が21℃以上:暑さを感じるなら設定温度を下げる。
室温が目標に達しない場合は、設定温度だけを上げるのではなく、窓の断熱や風向き、サーキュレーターの活用も検討しましょう。
暖房の温度設定で失敗しない3つのポイント
1. 温度計はエアコンの近くに置かない
エアコンの吹き出し口付近や直射日光の当たる場所では、部屋全体の温度を正確に把握しにくくなります。普段過ごす場所の温度を確認しましょう。
2. 足元の冷えも確認する
暖かい空気は上昇するため、天井付近と床付近では温度差が生まれます。サーキュレーターを上手に使い、空気を循環させると暖房効率を改善できます。
3. 湿度や服装も調整する
同じ室温でも、湿度や衣服の保温性によって体感は変わります。首、手首、足首を温める衣服を活用すると、必要以上に設定温度を上げずに済む場合があります。
【健康への影響】冬の室温が低いと血圧や睡眠にどう影響する?
暖房を使うかどうかは、電気代だけで決められる問題ではありません。冬の室温が低い状態を長く続けると、健康面にも影響する可能性があります。
室温18℃以下と血圧の関係
厚生労働省の健康情報サイト「健康日本21アクション支援システム」では、冬の室温と高血圧、睡眠の関係について研究結果を紹介しています。
複数の観察研究では、室温が低いほど収縮期血圧が高くなる傾向が報告されています。特に高齢者では影響が大きく、女性のほうが寒い室温に対して影響を受けやすい可能性も示されています。
また、室温が低い環境での寒冷曝露を調べた介入研究では、血圧の上昇が確認されています。
寒い朝に起きたとき、暖かい布団から出て冷えた部屋へ移動すると、身体は急激な温度変化にさらされます。こうした環境を避けるためにも、起床前に暖房を稼働させておく方法は有効です。
寝室や脱衣所も暖房が必要?
リビングだけを暖めていても、寝室や脱衣所、浴室が極端に冷えていれば、家の中で温度差が生まれます。
厚生労働省の健康情報サイトが紹介する2024年版の啓発資料では、日本の住宅における冬の平均室温について、2019年の調査データとして次の数値が示されています。
2019年調査で示された冬の平均室温
{#each [{name:"居間",value:16.8},{name:"脱衣所",value:13.0},{name:"寝室",value:12.8}] as item}
{item.name}
{/each}
居間でも平均16.8℃という数字であり、WHOの18℃という目安を下回っています。脱衣所や寝室はさらに低い結果です。
同資料では、日本の住宅の90%以上で冬の平均室温が18℃を下回っているという報告も紹介されています。
こうした状況を考えると、暖房の使用をリビングだけに限定するのではなく、朝の寝室、入浴前の脱衣所など、生活シーンに合わせて室温を整えることが大切です。
寒暖差によるヒートショックにも注意
冬に注意したいのが、暖かい場所から寒い場所へ移動した際に生じる急激な温度変化です。
特に入浴時は、暖かいリビングから冷えた脱衣所へ移動し、さらに浴室で衣服を脱ぐことで、身体に大きな温度変化が加わります。
高齢者や高血圧などの持病がある人は、入浴前に脱衣所や浴室を暖める、熱い湯に長時間つからない、入浴前後に水分を補給するなどの対策を心がけましょう。
冬の室温管理は、単に寒さを和らげるためだけではありません。家の中の温度差を小さくすることも、健康を守るための重要なポイントです。
【電気代を節約】暖房の設定温度1℃でどれくらい安くなる?
暖房を使うときに気になるのが電気代です。特に冬はエアコンの稼働時間が長くなるため、設定温度を少し変えるだけでも年間の電力消費量に差が生まれます。
設定温度を1℃下げると暖房の消費電力は約10%削減
環境省の家庭部門のCO2排出実態統計に関する情報では、エアコンの設定温度を1℃緩和した場合、暖房時の消費電力量は約10%削減されると見込まれています。
ただし、この約10%は一定の条件に基づく推計であり、すべての住宅やエアコンで同じ節約効果が得られるわけではありません。
具体的な金額の例として、消費者庁と資源エネルギー庁が紹介する省エネ情報があります。
暖房設定温度を21℃から20℃に変更した場合の試算
年間の電気代節約額の目安
年間の省エネ量
53.08kWh
CO2削減量
25.9kg
エアコンの能力
2.2kW
使用条件
9時間/日
外気温の条件
6℃
設定温度を1℃下げるだけでも、長期間使用する暖房では節約効果が積み重なります。ただし、室温が18℃を下回るような環境で無理に温度を下げるのはおすすめできません。
節約の基本は、健康と快適性を維持できる範囲で過剰な暖房を避けることです。
暖房の電気代を抑える5つの方法
設定温度を下げる以外にも、暖房効率を高める方法があります。
1. 厚手のカーテンや断熱シートを活用する
窓は室内の熱が逃げやすい場所です。厚手のカーテンや窓用断熱シートを使い、冷気の侵入と熱の流出を抑えましょう。日中はカーテンを開けて日光を取り込み、日が落ちたら閉める方法も効果的です。
2. エアコンの風量は自動運転を活用する
風量を常に弱にすると、室温が上がるまでに時間がかかる場合があります。自動運転を使えば、部屋の温度に応じて風量が調整され、効率的に暖められます。
3. フィルターを定期的に掃除する
フィルターが目詰まりすると、空気を吸い込む効率が落ち、暖房能力にも影響します。環境省の節電情報では、フィルターを2週間に1度掃除することが紹介されています。
同省の試算では、フィルター清掃によって暖房時の消費電力が約6%削減されるとされています。
4. サーキュレーターで暖気を循環させる
暖かい空気が天井付近にたまると、足元が冷えたままになることがあります。サーキュレーターを使って空気を循環させることで、室内の温度ムラを減らせます。
5. 室外機の周囲を整理する
室外機の吹き出し口や吸い込み口が物でふさがれていると、暖房効率が低下する原因になります。周囲に十分な空間を確保し、落ち葉や物がたまらないようにしましょう。
こうした対策は、設定温度を無理に下げることなく電気代を抑えたい人に向いています。
【つけっぱなしはお得?】暖房を切るタイミングと連続運転のメリット・デメリット
暖房を使うときに意見が分かれるのが、エアコンをつけっぱなしにするか、こまめに電源を切るかという問題です。
結論からいえば、つけっぱなしが常に節約になるわけでも、こまめに消すことが常に節約になるわけでもありません。
暖房をつけっぱなしにするメリット
- 室温を維持しやすい:部屋が冷え切るのを防ぎ、快適な温度を保ちやすい。
- 再加熱の負担を抑えられる:室温が大きく下がる前に暖房を維持できる。
- 朝の寒さを軽減できる:起床前に暖房を運転することで、寒い部屋で活動を始める負担を減らせる。
つけっぱなしにするデメリット
- 運転時間が長くなる:必要のない時間にも電力を消費する。
- 外出中も電気代が発生する:長時間の不在では無駄な暖房になる可能性がある。
- 乾燥を感じる場合がある:暖房によって相対湿度が下がり、喉や肌の乾燥が気になることがある。
こまめに消すべき?外出時間で考える
暖房を切るかどうかは、外出時間だけでなく、住宅の断熱性能や外気温、部屋が冷える速さによって判断するのが適切です。
| 使用状況 | おすすめの対応 |
|---|---|
| 在宅中 | 室温を維持しながら運転 |
| 短時間の外出 | 住宅の断熱性や外気温を考慮して判断 |
| 数時間の外出 | 基本的には停止を検討 |
| 長時間の外出 | 暖房を停止 |
| 就寝時 | 寝具や室温、体調に応じて調整 |
政府広報オンラインでは、エアコンは起動直後に電力を多く消費することがあり、日中30分程度の外出なら運転を続けたほうが節電につながる場合があると紹介しています。ただし、これはあらゆる暖房環境に当てはまる絶対的なルールではありません。
冬の暖房では、外気温が低く、住宅の断熱性が高い場合などに連続運転が有利になることがあります。一方、断熱性が低い住宅や長時間の外出では、停止したほうが電気代を抑えられることもあります。
自宅の電力消費量を確認しながら、生活パターンに合わせて使い分けるのが現実的です。
【暖房何度からに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:暖房は室温が何度になったらつけるべきですか?
A1:室温18℃を下回るようなら暖房を積極的に検討しましょう。快適性と省エネを両立する目安は20℃前後です。ただし、高齢者や子ども、持病のある人がいる場合は、18℃より高い温度を維持することも検討してください。
Q2:外気温が何度になったら暖房をつけるべきですか?
A2:全国共通の外気温基準はありません。外気温が10℃でも室温が20℃以上なら暖房が不要な場合があります。外気温ではなく、温湿度計で実際の室温を確認して判断しましょう。
Q3:エアコン暖房の設定温度は20℃でよいですか?
A3:環境省の20℃は実際の室温の目安であり、エアコンの設定温度そのものではありません。室温計を使い、室温が18〜20℃程度になるように設定を調整しましょう。
Q4:暖房の設定温度を1℃下げると電気代はいくら安くなりますか?
A4:環境省の情報では、暖房時の設定温度を1℃緩和すると消費電力量は約10%削減されると見込まれています。具体的な試算では、年間約1,650円の節約例があります。ただし、住宅の断熱性能や電気料金によって実際の効果は変わります。
Q5:冬は暖房を一晩中つけっぱなしにしても大丈夫ですか?
A5:室温や体調に応じて判断しましょう。寒さで目が覚める場合や、室温が大きく低下する場合は、タイマーや温度調整を利用する方法があります。長時間運転する場合は乾燥対策と換気も意識してください。石油・ガス暖房器具では、製品の説明書に従った換気や安全管理が必要です。
Q6:WHOの18℃と環境省の20℃はどちらを優先すべきですか?
A6:目的によって使い分けます。WHOの18℃は寒冷期の健康を守るための指標、環境省の20℃は暖房時の省エネを意識するための目安です。健康面では18℃を下回らないことを意識し、快適に過ごせる範囲で20℃前後を目標にするとよいでしょう。
まとめ:暖房は室温18℃を意識し、寒さを我慢せず賢く使う
暖房は何度からつけるべきかという疑問に対する基本的な答えは、外気温ではなく室温を基準にし、18℃を下回る前後で暖房の使用を検討することです。
WHOが示す18℃以上という基準は健康を守る観点から、環境省が推進する20℃という目安は省エネの観点から、それぞれ意味があります。両者を理解しておけば、電気代を気にしながらも寒さを無理に我慢する必要はありません。
特に意識したいのは、次の4点です。
- 室温計を使い、実際の室温を確認する。
- 室温18℃を下回る場合は、暖房を積極的に検討する。
- 室温20℃前後を目安に、設定温度と風量を調整する。
- 窓の断熱、フィルター清掃、空気の循環で暖房効率を高める。
2026年の冬も、電気代の節約だけを優先して暖房を我慢するのではなく、健康と快適性を両立する使い方が大切です。寒さを感じたら早めに室温を確認し、自分や家族の体調に合わせて暖房を活用しましょう。 (出典: 暖房 何 度 から(Yahoo!ニュース))