【まず基本を整理】えん魔くんとは?永井豪原作の妖怪退治アニメ
『ドロロンえん魔くん』は、漫画家・永井豪による作品を原作とした妖怪アクション作品です。
物語の中心となるのは、地獄を治める閻魔大王の甥であるえん魔くん。人間界で悪事を働く妖怪を取り締まるため、妖怪パトロールの隊長として人間界に派遣されます。
えん魔くんの基本設定
えん魔くんは、元気で血気盛んな少年妖怪です。仲間の雪子姫、カパエル、シャポー(2011年版ではシャッポじい)と協力しながら、人間界で発生する奇妙な事件に立ち向かいます。
物語の主要人物と役割は次のとおりです。
- えん魔くん: 妖怪パトロールの隊長。閻魔大王の甥で、妖怪退治の中心人物。
- 雪子姫: 名門・雪女家の娘。えん魔くんと行動をともにする仲間。
- カパエル: 情報収集を得意とする妖怪パトロールのメンバー。
- シャポー/シャッポじい: 豊富な知識と経験を持ち、えん魔くんたちを支える存在。
- ツトム: 人間界でえん魔くんたちと関わる少年。
東映アニメーションの作品紹介では、洋海小学校に通うツトムが妖怪に襲われ、えん魔くんたちに助けられるところから物語の世界が描かれています。
妖怪を退治するだけでなく、人間の世界に潜む問題や登場人物の感情を扱う点も、作品の魅力です。
原作者・永井豪と作品の位置づけ
『マジンガーZ』『デビルマン』などで知られる漫画家。『ドロロンえん魔くん』も、独創的な妖怪デザインや大胆なキャラクター表現が特徴です。
ダイナミック企画の作品解説によると、原作漫画はギャグ色が強い一方、1973年のテレビアニメでは義理人情を描くエピソードや強敵との戦いなど、ドラマ性のある展開も盛り込まれました。
この違いは、えん魔くんという作品が単純な子ども向けギャグアニメにとどまらない理由の一つです。
【完全比較】1973年版と2011年版は何が違う?放送時期・話数・制作会社
両作品を比較すると、最も分かりやすい違いは放送時期と話数です。
1973年版は全25話、2011年版は全12話。2011年版は、旧作をそのまま再放送したものではなく、新しいスタッフと声優陣によって制作されたテレビアニメです。
2作品の基本データ比較表
出典:東映アニメーション、ダイナミック企画、MBS、キングレコードの作品・放送情報。
1973年版は全25話!昭和のテレビアニメとして制作
1973年版は、1973年10月4日にフジテレビ系列で放送を開始し、1974年3月28日まで放送されました。
毎週木曜日19時から19時30分までの30分番組で、全25話です。
制作を担当したのは東映動画(現在の東映アニメーション)。チーフディレクターは矢吹公郎、音楽は筒井広志が担当しています。
作品の前半では、日常生活の中に潜む妖怪の恐怖を描き、後半では強敵との戦闘や大規模なアクションへと展開していきます。
2025年6月27日には、東映ビデオからHDリマスター版のBlu-rayが発売されました。全25話を収録した商品で、1973年版を高画質で楽しめる映像商品としても注目されます。
2011年版は全12話!ブレインズ・ベースが制作
2011年版の正式タイトルは『Dororonえん魔くん メ~ラめら』です。
MBSでは2011年4月7日から放送が始まり、TBSでは翌4月8日から放送されました。テレビ愛知、TVQ九州放送、AT-Xなどでも放送されています。
制作会社はブレインズ・ベース。監督・シリーズ構成は米たにヨシトモ、キャラクターデザインは木村貴宏、音楽は鈴木慶一とムーンライダーズです。
全12話という構成は1973年版の半分以下ですが、旧作の単なる短縮版ではありません。新しい制作陣によって再構成された独立したテレビアニメ作品です。
【歴代声優一覧】えん魔くんは野沢雅子から山口勝平へ!雪子姫・カパエルも比較
『ドロロンえん魔くん』の歴代声優を調べる人が特に注目するのが、主人公の配役変更です。
1973年版では野沢雅子がえん魔くんを担当し、2011年版では山口勝平が演じています。
どちらも少年役で知られる声優ですが、異なる世代のキャストが同じキャラクターを演じている点は、作品の変遷を象徴する部分です。
主要キャラクターの歴代声優比較
| キャラクター | 1973年版 | 2011年版 |
|---|---|---|
| えん魔くん | 野沢雅子 | 山口勝平 |
| 雪子姫 | 坂井すみ江 | 能登麻美子 |
| カパエル/カパエル | 肝付兼太 | 子安武人 |
| シャポー/シャッポじい | 滝口順平 | 稲葉実 |
| ツトム | 近藤高子 | 宍戸留美 |
| ハルミ | 桂玲子 | 川澄綾子 |
| 閻魔大王 | 柴田秀勝 | 若本規夫 |
出典:東映アニメーション公式キャスト情報、MBS公式キャスト情報。
えん魔くん役:野沢雅子から山口勝平へ
1973年版:
1973年版の主人公を担当。少年役を数多く演じてきた声優で、『ドラゴンボール』の孫悟空役などでも広く知られています。
2011年版:
2011年版でえん魔くんを担当。『名探偵コナン』の工藤新一・怪盗キッドや『ONE PIECE』のウソップなど、幅広い役柄で知られています。
この変更は、単に声優の世代交代というだけではありません。
1973年版では当時の野沢雅子による演技が主人公の印象を形づくり、2011年版では山口勝平が新しいキャストとして役を引き継ぎました。
同じキャラクターでも、声の印象が変われば作品全体の雰囲気も変わります。旧作を知っている視聴者にとっては、両者の演技を聴き比べること自体が楽しみの一つです。
雪子姫の声優:坂井すみ江から能登麻美子へ
1973年版:坂井すみ江
雪子姫を担当した声優。旧作のキャラクター像を支えたキャストの一人です。
2011年版:
2011年版の雪子姫を担当。『地獄少女』の閻魔あいなどで知られる声優です。
雪子姫は、えん魔くんと並ぶ重要なキャラクターです。2011年版では能登麻美子が担当し、キャストを一新した作品の新たな顔となりました。
カパエルの声優:肝付兼太から子安武人へ
1973年版:肝付兼太
カパエルを担当。『ドラえもん』の旧スネ夫役などで知られる声優です。
2011年版:
カパエルを担当。『ジョジョの奇妙な冒険』のディオ・ブランドーなど、多彩な役柄で知られています。
情報収集を得意とするカパエルも、両作品で声優が変更されています。主人公だけでなく、仲間たちの配役まで一新されたことが分かります。
シャッポじいの声優:滝口順平から稲葉実へ
1973年版のキャラクター名は「シャポー」で、声を担当したのは滝口順平です。
2011年版では「シャッポじい」という役名で、稲葉実が担当しています。
ここは検索時に混同しやすいポイントです。旧作のキャスト情報を調べる場合は「シャポー」、2011年版を調べる場合は「シャッポじい」と検索すると整理しやすくなります。
【あらすじを解説】1973年版と2011年版のストーリーはどう違う?
両作品に共通する基本設定は、地獄から人間界に派遣された妖怪パトロールが、人間に害を及ぼす妖怪を取り締まるというものです。
ただし、物語の見せ方や演出には違いがあります。
1973年版のあらすじ:人間界を守る妖怪パトロールの活躍
地獄から抜け出した非行妖怪たちが、人間界で次々と怪事件を起こすようになります。
事態を重く見た閻魔大王は、甥のえん魔くんに妖怪パトロールの任務を与えます。
えん魔くんは、雪子姫、カパエル、シャポーらとともに人間界へ向かいます。
そこで出会うのが、人間の少年ツトムです。
人間界には先任者としてダラキュラーがいましたが、仕事を怠けるだけでなく、非行妖怪たちを利用して利益を得ていました。
えん魔くんたちはダラキュラーを解任し、次々と発生する妖怪事件に立ち向かいます。
東映ビデオの商品解説でも、この基本設定と妖怪パトロールの活躍が紹介されています。
2011年版のあらすじ:70年代の東京・下町が舞台
2011年版『Dororonえん魔くん メ~ラめら』も、基本的な物語の枠組みは旧作を引き継いでいます。
ただし、舞台設定には特徴があります。
ダイナミック企画とMBSの作品紹介では、1970年代の東京・下町を舞台として、えん魔くん、雪子姫、カパエル、シャッポじいたちが妖怪パトロールとして活躍すると説明されています。
つまり、2011年に制作されたからといって、物語の時代設定まで2011年に変更されたわけではありません。
昭和の街並みや文化を背景に、妖怪たちの騒動が描かれています。
作品の違いはどこにある?
両作品の違いを理解するには、単純に放送年代だけで比較しないことが大切です。
1973年版は、身近な妖怪の恐怖から激しい戦闘までを描く構成が特徴です。東映アニメーションの作品解説でも、シリーズ前半と後半で物語の方向性が変化することが紹介されています。
2011年版は、1970年代の世界観を保ちながら、2011年当時のアニメーション制作体制と新しいキャストで再構成されています。
そのため、旧作の妖怪アクションを楽しみたい人と、昭和レトロな世界観を盛り込んだ新作アニメを楽しみたい人では、作品に期待するポイントも変わってきます。
【2011年版の見どころ】主題歌・スタッフ・昭和レトロな演出
2011年版は、声優だけでなく制作スタッフや音楽面にも新しい顔ぶれが集まりました。
監督は米たにヨシトモ
2011年版の監督・シリーズ構成を担当したのは米たにヨシトモです。
キャラクターデザインと総作画監督は木村貴宏が担当し、アニメーション制作はブレインズ・ベースが手がけました。
音楽には鈴木慶一とムーンライダーズが参加しています。
このように、旧作とは異なる制作陣が作品を再構成したことが2011年版の特徴です。
オープニングテーマ「魂メラめら一兆℃!」
2011年版のオープニングテーマは、遠藤正明とムーンライダーズによる「魂メラめら一兆℃!」です。
エンディングテーマは、ムーンライダーズ feat. yokoの「みんなくたばるサァサァサァ」。
一方、1973年版では中山千夏がオープニングテーマ「ドロロンえん魔くん」とエンディングテーマ「妖怪にご用心」を歌っています。
音楽の違いも、両作品の時代性を比較するうえで見逃せないポイントです。
昭和の世界観を2011年に再現した意味
2011年版の大きな特徴は、制作年代と物語の時代を意図的に分けている点です。
2011年に制作された作品でありながら、物語の舞台は1970年代の東京・下町です。
これによって、原作や旧作が持っていた時代背景を残しながら、新しいアニメーション表現を取り入れられます。
単純にキャラクターの服装や設定を現代風に変えるのではなく、昭和という時代そのものを作品の魅力として活用した構成です。
【2026年の視点】えん魔くんを今から見るなら1973年版と2011年版のどちら?
2026年に『ドロロンえん魔くん』を初めて見る場合、どちらから視聴するか迷う人もいるでしょう。
おすすめは、何を楽しみたいかによって選ぶことです。
1973年版がおすすめの人
- 昭和のテレビアニメの雰囲気を楽しみたい
- 野沢雅子によるえん魔くんの演技を聴きたい
- 全25話のストーリーをじっくり見たい
- 東映動画時代の作画や演出に興味がある
- 原作と初期アニメの関係を理解したい
1973年版は全25話なので、キャラクターや妖怪事件の展開を時間をかけて楽しめます。
特に、前半の妖怪ホラー的な要素から後半のバトル展開まで、作品の変化を追いたい人に向いています。
2011年版がおすすめの人
- 山口勝平のえん魔くんを見たい
- 能登麻美子の雪子姫が気になる
- 子安武人のカパエルを楽しみたい
- 昭和レトロな世界観が好き
- 全12話でコンパクトに視聴したい
2011年版は全12話なので、旧作より短い時間で作品世界に触れられます。
声優陣も大幅に変更されているため、現代のアニメファンにも入りやすい作品です。
2025年には1973年版のBlu-rayも発売
2026年に旧作を見直す際に押さえておきたいのが、東映ビデオによるBlu-ray化です。
1973年版は2025年6月27日にHDリマスター版Blu-rayが発売されました。
全25話を収録し、約628分、4:3画面、モノラル音声という当時の作品仕様も商品情報に掲載されています。
旧作を高画質で楽しみたい人にとって、視聴環境を選ぶ際の重要な情報です。
【プロの結論】えん魔くんの1973年版と2011年版は何を基準に比較すべき?
『ドロロンえん魔くん』の2作品を比較するとき、最も大切なのは、単純に新旧の優劣を決めないことです。
1973年版は、永井豪の原作をもとに東映動画が制作した全25話のテレビアニメ。妖怪の恐怖や人情ドラマ、迫力ある戦闘など、幅広い要素を持っています。
2011年版は、ブレインズ・ベースによる全12話の新作アニメです。原作の基本設定を引き継ぎ、1970年代の東京・下町という舞台を保ちながら、新しい声優陣と制作スタッフで再構成されています。
特に注目すべきは、次の3点です。
1. 声優の交代: 野沢雅子から山口勝平へ、雪子姫も坂井すみ江から能登麻美子へ変更。
2. 作品構成の変化: 25話から12話へと短くなり、異なる制作体制で再構成。
3. 時代設定の継承: 2011年制作でありながら、物語は1970年代の東京・下町を舞台としている。
この3点を押さえれば、両作品が単なる旧作とリメイクという関係にとどまらず、異なる時代のアニメ制作を反映した作品であることが分かります。
【えん魔くんに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:えん魔くんの原作者は誰ですか?
永井豪です。『ドロロンえん魔くん』は永井豪原作の作品で、1973年にテレビアニメ化されました。
Q2:1973年版のえん魔くんの声優は誰ですか?
野沢雅子です。東映アニメーションの公式キャラクター紹介でも、えん魔くん役として掲載されています。
Q3:2011年版のえん魔くんの声優は誰ですか?
山口勝平です。作品タイトルは『Dororonえん魔くん メ~ラめら』で、全12話が制作されました。
Q4:雪子姫の声優は誰ですか?
1973年版は坂井すみ江、2011年版は能登麻美子です。
Q5:カパエルの声優は誰ですか?
1973年版は肝付兼太、2011年版は子安武人です。
Q6:シャッポじいの声優は誰ですか?
2011年版では稲葉実が担当しています。1973年版のキャラクター名は「シャポー」で、声優は滝口順平です。
Q7:ドロロンえん魔くんは全部で何話ありますか?
1973年版は全25話です。2011年版『Dororonえん魔くん メ~ラめら』は全12話です。別々に制作されたテレビアニメなので、話数を合算して一つのシリーズとして扱うものではありません。
Q8:1973年版と2011年版は続編ですか?
2011年版は、旧作の物語をそのまま引き継ぐ続編ではなく、永井豪の原作をもとにした新しいテレビアニメ作品です。舞台は1970年代の東京・下町に設定されています。
まとめ:えん魔くんの歴代作品と声優の変遷を知ればもっと楽しめる
『ドロロンえん魔くん』は、永井豪の独創的な妖怪世界をテレビアニメとして展開した作品です。
1973年版と2011年版には、放送時期、話数、制作会社、声優、演出など、さまざまな違いがあります。
特に主人公の声優が野沢雅子から山口勝平へ変更されたことは、両作品を比較する際の大きなポイントです。
雪子姫は坂井すみ江から能登麻美子へ、カパエルは肝付兼太から子安武人へ、シャポーは滝口順平から稲葉実へと、それぞれ新しいキャストに引き継がれています。
1973年版は全25話の昭和アニメとしての魅力、2011年版は全12話の新しい制作体制による魅力がある作品です。
2026年に改めて視聴するなら、まずは自分が見たい声優や作品の雰囲気を基準に選び、その後にもう一方を見比べると、えん魔くんというキャラクターが時代を超えて受け継がれてきた面白さを、より深く味わえます。