【そもそも血圧の上と下の差とは?】収縮期血圧・拡張期血圧の意味

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【そもそも血圧の上と下の差とは?】収縮期血圧・拡張期血圧の意味
【そもそも血圧の上と下の差とは?】収縮期血圧・拡張期血圧の意味
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血圧の上下差を理解するには、まず上と下の数値がそれぞれ何を表しているのかを知る必要があります。

上の血圧は心臓が血液を送り出すときの圧力

血圧上と下の差
【画像】血圧 上と下 の 差 関連ショット

上の血圧は、医学的には収縮期血圧と呼ばれます。

心臓が収縮して血液を大動脈へ送り出すとき、血管の壁にかかる圧力の最大値です。

上の血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかります。特に収縮期血圧が高い状態は、脳卒中や心臓病などの心血管疾患リスクを考えるうえで重要な指標です。

下の血圧は心臓が休んでいるときの圧力

血圧上と下の差
【写真】血圧 上と下 の 差 近影・注目カット

下の血圧は、拡張期血圧と呼ばれます。

心臓が拡張して次の拍動に備えている間に、動脈内に保たれている圧力です。

下の血圧は末梢血管の抵抗や血管の状態などを反映します。上の血圧が正常でも、下の血圧だけが高い場合には注意が必要です。

脈圧は血管の弾力性を考える手がかり

血圧上と下の差
【資料】血圧 上と下 の 差 報道・メディア記録

脈圧は、収縮期血圧と拡張期血圧の差です。

例えば、120/80mmHgの場合、上が120、下が80なので、脈圧は40mmHgになります。

この数値には、心臓が1回の拍動で送り出す血液量と、動脈がどの程度伸び縮みできるかという性質が関係しています。

動脈が柔軟であれば、心臓から送り出された血液を受け止めやすくなります。一方、動脈が硬くなると、血液が送り出された際の圧力変化が大きくなり、脈圧が広がる傾向があります。

つまり、脈圧は単なる引き算の結果ではなく、循環器の状態を考えるための補助的な情報です。

【脈圧の正常値は40〜60mmHg?】計算方法と2026年の基準

脈圧の計算方法は非常にシンプル

脈圧の計算式は次のとおりです。


脈圧の計算式
上の血圧 − 下の血圧
単位:mmHg(ミリメートル水銀柱)

計算例:血圧が140/80mmHgの場合


収縮期血圧
140



拡張期血圧
80



脈圧
60


別の数値でも同じ方法で計算できます。

- 120/80mmHg:脈圧40mmHg
- 130/80mmHg:脈圧50mmHg
- 140/80mmHg:脈圧60mmHg
- 150/70mmHg:脈圧80mmHg
- 110/90mmHg:脈圧20mmHg

脈圧の正常値はどのくらい?

一般的な健康情報では、脈圧40mmHg前後が一つの目安として紹介され、40〜60mmHg程度を参考範囲とする資料もあります。

ただし、これは日本高血圧学会が定めた正式な脈圧の診断基準ではありません。

実際には、年齢、心臓の働き、血管の柔軟性、収縮期血圧と拡張期血圧の個別の値によって意味が変わります。

脈圧の数値一般的な見方確認したいこと
40mmHg未満狭い傾向心拍出量、循環状態
40〜60mmHg参考範囲上下の血圧と全身状態
60mmHg超広い傾向動脈硬化、収縮期血圧
100mmHg前後以上著しく広い状態心臓・血管の病気など

この表は診断基準ではなく、数値を理解するための参考です。60mmHgを超えたからといって、必ず動脈硬化があるとは限りません。

また、運動直後や緊張しているときには一時的に数値が変化することもあります。

脈圧と平均血圧は何が違う?

血圧を詳しく見る際には、脈圧だけでなく平均血圧という指標もあります。

平均血圧は、心臓が拍動する1周期を通して動脈にかかる圧力を反映する指標です。

安静時の概算式は次のとおりです。

\[
平均血圧 \approx 下の血圧+\frac{脈圧}{3}
\]

例えば140/80mmHgの場合は、平均血圧が約100mmHgとなります。

脈圧が主に動脈の弾力性や拍出量を考える手がかりになるのに対し、平均血圧は臓器への血液循環を考える際に利用されます。

両者は異なる指標なので、混同しないことが大切です。

【日本高血圧学会2025年版を検証】2026年の血圧基準と正しい見方

2026年の血圧管理で押さえておきたいのが、日本高血圧学会による「高血圧管理・治療ガイドライン2025」です。

同ガイドラインは2025年7月25日に学会から発表され、同年8月29日に発行されました。2026年3月31日版の正誤表も学会公式サイトで公開されています。

2026年時点で、国内の高血圧管理を考える際の重要な指針です。

診察室血圧と家庭血圧では基準が違う

JSH2025では、診察室血圧と家庭血圧を区別して分類しています。

血圧の分類診察室血圧家庭血圧
正常血圧120/80未満115/75未満
正常高値血圧120〜129かつ下80未満115〜124かつ下75未満
高値血圧130〜139または80〜89125〜134または75〜84
I度高血圧140〜159または90〜99135〜144または85〜89
II度高血圧160〜179または100〜109145〜159または90〜99
III度高血圧180以上または110以上160以上または100以上

単位はすべてmmHg。「または」は収縮期・拡張期のいずれか一方でも該当することを示す。「かつ」は両方の条件を満たすことを示す。

ここで注意したいのは、上記の分類が脈圧の基準ではないことです。

例えば、家庭血圧が140/80mmHgなら、脈圧は60mmHgですが、高血圧の判定では上の血圧140mmHgという数値も評価します。

反対に、血圧が110/90mmHgなら脈圧は20mmHgです。上下差が小さくても、下の血圧が高いため、血圧管理上の問題があります。

したがって、上下差だけを見て安心したり、不安になったりするのは適切ではありません。

2025年ガイドラインの降圧目標にも注目

JSH2025では、高血圧治療における降圧目標として、原則として次の数値が示されています。

- 診察室血圧:130/80mmHg未満
- 家庭血圧:125/75mmHg未満

これは高血圧患者の治療目標であり、一般の人すべてに一律に適用する数値ではありません。

年齢、合併症、治療による副作用、体調などを踏まえた個別の判断が必要です。

また、正常血圧の分類基準と治療目標は異なる概念です。

2026年に血圧を管理するなら、脈圧だけでなく、上と下の血圧それぞれの値を継続的に確認することが基本です。

【血圧の上下差が大きい・小さい原因】動脈硬化と心血管疾患リスク

脈圧の変化には、動脈の弾力性や心臓のポンプ機能などが関係します。

ここでは、上下差が大きい場合と小さい場合を分けて解説します。

脈圧が大きい原因① 動脈硬化による血管の硬化

脈圧が広がる代表的な原因の一つが、動脈硬化です。

健康な動脈には、心臓から送り出された血液を受け止める弾力性があります。

しかし、加齢や高血圧などによって大動脈の壁が硬くなると、血液を受け止める能力が低下します。

その結果、心臓が収縮したときの上の血圧が高くなり、脈圧が広がることがあります。

特に高齢者では、上の血圧が高く、下の血圧が比較的低い「孤立性収縮期高血圧」が見られます。

例えば、150/70mmHgの場合、脈圧は80mmHgです。

上の血圧が高い一方、下の血圧はそれほど高くないため、上下の差が大きくなります。

脈圧が大きい原因② 加齢による血管の変化

年齢を重ねるにつれて、大動脈などの太い血管は弾力性を失いやすくなります。

この変化によって脈圧が広がる傾向があります。

ただし、年齢が高いからといって、脈圧の拡大をすべて加齢のせいにしてはいけません。

糖尿病、脂質異常症、喫煙、高血圧などが血管の状態に影響している可能性もあります。

脈圧が大きい原因③ 心臓やホルモンの病気

動脈硬化以外にも、脈圧が大きくなる原因があります。

代表的なものは次のとおりです。

- 大動脈弁閉鎖不全症: 大動脈弁が完全に閉じず、血液が心臓へ逆流する病気。
- 甲状腺機能亢進症: 代謝や心拍数が上がり、循環が活発になることがある。
- 高拍出状態: 心臓から送り出される血液量が増加し、脈圧が広がることがある。

運動直後などの一時的な変化と、安静時にも続く脈圧の拡大は区別する必要があります。

脈圧が大きいと心筋梗塞や脳卒中のリスクは高まる?

脈圧の拡大は、特に高齢者において心血管疾患リスクと関連することが研究で報告されています。

2006年に医学誌『The American Journal of Geriatric Cardiology』に掲載されたレビューでは、高齢者の脈圧拡大と、脳卒中、心不全、腎疾患、心血管イベントなどとの関連が取り上げられました。

また、2020年の『Journal of Clinical Hypertension』のレビューでは、動脈の硬化が進むことによる脈圧の拡大と、心血管疾患や慢性腎臓病などの予後との関連が整理されています。

ただし、脈圧が大きい人が必ず心筋梗塞や脳卒中を発症するわけではありません。

脈圧はリスクを考えるための補助指標であり、年齢、喫煙、血糖値、コレステロール値、腎機能、血圧全体の状態などを合わせて評価する必要があります。

脈圧が小さい原因① 心臓のポンプ機能の低下

反対に、上下の差が小さい状態は、狭い脈圧と呼ばれることがあります。

その原因の一つが、心臓から送り出される血液量、つまり一回拍出量の低下です。

心臓が十分な量の血液を送り出せなくなると、収縮期血圧と拡張期血圧の差が小さくなる場合があります。

関連する病態には、次のようなものがあります。

- 心不全
- 大動脈弁狭窄症
- 心タンポナーデ
- 大量出血や脱水などによる循環血液量の低下

特に急激に血圧が低下した場合や、冷や汗、息苦しさ、意識が遠のくような症状がある場合には、早急な医療対応が必要です。

脈圧が小さい原因② 血液量の減少や循環不全

脱水や出血などによって循環する血液量が減少すると、心臓へ戻る血液量も減り、心臓から送り出される血液量が低下することがあります。

その結果、脈圧が狭くなることがあります。

ただし、脈圧が小さいという理由だけで脱水や心不全と判断することはできません。

血圧全体の値、脈拍、呼吸状態、尿量、意識状態などを総合的に確認する必要があります。

大きい脈圧と小さい脈圧の違い

比較項目脈圧が大きい脈圧が小さい
主な背景動脈の硬化心拍出量の低下など
血管の状態弾力性の低下が関係することがある脈圧だけでは判断できない
関連する病態動脈硬化、大動脈弁閉鎖不全症心不全、大動脈弁狭窄症
急性の注意点胸痛、神経症状など冷や汗、失神、息苦しさなど
確認方法血圧記録、診察、必要な検査血圧、脈拍、循環状態の評価

重要なのは、脈圧が大きい場合と小さい場合では、疑うべき背景が異なることです。

どちらも数値だけで病気を確定することはできません。

【家庭血圧の正しい測り方と受診目安】上下差が気になるときの対処法

脈圧を確認するうえで大切なのが、家庭血圧の測定です。

1回だけ測定した数値では、その日の体調や測定環境による変動が影響するため、継続的な記録が役立ちます。

家庭血圧を正しく測る7つのポイント

日本高血圧学会の2025年ガイドラインでは、家庭血圧の測定方法について具体的な条件が示されています。

① 上腕式血圧計を使う

基本的には上腕にカフを巻くタイプの血圧計を使用します。測定精度が検証された機器を選びましょう。

② 朝は起床後1時間以内に測る

排尿を済ませ、朝食や朝の服薬前に測定します。

③ 夜は就寝前に測る

就寝前に椅子に座って安静にしてから測ります。

④ 測定前に1〜2分間安静にする

慌ただしく動いた直後や、階段を上った直後は避けます。

⑤ 腕を心臓の高さに合わせる

腕が低すぎたり高すぎたりすると、測定値に影響することがあります。

⑥ 会話をせず、足を組まない

背もたれのある椅子に座り、足を床につけてリラックスします。

⑦ 朝と夜に原則2回ずつ測る

それぞれ2回測定し、平均値を記録します。測定値は都合のよいものだけを選ばず、記録を残しましょう。

測定前の喫煙、飲酒、カフェイン摂取も避けることが推奨されています。

また、測定はできるだけ7日間、少なくとも5日以上続け、朝と夜の平均値を別々に確認します。

血圧の上下差が大きい場合は何科を受診する?

脈圧が繰り返し60mmHgを超える場合や、以前と比べて急に広がった場合には、内科や循環器内科で相談するとよいでしょう。

特に次のような場合は受診を検討してください。

- 上の血圧が高い状態が続いている
- 下の血圧が以前より低下している
- 家庭血圧の脈圧が繰り返し大きくなっている
- 動悸や息切れ、胸の違和感がある
- 健康診断で動脈硬化や心臓の異常を指摘された

医療機関では、必要に応じて心電図、心臓超音波検査、血液検査などを行い、背景にある病気を調べます。

血圧の上下差が小さい場合も受診が必要?

脈圧が40mmHg未満になることが繰り返される場合は、上と下の血圧そのものも確認しましょう。

特に、血圧が以前より低下している、脈拍が速い、立ちくらみがある、疲れやすいなどの変化がある場合は、医師への相談をおすすめします。

一方、上下差が小さいという理由だけで、すぐに重大な病気があると決まるわけではありません。

体質や測定条件によっても変化するため、過去の記録との比較が大切です。

すぐに医療機関へ相談したい危険な症状

次の症状がある場合は、脈圧の数値にかかわらず注意してください。




緊急対応が必要な症状

- 突然の激しい胸痛や背中の痛み
- 強い息苦しさ
- 片側の手足の麻痺や脱力
- ろれつが回らない
- 突然の激しい頭痛
- 意識障害や失神

これらの症状が突然現れた場合は119番で救急車を要請してください。

また、収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧110mmHg以上の場合は、早急な医療機関への相談が必要です。強い頭痛や吐き気などを伴う場合は、速やかに受診してください。

無症状であっても、極端に高い血圧が続く場合は放置せず、早めに医師へ相談しましょう。

降圧薬を服用している人は、自己判断で薬を増減したり、中断したりしないことも大切です。

【血圧の上と下の差に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:血圧の上と下の差は何mmHgが正常ですか?

A1:一般的には40mmHg前後が一つの目安で、40〜60mmHg程度を参考範囲とする資料があります。ただし、日本高血圧学会の2025年ガイドラインには、脈圧単独の正式な正常値や診断基準はありません。上下の血圧と年齢、健康状態を合わせて判断します。

Q2:血圧の上と下の差が60以上あると危険ですか?

A2:60mmHgを超えたからといって、必ず病気があるわけではありません。ただし、動脈硬化や大動脈の弾力性低下などが関係している可能性があります。繰り返し60mmHgを超える場合は、家庭血圧を記録して医師に相談しましょう。

Q3:血圧の上と下の差が20mmHgしかない場合は大丈夫ですか?

A3:20mmHgは狭い脈圧です。心臓から送り出される血液量の低下などが関係することがあります。ただし、数値だけでは原因を特定できません。特に血圧低下、息切れ、冷や汗、失神などがあれば速やかな医療対応が必要です。

Q4:年齢が高くなると血圧の上下差は大きくなりますか?

A4:一般的に、加齢によって大動脈などの太い血管の弾力性が低下し、脈圧が広がりやすくなります。ただし、年齢だけで判断せず、高血圧や糖尿病などの影響も確認する必要があります。

Q5:血圧が120/80なら脈圧は正常ですか?

A5:脈圧は40mmHgです。一般的な参考範囲に入ります。ただし、血圧全体の評価は診察室で測ったのか家庭で測ったのかによっても異なります。脈圧だけで健康状態を判断しないようにしましょう。

Q6:血圧の上下差が大きい場合、食事や運動で改善できますか?

A6:食塩の摂取量を減らす、適度な運動を続ける、体重を適切に管理する、禁煙するなどは血圧管理に役立ちます。ただし、弁膜症などの病気が原因の場合は、その病気に対する診断と治療が必要です。生活習慣の改善だけで原因が解消するとは限りません。

まとめ:血圧の上下差だけで判断せず、継続的な記録と適切な受診を

血圧の上と下の差である脈圧は、動脈の弾力性や心臓の働きを考えるための重要な手がかりです。

今回解説したポイントを整理します。

- 脈圧は上の血圧から下の血圧を引いて計算する。
- 40mmHg前後が一般的な目安で、40〜60mmHgを参考範囲とする資料もある。
- 脈圧が大きい場合は動脈硬化や大動脈の硬化などが関係することがある。
- 脈圧が小さい場合は心拍出量の低下や循環血液量の減少などが関係することがある。
- 2026年の国内血圧管理では、日本高血圧学会の2025年ガイドラインが重要な指針となる。
- 家庭血圧を朝と夜に測定し、継続的な平均値を確認する。

特に覚えておきたいのは、脈圧が正常範囲に見えても、上または下の血圧が高ければ健康上の問題が隠れている可能性があるということです。

血圧は一度の測定だけで判断するのではなく、日々の変化を記録していくことが大切です。

2026年の血圧管理では、脈圧という一つの数字にとらわれず、収縮期血圧・拡張期血圧・年齢・生活習慣・既往歴を総合的に確認し、自分の状態に合った管理を続けていきましょう。 (出典: 血圧 上と下 の 差(Yahoo!ニュース))