疝痛とは何か?波のある痛みの仕組みと原因、危険な症状・受診の目安を徹底解説

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疝痛とは何か?波のある痛みの仕組みと原因、危険な症状・受診の目安を徹底解説
疝痛とは何か?波のある痛みの仕組みと原因、危険な症状・受診の目安を徹底解説
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🎵 疝痛とは何か?波のある痛みの仕組みと原因、危険な症状・受診の目安を徹底解説

突然、お腹や脇腹に差し込むような激しい痛みが走り、少し落ち着いたと思ったら再び痛みが強くなる。このように、痛みが波のように強弱を繰り返す状態を「疝痛(せんつう)」と呼びます。疝痛は特定の病名ではなく、主に内臓に生じる痛みの性質を表す医学用語です。尿管結石や胆石、腸閉塞(イレウス)など、治療を必要とするさまざまな病気で現れます。

厄介なのは、痛みが一時的に弱まっても、原因となる病気が解消したとは限らないことです。吐き気や嘔吐、冷や汗、血尿、発熱などを伴う場合には、緊急性の高い病気が隠れている可能性もあります。2026年11月現在の医学情報や専門機関の解説を踏まえ、疝痛が起こる仕組み、代表的な原因、一般的な腹痛との違い、受診の判断基準、検査・治療まで詳しく整理します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 疝痛の正体:内臓の収縮や拡張、通過障害などによって起こる、波のある差し込むような痛み。
  • 代表的な原因:尿管結石による腎疝痛、胆石による胆石発作、腸閉塞などが挙げられる。
  • 注意すべき症状:激しい腹痛、冷や汗、繰り返す嘔吐、発熱、黄疸、血尿など。
  • 受診の判断:突然の激痛や持続する強い腹痛は救急対応が必要になることがある。
  • 治療の基本:痛みを抑えるだけでなく、結石や腸管の通過障害など、原因となる病態を特定して対処する。

【基礎知識】疝痛とは?痛みが波のように繰り返される仕組み

疝痛とは
【画像】疝痛 と は 関連ショット

疝痛は病名ではなく、内臓に起こる痛みの特徴

疝痛とは
【写真】疝痛 と は 近影・注目カット

疝痛とは、内臓に生じる発作的な痛みの一種です。特徴は、痛みが一定の強さで続くのではなく、強くなったり弱くなったりすること。痛みが激しくなる時間と、比較的落ち着く時間が交互に現れます。

一般的には「差し込むような痛み」「締め付けられるような痛み」「腹部をえぐられるような痛み」などと表現されます。痛みの程度は軽いものから、姿勢を保つことも難しいほど激しいものまで幅があります。

重要なのは、疝痛そのものが病気の名前ではないという点です。医療現場では、患者が訴える痛みの性質を把握するために使われ、その背後にある原因疾患を調べる手掛かりになります。

なぜ痛みが強くなったり弱くなったりするのか

疝痛とは
【資料】疝痛 と は 報道・メディア記録

疝痛の仕組みを理解するには、胃や腸、尿管、胆道などの内臓が持つ収縮運動を知る必要があります。

これらの臓器には平滑筋という筋肉があり、内容物を移動させたり、通過させたりするために収縮と弛緩を繰り返しています。通常、この運動は身体の正常な働きです。

ところが、尿管に結石が詰まったり、腸管の通過が妨げられたりすると、内容物を先へ送ろうとする収縮が強い負担になります。臓器内部の圧力が高まったり、壁が引き伸ばされたりすることで、痛みを伝える神経が刺激されます。

さらに、内臓の収縮運動が周期的に起こるため、痛みも一定のリズムで強弱を繰り返すことがあります。これが疝痛に特徴的な波状の痛みにつながります。

内臓痛・体性痛・関連痛の違い

腹痛は、発生する仕組みによって大きく内臓痛、体性痛、関連痛に分類されます。日本薬学会の腹痛に関する解説でも、この3種類が区別されています。

  • 内臓痛:臓器の収縮や拡張、圧力の変化などによって起こる。場所が曖昧で、波のある痛みになりやすい。
  • 体性痛:腹膜などが刺激されて起こる。痛む場所が比較的明確で、鋭く持続する痛みになりやすい。
  • 関連痛:内臓からの痛みの信号が、神経のつながりによって離れた身体の表面に感じられる現象。

例えば、尿管結石による痛みが腰や背中から下腹部、鼠径部に広がる場合があります。また、胆石による痛みが右肩や背中に及ぶこともあります。

ただし、痛みの性質だけで病気を確定することはできません。内臓痛から体性痛に変化する場合もあり、特に炎症や血流障害を伴う病気では注意が必要です。

【原因を解説】疝痛を引き起こす代表的な3つの病気

疝痛を引き起こす原因は多岐にわたります。なかでも代表的なのが、尿管結石、胆石症、腸閉塞です。それぞれ痛む場所や発作の特徴、伴いやすい症状が異なります。

1.腎疝痛・尿管結石:突然、片側の脇腹や背中に激痛が走る

腎疝痛は、腎臓から膀胱へ尿を運ぶ尿路に生じた通過障害などによって起こる激しい痛みを指します。代表的な原因が尿管結石です。

尿管結石とは、尿に含まれるカルシウムやシュウ酸、尿酸などの成分が結晶化し、尿路に石が形成される病気です。結石が尿管に移動して詰まると、尿の流れが妨げられます。

尿が上流側にたまることで腎盂内の圧力が高まり、尿管の収縮や粘膜への刺激も加わって強い痛みが生じます。

代表的な症状は次のとおりです。

  • 片側の背中や脇腹に突然、激しい痛みが起こる。
  • 痛みが下腹部や鼠径部、陰部に広がることがある。
  • 血尿が出ることがある。
  • 吐き気や嘔吐を伴うことがある。
  • 痛みが一時的に落ち着いても、再び強くなることがある。

尿管結石による痛みは非常に強く、じっとしていられず、姿勢を変え続ける人もいます。これは、腹膜が刺激される病気で見られる、動かずに痛みを避けようとする反応とは異なる場合があります。

日本内分泌学会の患者向け解説では、尿管結石による片側の背中の激痛や血尿、感染を伴った場合の高熱について説明されています。特に、発熱を伴う尿路閉塞は感染が腎臓に広がり、敗血症につながる危険があるため、緊急受診が必要です。

2.胆石発作:みぞおちや右上腹部に差し込む痛み

胆石症は、肝臓で作られる胆汁を蓄える胆のうや、胆汁が流れる胆管などに結石ができる病気です。

胆石が胆のうの出口や胆管にはまり込むと、胆汁の流れが妨げられ、胆のうの収縮や胆道内の圧力変化などによって痛みが生じます。これが一般に胆石発作と呼ばれる状態です。

痛みが現れやすいのは、みぞおちから右の肋骨の下にかけての部分です。右肩や右背中に痛みが広がることもあります。

脂肪分の多い食事の後に発症することがありますが、食事との関係が明確でないケースもあります。また、胆石が存在していても、症状がまったく現れない人もいます。

胆石発作で見られる主な症状

  • 右上腹部やみぞおちの強い痛み。
  • 右肩や背中に広がる痛み。
  • 吐き気や嘔吐。
  • 発熱や悪寒を伴うことがある。
  • 胆管が詰まった場合には黄疸が現れることがある。

ここで知っておきたいのが、胆石発作の痛みは、必ずしも典型的な波状になるわけではないという点です。医学的に「胆道痛」と呼ばれる痛みは、比較的持続的な強い痛みとして現れる場合もあります。

日本消化器病学会の健康情報誌では、胆石症や胆のう炎、胆管結石の症状について、右季肋部からみぞおちの痛み、右背部への放散痛、発熱や黄疸などが解説されています。

特に、強い腹痛に発熱や黄疸が加わった場合は、急性胆のう炎や急性胆管炎などの合併症が疑われます。胆管炎が重症化すると全身状態に影響するため、早急な診察が必要です。

3.腸閉塞・イレウス:腹痛とお腹の張り、嘔吐が重なる

腸閉塞とは、腸の内容物が肛門側へ正常に移動できなくなる状態です。物理的に腸管が塞がる場合だけでなく、腸の動きが低下して通過障害が起こる場合もあります。

代表的な原因には、腹部手術後の癒着、腸管のねじれ、腫瘍などがあります。腸の中にガスや消化液がたまると腸管が拡張し、腸の収縮に伴って周期的な腹痛が起こることがあります。

腸閉塞で注意したい症状

  • お腹が周期的に強く痛む。
  • 腹部が張って膨らむ。
  • 吐き気や嘔吐を繰り返す。
  • 便やおならが出なくなる。
  • 症状が進むと強い持続痛や全身状態の悪化が起こる。

特に危険なのが、腸管の血流まで障害される絞扼性腸閉塞です。腸が締め付けられて血流が悪くなると、腸管の壊死や腹膜炎、ショックにつながる可能性があります。

初期には波のある痛みでも、病状が進行すると持続的な激痛に変わることがあります。痛みの波がなくなったからといって、安心できるわけではありません。

済生会の医療情報では、腹痛、吐き気・嘔吐、腹部膨満、排便・排ガスの停止などを主な症状として挙げ、絞扼性イレウスでは緊急手術が必要になる場合があると説明しています。

【比較で理解】疝痛と一般的な腹痛の違い・原因別の見分け方

疝痛と腹痛は同じ意味ではない

腹痛は、お腹に生じる痛み全般を指す言葉です。一方、疝痛は腹痛のなかでも、内臓の収縮や通過障害などに関連して、発作的に強弱を繰り返す性質の痛みを表します。

つまり、疝痛は腹痛の一種ですが、すべての腹痛が疝痛に当てはまるわけではありません。

例えば、急性虫垂炎では初期にみぞおちやへその周辺が痛み、時間の経過とともに右下腹部に痛みが移動することがあります。腹膜に炎症が及ぶと、歩行や咳などの動作で痛みが強くなることもあります。

こうした持続的で局所がはっきりした痛みは、典型的な疝痛とは異なる性質を持ちます。

原因となる臓器によって痛みの場所や特徴が異なる

疝痛を見分ける際には、痛みの場所だけでなく、どのように始まったか、どのくらい続くか、どこへ広がるか、ほかにどのような症状があるかを組み合わせて考える必要があります。

原因・病気主な痛みの場所痛みの特徴伴いやすい症状
尿管結石・腎疝痛片側の脇腹、背中、下腹部突然始まる激痛。強弱を繰り返し、鼠径部に広がることもある血尿、吐き気、嘔吐、発熱(感染合併時)
胆石発作みぞおち、右上腹部差し込むような強い痛み。持続的に続く場合もある吐き気、嘔吐、右肩・背中への放散痛
腸閉塞・イレウス腹部全体初期には周期的な腹痛。進行すると持続痛になる場合がある腹部膨満、嘔吐、排便・排ガス停止
急性虫垂炎みぞおち・へそ周辺から右下腹部痛む場所が移動し、持続的な痛みに変化することがある吐き気、食欲低下、発熱
胃腸炎みぞおち、腹部全体腹部の不快感や差し込む痛みなど、症状に幅がある下痢、嘔吐、発熱

この表は代表的な傾向を整理したものであり、実際の症状には個人差があります。尿管結石でも痛む場所が典型的でないことがあり、胆石発作も胃痛に似た症状を示すことがあります。

痛みの場所だけで自己診断できない理由

腹部の臓器は神経を通じてつながっているため、原因となる場所と実際に痛みを感じる場所が一致しない場合があります。

例えば、胆石による痛みは右肩や背中に広がることがあります。また、尿管結石では結石の位置が変化するにつれて、脇腹から下腹部、鼠径部へと痛みの場所が変わることがあります。

さらに、腹部大動脈瘤の破裂、腸管の血流障害、消化管穿孔など、腹痛の原因には生命を脅かす病気も含まれます。

したがって、「右側が痛いから胆石」「波があるから尿管結石」と単純に決めつけることは危険です。症状の経過と身体診察、画像検査などを組み合わせて判断します。

【症状チェック】疝痛の発作で現れる吐き気・冷や汗・血尿の意味

吐き気や嘔吐が起こるのはなぜ?

疝痛が起こると、腹痛だけでなく吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

強い内臓痛は自律神経の反応にも影響します。消化管の運動や胃の働きが乱れたり、痛みの刺激が嘔吐に関係する神経経路に伝わったりすることで、気分不快や嘔吐が起こる場合があります。

尿管結石では、激しい痛みと同時に吐き気や嘔吐が現れることがあります。腸閉塞では腸管内に内容物がたまり、通過障害が進むことで嘔吐を繰り返す場合があります。

吐き気が強く、水分を取れない状態が続くと脱水や電解質異常を起こすおそれもあります。

冷や汗や顔面蒼白は危険なサイン?

強い疝痛に伴う冷や汗や顔面蒼白は、自律神経反応によって生じることがあります。激しい痛みによって交感神経や副交感神経の働きが変化し、発汗、吐き気、血圧低下などが起こる場合があります。

ただし、冷や汗は単なる痛みへの反応とは限りません。血圧低下やショックなど、全身状態が悪化している可能性もあります。

特に、次の症状が重なる場合は注意が必要です。

  • 冷や汗が止まらず、顔色が明らかに悪い。
  • 立ち上がれない、意識が遠のく、失神する。
  • 呼吸が苦しい、脈が速い。
  • 強い腹痛が続き、身体を動かせない。
  • 嘔吐を繰り返し、水分を受け付けない。

こうした状態では、単なる腹痛として自宅で様子を見るべきではありません。

血尿・発熱・黄疸は原因を推測する重要な手掛かり

疝痛に伴う症状のなかでも、血尿、発熱、黄疸は重要な情報です。

  • 血尿:尿管結石など、尿路に結石や炎症がある可能性を考える手掛かりになる。
  • 発熱:尿路感染、腎盂腎炎、胆のう炎、胆管炎などの感染症を疑う必要がある。
  • 黄疸:胆管結石などによって胆汁の流れが妨げられている可能性がある。
  • 排便・排ガスの停止:腸閉塞など、腸管の通過障害を疑う重要な症状になる。

ただし、これらの症状がないからといって、重大な病気が否定されるわけではありません。尿管結石でも目で見える血尿が出ない場合があり、腸閉塞でも初期には排便が残っていることがあります。

【対処法と受診の目安】疝痛が起きたときにすべきこと・避けたい行動

突然の疝痛が起きたときの基本的な対処法

疝痛が起きた場合、最初に考えるべきなのは、痛みを無理に我慢することではなく、安全を確保して原因を調べることです。

痛みが比較的軽く、意識や呼吸に問題がない場合でも、初めて経験する強い腹痛や繰り返す発作については医療機関への相談が必要です。

発作が起きたときに取るべき行動

  • 無理に動かず、痛みが少ない姿勢で安静にする。
  • 衣服やベルトを緩め、身体を締め付けないようにする。
  • 痛みが始まった時刻、場所、強さ、持続時間を記録する。
  • 吐き気、発熱、血尿、便やガスの停止など、伴う症状を確認する。
  • 強い痛みや危険な症状がある場合は119番で救急車を要請する。

吐いている場合は、吐物による窒息を防ぐため、可能であれば横向きの姿勢を取ります。意識がはっきりしない場合は、無理に飲食させないでください。

自己判断で避けたい3つの行動

1.痛みが治まったからといって放置する

疝痛は発作的な症状であり、一時的に痛みが軽くなることがあります。しかし、尿管結石や腸閉塞などでは、原因が残ったまま痛みだけが変化している可能性があります。

2.無理に大量の水を飲む

尿路結石の再発予防では適切な水分摂取が大切ですが、激しい痛みや嘔吐が起きている最中に大量の水を飲んでも、詰まった結石がすぐに排出されるわけではありません。腸閉塞などでは飲食が治療上制限される場合もあります。水分摂取は診察や医療者の指示に従ってください。

3.下剤や浣腸で無理に排便しようとする

腹痛の原因が腸閉塞の場合、自己判断で下剤や浣腸を使うことは適切ではありません。腸管の状態を悪化させる可能性があるため、医師の診察を優先してください。

すぐに救急車を呼ぶべき症状

厚生労働省の救急受診に関する案内では、突然の激しい腹痛、激しい腹痛の持続、吐血、血便、嘔吐が止まらない状態などが、救急車を要請すべき症状として示されています。

次のような場合は、自己判断で様子を見ず、119番への連絡を検討してください。

  • 突然、経験したことのない激しい腹痛が起きた。
  • 激しい痛みが持続し、次第に悪化している。
  • 冷や汗、顔面蒼白、意識障害、失神などがある。
  • 吐血、血便、黒色便がある。
  • 嘔吐が止まらず、全身状態が悪い。
  • 激しい腹痛に高熱や悪寒が伴う。

特に、尿管結石が疑われる症状に発熱が加わった場合、尿路感染を伴う閉塞の可能性があります。また、腹痛と黄疸、発熱が重なった場合には胆管炎などが疑われます。いずれも迅速な医療対応が必要です。

早めに医療機関を受診したいケース

救急車を呼ぶほどではなくても、以下に該当する場合は早めに内科、消化器内科、泌尿器科などを受診してください。

  • 腹痛を何度も繰り返している。
  • 初めて経験する波状の強い腹痛がある。
  • 血尿が見られる。
  • 食後に右上腹部の痛みが繰り返し起きる。
  • 腹部膨満や便秘、排ガスの減少が続いている。
  • 腹痛と吐き気が長引いている。

高齢者、妊娠中の人、持病がある人、免疫機能が低下している人では、典型的な症状が現れないまま病状が進行する場合があります。痛みがそれほど強くなくても、早めに医療機関へ相談することが大切です。

【検査と治療】疝痛の原因を特定する診断方法と治療の選択肢

問診と身体診察で確認すること

疝痛を訴えて医療機関を受診すると、最初に痛みの発生状況や身体の状態を確認します。

医師が確認する主な項目は次のとおりです。

  • 痛みが始まった時刻と、突然か徐々にかという発症状況。
  • 痛みの場所と、背中や肩、鼠径部などへの広がり。
  • 痛みが波状か、持続的かという性質。
  • 発作の頻度と、1回あたりの持続時間。
  • 吐き気、嘔吐、発熱、血尿、黄疸の有無。
  • 排便・排ガスの状況。
  • 過去の結石、胆石、腹部手術などの病歴。

特に、以前に腹部の手術を受けている場合は、術後の癒着による腸閉塞の可能性も考慮されます。

2023年版の日本泌尿器科学会「尿路結石症診療ガイドライン」でも、尿路結石の診断では痛みの部位や強度、時間経過、放散痛、血尿、既往歴などの問診項目が重視されています。

血液検査・尿検査・画像検査

症状や診察結果に応じて、複数の検査を組み合わせて原因を調べます。

血液検査

白血球数や炎症反応、腎機能、電解質、肝機能、ビリルビン、膵酵素などを確認します。感染症、腎機能障害、胆道系の異常、膵炎などを調べるために行います。

尿検査

血尿や尿路感染の有無を確認します。尿管結石では血尿が見られることがありますが、血尿がない場合もあるため、尿検査だけで診断が確定するわけではありません。

腹部超音波検査

胆石の有無、胆のうの状態、腎臓の腫れ、水腎症などを調べるために用いられます。放射線被ばくがないことも特徴です。

CT検査

尿管結石の位置や大きさ、腸閉塞の有無、腸管の状態、腹部のほかの病気などを調べます。急性腹症では重要な画像検査の一つです。

MRI・MRCPなどの検査

胆管結石や胆道の異常が疑われる場合には、MRIやMRCPなどを用いて胆道の状態を詳しく調べることがあります。

尿管結石による疝痛の治療

尿管結石では、まず痛みを速やかに抑えることが優先されます。日本泌尿器科学会の尿路結石症診療ガイドラインでは、尿管結石の疼痛管理に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が推奨されています。

ただし、腎機能や胃腸の状態、妊娠の有無、服用中の薬などによって使用できる薬は異なります。

結石が小さく自然排石が期待できる場合は、鎮痛薬などを使用しながら経過を観察することがあります。一方、自然排石が難しい場合、痛みを十分に管理できない場合、感染を伴う場合などは、処置や手術が検討されます。

代表的な治療には、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や、尿道から内視鏡を挿入して結石を砕く経尿道的尿管結石破砕術(TUL)などがあります。

胆石発作の治療

胆石症では、胆石が存在するだけで必ず手術が必要になるわけではありません。無症状の場合は、状態に応じて経過観察となることがあります。

一方、胆石発作を繰り返すなど症状がある胆のう結石では、腹腔鏡下胆のう摘出術が代表的な治療選択肢です。

胆管に結石がある場合は、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などを用いて結石を取り除く治療が検討されます。急性胆のう炎や急性胆管炎を合併している場合は、感染への対応や胆道の閉塞解除など、病状に応じた迅速な治療が必要です。

腸閉塞の治療

腸閉塞の治療は、原因や腸管の血流状態によって異なります。

血流障害を伴わない単純性腸閉塞では、入院のうえで絶食、点滴による水分・電解質補正、必要に応じた胃腸管の減圧などを行い、改善を目指します。

一方、腸管が締め付けられて血流が悪くなる絞扼性腸閉塞では、腸管壊死を防ぐために緊急手術が必要となる場合があります。

国立がん研究センターのがん情報サービスでも、腸閉塞について、絶食や点滴、チューブによる減圧などの治療が説明されており、病状によっては手術が必要になるとされています。

このように、疝痛の治療では、鎮痛だけで終わらせず、原因となる臓器や病態に合わせた治療を選ぶことが重要です。

【プロの結論】疝痛を正しく理解するために知っておきたい3つの判断基準

判断基準1:痛みの強さだけでなく、時間経過を見る

疝痛を判断するときに重要なのは、痛みの強さだけではありません。いつ始まり、どのようなリズムで強くなり、どのくらい続き、どのように変化したかが診断の手掛かりになります。

例えば、尿管結石では激しい痛みが発作的に現れることがあります。腸閉塞では周期的な腹痛に腹部膨満や嘔吐が加わることがあります。胆石発作では右上腹部を中心とした痛みが持続する場合もあります。

痛みの経過を記録しておくと、医師が原因を絞り込む際に役立ちます。

判断基準2:痛みが弱まることと、病気が治ることは別

疝痛の特徴は、痛みに波があることです。そのため、発作の合間には普通に動けるほど症状が落ち着くこともあります。

しかし、尿管結石が残っていたり、腸管の通過障害が続いていたりすれば、病気そのものは解決していません。腸閉塞では、持続痛への変化が血流障害などの重大な合併症を示す場合もあります。

痛みが一時的に消えたことだけを理由に、受診を先延ばしにしないこと。これが疝痛への対応で見落としたくないポイントです。

判断基準3:痛み以外の症状を組み合わせて考える

腹痛の診断では、痛みの場所や性質に加えて、発熱、血尿、嘔吐、黄疸、排便・排ガスの状況などが重要になります。

例えば、脇腹の激痛と血尿があれば尿路結石が疑われますが、発熱が加われば感染症を伴う閉塞の可能性が問題になります。右上腹部の痛みに黄疸や発熱が重なる場合は、胆管炎などの緊急性が高い病気を考える必要があります。

症状を一つずつ切り離して考えるのではなく、全身の変化を含めて判断することが大切です。

【疝痛とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:疝痛とは、どのような痛みですか?
A1:疝痛とは、内臓の収縮や拡張、通過障害などによって生じる、波のように強弱を繰り返す発作的な痛みです。差し込むような痛みや、締め付けられるような痛みとして感じられることがあります。

Q2:疝痛と普通の腹痛は何が違いますか?
A2:腹痛はお腹に起こる痛み全般を指しますが、疝痛はそのうち、発作的に痛みが強くなったり弱くなったりする性質を持つものです。ただし、痛みの性質だけで原因疾患を特定することはできません。

Q3:疝痛が起きたとき、何科を受診すればよいですか?
A3:原因が分からない腹痛の場合は、内科や消化器内科が受診先の候補になります。血尿や脇腹の激痛がある場合は泌尿器科、右上腹部の痛みや胆石が疑われる場合は消化器内科が専門的な診療先です。ただし、突然の激痛や全身状態の悪化がある場合は、診療科を選ぶより救急受診を優先してください。

Q4:疝痛は自然に治ることがありますか?
A4:原因によっては、一時的に痛みが治まることがあります。しかし、結石や腸閉塞などの原因が残っている場合は再発や悪化の可能性があります。痛みが消えたことだけで治癒したとは判断できません。

Q5:疝痛に冷や汗や吐き気が伴うのはなぜですか?
A5:激しい内臓痛によって自律神経が刺激され、発汗や吐き気、顔面蒼白などが起こる場合があります。ただし、冷や汗や意識の変化、血圧低下などがある場合は、ショックを含む重篤な状態も考えられるため、救急対応が必要です。

Q6:疝痛を予防する方法はありますか?
A6:予防方法は原因疾患によって異なります。尿路結石では適切な水分摂取や結石成分に応じた食事管理、胆石では適正体重の維持や急激な減量を避けることなどが役立ちます。ただし、すでに結石がある場合や発作を繰り返している場合は、医師と相談して個別の予防策を考える必要があります。

まとめ:疝痛は痛みの波だけで判断せず、原因と危険なサインを見極める

疝痛とは、内臓の収縮や拡張、通過障害などに関連して起こる、強弱を繰り返す発作的な痛みです。尿管結石による腎疝痛、胆石発作、腸閉塞などが代表的な原因として知られています。

それぞれ痛みの場所や特徴は異なり、尿管結石では片側の脇腹や背中、胆石発作ではみぞおちや右上腹部、腸閉塞では腹部全体に症状が現れることがあります。吐き気、嘔吐、冷や汗、血尿、発熱、黄疸などを伴う場合には、原因疾患の特定が欠かせません。

2026年現在も、急性腹症の診療では問診、身体診察、血液・尿検査、超音波検査、CTなどを組み合わせ、迅速に原因を見極めることが基本です。2025年発行の「急性腹症診療ガイドライン2025 第2版」も、2026年にMindsガイドラインライブラリで最新版として掲載されています。

特に覚えておきたいのは、疝痛の痛みが一時的に弱まっても、原因となる病気が治ったとは限らないということです。突然の激痛、持続する腹痛、冷や汗や意識障害、繰り返す嘔吐、発熱や黄疸などがある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。

腹痛を正しく理解する第一歩は、痛みの強さだけでなく、発症の仕方や時間経過、伴う症状に目を向けることです。いつもと違う痛みを感じたときは無理に我慢せず、適切な診察を受けることが、重症化を防ぐための大切な判断につながります。

主な医学的根拠・参照資料

- 日本薬学会「腹痛」
- 済生会「腹痛」「イレウス(腸閉塞)」
- 日本泌尿器科学会「尿路結石症診療ガイドライン」
- 日本内分泌学会「尿路結石症」
- 日本消化器病学会「消化器のひろば」
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- Mindsガイドラインライブラリ「急性腹症診療ガイドライン2025 第2版」

(出典: 疝痛 と は(Yahoo!ニュース))