【正しい止血法】鼻血を止めるには?止まるまでの時間と5つの手順
鼻血が出たとき、最初に行うべきなのは出血している部分を適切に圧迫することです。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会や東京逓信病院が紹介している基本的な止血方法は、座った姿勢でやや前かがみになり、小鼻を両側から押さえる方法です。
鼻血が出たときの正しい止め方
手順1:椅子に座って顔を下に向ける
立ったまま動き回らず、椅子に座って軽く前かがみになります。血液がのどに流れ込まない姿勢を取ります。
手順2:小鼻の柔らかい部分を押さえる
親指と人差し指で、鼻の骨より下にある左右の小鼻をしっかりつまみます。
手順3:10〜15分程度、圧迫を続ける
途中で何度も指を離して確認しないことが大切です。圧迫を続けることで血液が固まりやすくなります。
手順4:のどに流れた血は飲み込まない
口に流れてきた血液は、ティッシュや洗面器などに吐き出します。飲み込むと吐き気や嘔吐につながることがあります。
手順5:止血後も鼻を刺激しない
鼻を強くかんだり、指で触ったりしないようにします。再出血を防ぐため、しばらく安静にしてください。
鼻血が止まるまでの時間は何分?
鼻血は、適切な圧迫止血を行うことで5〜10分程度で落ち着くケースが多くあります。
ただし、出血量や出血場所、血液の固まりやすさによって必要な時間は異なります。
| 状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 5〜10分程度で止まる | しばらく安静にして様子を見る |
| 10〜15分程度で止まらない | 圧迫方法を確認し、医療機関への相談を検討 |
| 20分以上続く | 耳鼻咽喉科などで早めに診察を受ける |
| 30分程度圧迫しても止まらない | 医療機関での処置が必要 |
| 大量出血やふらつきがある | 時間を待たずに救急対応 |
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の一般向け解説では約10分の圧迫を案内し、同学会の別の解説では20分以上続く場合の受診を勧めています。東京逓信病院や順天堂大学医学部附属順天堂医院は、30分程度の圧迫でも止まらない場合の受診を案内しています。
ここで重要なのは、30分間必ず自宅で待たなければならないわけではないということです。出血が激しい場合や全身状態が悪い場合は、直ちに救急対応を求めてください。
鼻血が出たときにやってはいけないこと
昔から知られている方法でも、医学的に推奨されないものがあります。
| NG行動 | 避けるべき理由 |
|---|---|
| 上を向く | 血液がのどに流れ込みやすい |
| 仰向けに寝る | 血液が気道やのどに流れるおそれがある |
| 鼻の硬い付け根をつまむ | 出血している場所を十分に圧迫できない |
| 首の後ろをたたく | 鼻血を止める効果は期待できない |
| ティッシュを奥まで詰める | 粘膜を傷つけたり、抜く際に再出血したりする |
| 何度も鼻をかむ | できた血の塊が剥がれて再出血する |
特に「上を向いて止血する」「首の後ろをたたく」という方法は、昔からの習慣として残っていますが、適切な止血方法ではありません。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、顔を下向きにして小鼻を圧迫する方法を紹介しています。
【大人と子どもの違い】鼻血が繰り返す原因と注意したい症状
鼻血は子どもにも大人にも起こりますが、年齢によって原因の傾向や注意すべき病気が異なります。
子どもの鼻血が止まらない原因
子どもの鼻血は、鼻の粘膜が傷つくことで起こるケースが多く見られます。
特に幼児期から小学校低学年にかけては、鼻の中がかゆくて指で触ったり、鼻を強くこすったりすることが出血につながります。
主な原因は次のとおりです。
- 鼻をほじる、鼻を強くこする
- アレルギー性鼻炎によるかゆみ
- 風邪や副鼻腔炎による粘膜の炎症
- 鼻の乾燥
- 強く鼻をかむ
- 転倒や顔面への衝撃
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、子どもの鼻血は鼻の入り口から約1cm入った場所にある血管の集まる部分から起こることが多く、ほとんどは深刻な病気ではありません。
ただし、次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 鼻血を何度も繰り返す
- 正しく圧迫しても15〜30分程度止まらない
- 歯茎からも出血する
- ぶつけた覚えがないのに青あざができる
- 顔色が悪い、ぐったりしている
- 頭や顔を強く打った後に出血した
鼻血だけでなく、皮膚や歯茎にも出血症状がある場合は、血小板減少症などの血液疾患を調べる必要があります。
乳幼児の場合、特に全身状態の変化に注意し、出血が多い、呼吸がおかしい、反応が鈍いといった症状があれば救急対応を求めてください。
大人の鼻血が止まらない場合に考えたいこと
大人の場合、鼻の乾燥や鼻炎、外傷だけでなく、服用薬や基礎疾患が関係している可能性があります。
特に注意したいのが、次のような人です。
- 高血圧の治療を受けている
- 抗凝固薬や抗血小板薬を服用している
- 肝機能障害がある
- 血液疾患の既往がある
- 鼻血が頻繁に再発する
- 片側だけから出血する状態が続く
高齢者では、血管の状態や複数の持病、服用薬などが重なって出血が長引く場合があります。
一方、若い成人でも、鼻炎や乾燥、鼻の粘膜への刺激によって鼻血を繰り返すことがあります。
年齢だけで原因を判断せず、出血の頻度、量、止血にかかった時間、ほかの症状を合わせて考えることが重要です。
鼻血を繰り返す場合は何科を受診する?
基本的には、まず耳鼻咽喉科への相談が適しています。
鼻の中を直接確認することで、粘膜の傷や出血点、炎症、腫瘍性病変などを調べられるためです。
血液検査で異常が疑われる場合や、鼻以外からも出血している場合には、内科や血液内科での検査が必要になることがあります。
【受診の判断基準】鼻血が止まらないときは病院?救急車?
鼻血が止まらないとき、最も迷いやすいのが「どこまで自宅で様子を見てよいのか」という判断です。
出血量、圧迫していた時間、全身症状を組み合わせて考える必要があります。
耳鼻咽喉科を受診した方がよい症状
次のような場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
- 正しい止血方法を行っても出血が続く
- 何度も同じ場所から鼻血が出る
- 片側だけの鼻血が繰り返される
- 鼻水に血液が混じる状態が続く
- 鼻づまりや頬の痛みを伴う
- 少量でも頻繁に出血する
特に週に何度も鼻血が出る場合や、同じ側から繰り返し出血する場合は、出血源を調べることが大切です。
すぐに救急対応が必要な症状
救急車を呼ぶ判断が必要なケース
- 大量の血液が勢いよく流れ続ける
- 顔色が明らかに悪く、冷や汗が出ている
- 強いめまいやふらつき、意識が遠のく感覚がある
- 息苦しさや呼吸困難がある
- 胸の痛みや意識障害がある
- のどに大量の血液が流れ込み、呼吸に支障がある
- 頭部や顔面を強く打った後に大量出血している
大量出血によって血液が失われると、立ちくらみ、息切れ、めまい、胸の痛みなどが生じることがあります。
順天堂大学医学部附属順天堂医院も、多量の鼻出血に伴うこうした症状を紹介しています。
日本国内で上記のような重い症状がある場合は、圧迫止血を続けながら119番に連絡してください。
本人がふらついている場合は、自分で運転して病院へ向かわないことも重要です。
病院ではどのような検査や治療をする?
鼻血が止まらない場合、医療機関では出血している場所と原因を確認します。
代表的な検査・処置は次のとおりです。
1. 鼻の中を確認する
鼻鏡やファイバースコープを使用し、出血点や粘膜の状態を確認します。
2. 血液検査を行う
必要に応じて貧血の有無、血小板数、血液凝固機能などを調べます。
3. 出血点を焼灼する
出血している血管が特定できる場合は、局所麻酔を行い、電気凝固などによって止血することがあります。
4. ガーゼなどで圧迫する
出血点が分からない場合や、鼻の奥から出血している場合には、鼻腔内に専用のガーゼなどを入れて圧迫止血を行うことがあります。
5. 必要に応じて画像検査や手術を行う
腫瘍性病変などが疑われる場合はCTやMRIなどを追加し、通常の止血処置で対応できない場合は手術が検討されます。
こうした治療方法は、順天堂大学医学部附属順天堂医院の鼻出血に関する診療情報にも掲載されています。
【再発予防】鼻血を繰り返さないために日常生活でできること
鼻血を一度止めても、粘膜が傷つきやすい状態のままでは再発する可能性があります。
日常生活で意識したいのは、鼻粘膜への刺激を減らし、出血の原因になっている鼻炎や乾燥を改善することです。
鼻の乾燥を防ぐ
暖房を使う季節は室内の湿度管理を意識しましょう。
加湿器を利用したり、適度に換気したりすることで、乾燥による粘膜への負担を軽減できます。
鼻の中に保湿剤を使用する場合は、製品の使用方法を確認し、必要に応じて医師や薬剤師に相談してください。
鼻を強くかまない
鼻水が気になるときでも、強い力で何度も鼻をかむのは避けましょう。
片方ずつ優しくかみ、鼻の中を指で触らないようにします。
子どもの場合は爪を短く整え、鼻をいじる習慣がある場合は優しく注意することも予防につながります。
アレルギー性鼻炎を治療する
花粉症やハウスダストによる鼻のかゆみが続いている場合は、鼻炎の治療を受けることが大切です。
かゆみを抑えることで、鼻をこする回数が減り、粘膜への刺激も軽減できます。
鼻血が止まった直後の生活にも注意する
鼻血が止まった後も、すぐに激しい運動をしたり、長時間の入浴をしたりするのは避けましょう。
東京逓信病院では、鼻出血後の注意点として、鼻をかむ・ほじるなどの刺激を避けることに加え、スポーツ、力仕事、飲酒、熱い風呂などを控えることを案内しています。
また、病院で鼻腔内にガーゼを入れた場合は、医師の指示なく自分で無理に抜かないでください。
【鼻血が止まらない原因】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:鼻血が20分以上止まらない場合は危険ですか?
A1:正しい方法で小鼻を圧迫しても20分以上出血が続く場合は、耳鼻咽喉科などで診察を受けることをおすすめします。30分程度の圧迫でも止まらない場合は、早急な受診が必要です。ただし、大量出血やめまい、呼吸困難などがある場合は時間を待たずに救急車を呼んでください。
Q2:鼻血が片側だけから出るのは病気のサインですか?
A2:必ずしも病気とは限りません。鼻の粘膜が片側だけ傷つけば、その側から出血します。ただし、同じ側から繰り返し出血する、片側の鼻づまりが続く、血の混じった鼻水が長期間続く場合は、鼻腔や副鼻腔の病変を調べるため耳鼻咽喉科を受診してください。
Q3:高血圧だと鼻血が止まりにくくなりますか?
A3:高血圧は鼻血が出やすくなったり、出血が長引いたりする要因の一つとされています。ただし、鼻血の原因は乾燥や鼻炎、粘膜の傷などさまざまです。高血圧の治療中に鼻血を繰り返す場合は、耳鼻咽喉科と内科の両方で相談するとよいでしょう。
Q4:抗凝固薬を飲んでいる場合、鼻血が出たら薬を止めるべきですか?
A4:自己判断で中止してはいけません。抗凝固薬は血栓や脳梗塞などを予防するために処方されていることがあります。出血が続く場合は、服用している薬の名前を医師に伝え、指示を受けてください。
Q5:子どもの鼻血が何度も出るのはなぜですか?
A5:鼻をほじる、鼻をこする、アレルギー性鼻炎、乾燥などが主な原因として考えられます。ただし、頻繁に繰り返す場合や、歯茎からの出血、原因不明の青あざを伴う場合は、血液疾患などの可能性もあるため小児科や耳鼻咽喉科で相談してください。
まとめ:鼻血が止まらないときは原因と出血の状態を見極めよう
鼻血が止まらない原因には、鼻粘膜の傷や乾燥、アレルギー性鼻炎といった身近なものから、高血圧、血液疾患、肝機能障害、抗凝固薬の影響、鼻腔内の病変まで、さまざまな可能性があります。
まず覚えておきたいのは、鼻血が出たら座って軽く前かがみになり、小鼻の柔らかい部分を10〜15分程度しっかり圧迫することです。上を向いたり、首の後ろをたたいたりする方法は避けましょう。
また、鼻血が片側だけから繰り返される場合や、歯茎からの出血、原因不明の青あざなどを伴う場合は、鼻だけでなく全身の病気についても確認する必要があります。
特に大量出血、意識障害、呼吸困難、強いふらつきなどがある場合は、止血時間にこだわらず救急車を呼ぶ判断が重要です。
一時的に止まったかどうかだけで安心せず、出血の頻度や量、伴う症状にも目を向けてください。繰り返す鼻血や止まりにくい鼻血は、耳鼻咽喉科で原因を確認し、必要に応じて内科や血液内科と連携して対応することが、再発予防と健康管理につながります。
参考情報:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会、順天堂大学医学部附属順天堂医院、東京逓信病院、兵庫県医師会、浜松市子育て情報サイト。医療機関の公開情報に基づく一般的な解説です。個々の症状に対する診断や治療の代わりにはなりません。 (出典: 鼻血 止まら ない 原因(Yahoo!ニュース))