BTSの国連スピーチ2021を徹底解説|若者へのメッセージとSDGs、動画の意味

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BTSの国連スピーチ2021を徹底解説|若者へのメッセージとSDGs、動画の意味
BTSの国連スピーチ2021を徹底解説|若者へのメッセージとSDGs、動画の意味
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2021年9月20日、韓国の7人組グループBTS(防弾少年団)が、ニューヨークの国連本部で開催された「SDGモーメント」に登壇した。第76回国連総会のハイレベルウィークに合わせて行われたこのイベントで、メンバー全員が世界の若者に向けてメッセージを発信。新型コロナウイルスによって失われた機会や未来への不安を取り上げながら、「ロスト・ジェネレーション」ではなく「ウェルカム・ジェネレーション」という前向きな考え方を提示した。

BTSが登壇した理由は、韓国大統領から「未来世代と文化のための大統領特使」に任命されていたためだ。演説だけでなく、国連本部で撮影された「Permission to Dance」の特別映像も公開され、音楽を通じてSDGsと若者の未来を結び付けた。2026年10月現在、あのスピーチから5年が経過した。発言の日本語訳、7人それぞれのメッセージ、特使としての役割、動画に込められた意味を振り返る。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

- 開催日: 2021年9月20日。第76回国連総会のハイレベルウィークに開催されたSDGモーメントに参加。
- スピーチの核心: コロナ禍の若者を「失われた世代」と決めつけず、変化を歓迎する「ウェルカム・ジェネレーション」と捉え直した。
- 特使としての役割: 未来世代と文化のための大統領特使として、若者の声やSDGsへの関心を国際社会に届けた。
- 動画の見どころ: 国連本部で撮影した「Permission to Dance」を披露し、手話の表現を通じて平和や喜びを伝えた。
- 2026年の視点: 2030年を期限とするSDGsの達成に向け、若者の参加と世代間の協力を改めて考える機会になる。

【何を伝えた?】BTSの国連スピーチ2021の核心は「若者の可能性」

bts 国連スピーチ 2021の関連写真・ビジュアル
【画像】bts 国連スピーチ 2021 関連ショット

BTSの国連スピーチ2021を一言で表すなら、「若者の未来を、大人の基準だけで判断してはいけない」というメッセージだ。

演説の中心にあったのは、新型コロナウイルスの感染拡大によって生活が大きく変わった10代・20代への理解だった。

当時、世界中の若者は学校生活や卒業式、入学式、友人との交流、旅行、コンサートなど、人生の節目となる経験を制限されていた。将来への不安や、同世代との交流機会を失ったことによる孤独も大きな問題となっていた。

BTSは演説に先立ち、世界各地の10代・20代に過去2年間の経験や現在の生活について尋ねていた。その声を国連の場に持ち込み、若者たちが困難の中でも新しい生活を模索していることを紹介した。

「ロスト・ジェネレーション」という呼び方への疑問

bts 国連スピーチ 2021の様子・注目ショット
【写真】bts 国連スピーチ 2021 近影・注目カット

RMが取り上げたのは、コロナ禍の若者を「COVID's Lost Generation(コロナ禍の失われた世代)」と呼ぶ風潮だった。

若者は本来、さまざまな経験を通じて自分の可能性を広げる時期にある。しかし、感染症によってその機会が制限され、以前と同じように進めない状況が続いていた。

そこでRMは、若者の歩む道が大人には見えないからといって、道に迷ったと判断するのは適切ではないという趣旨の発言をした。

「大人の目に見えない道を歩いているからといって、迷子だとは言えない。」

これは演説の中でも特に象徴的なメッセージだ。

若者の選択や成長の方法は、必ずしも以前の世代と同じではない。オンラインで友人と交流したり、新しい勉強を始めたり、健康的な生活を模索したりすることも、立派な前進である。

「ウェルカム・ジェネレーション」という新しい視点

bts 国連スピーチ 2021の報道・詳細資料
【資料】bts 国連スピーチ 2021 報道・メディア記録

この考え方をさらに印象的な言葉にしたのがJinだった。

Jinは、若者を「ロスト・ジェネレーション」と呼ぶ代わりに、「ウェルカム・ジェネレーション」と呼ぶほうがふさわしいと提案した。

それは、変化を恐れるのではなく、新しい状況を受け入れながら前へ進んでいく世代という意味だ。

重要なのは、困難が存在しないと主張したわけではないことだ。失ったものへの悲しみを認めたうえで、そこから新しい道を探す姿勢を評価したのである。

この発想は、BTSがこれまで音楽やメッセージを通して発信してきた自己肯定や希望のテーマともつながっている。

韓国の政府広報媒体Korea.netや聯合ニュースも、この「ウェルカム・ジェネレーション」という表現を2021年の演説の中心的なメッセージとして紹介している。

【参加理由と背景】BTSが国連に招かれたのはなぜ?

BTSの国連スピーチは、単なる人気アーティストの特別出演ではなかった。

背景には、韓国政府による国際的な文化外交と、若い世代にSDGsへの関心を広げたいという国連側の目的があった。

2021年7月21日、大統領特使に任命

2021年7月21日、韓国の文在寅大統領はBTSを公共外交のための特使に任命した。

正式な肩書きは「未来世代と文化のための大統領特使(Special Presidential Envoy for Future Generations and Culture)」。

韓国大統領府の発表を伝えた聯合ニュースによると、BTSには世界の若者への慰めと希望のメッセージを伝えることに加え、環境、貧困、不平等、多様性の尊重などに関する国際的な活動への参加が期待されていた。

同年9月14日には文在寅大統領から任命状が授与され、国連総会に向けた活動が本格化した。

9月20日のSDGモーメントとは?

SDGモーメントは、国連総会のハイレベルウィークに合わせて、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた行動を促す年次イベントだ。

2021年9月20日に開催されたのは第2回のSDGモーメント。国連事務総長アントニオ・グテーレスが招集し、各国の首脳や国連関係者、民間企業、市民社会などが参加した。

当時は新型コロナウイルスの感染拡大によって、国ごとのワクチン接種や経済回復に大きな格差が生まれていた。貧困や不平等、気候変動などの問題も深刻化していた。

国連は2030アジェンダの重要性を再確認し、世界が協力して持続可能な社会を実現する必要性を訴えていた。

その中でBTSは、若者の視点を国際社会に届ける役割を担った。

BTSの国連参加は2021年が初めてではない

BTSの国連関連活動には、それ以前からの積み重ねがある。

- 2018年9月: RMがUNICEFの「Generation Unlimited」関連イベントで演説。「Love Yourself(自分自身を愛すること)」をテーマに、若者に自分の声を届けるよう呼びかけた。
- 2020年9月: 第75回国連総会に関連するオンラインイベントで、メンバー全員が新型コロナウイルスの影響を受けた若者にメッセージを発信。「Life Goes On」という希望を伝えた。
- 2021年9月: 第76回国連総会のSDGモーメントに参加し、7人全員が演説。若者の未来とSDGsへの取り組みを訴えた。

つまり、2021年の演説は突然実現したものではない。自己肯定、若者の声、パンデミック下での希望というテーマが、段階的に発展した国連での発信だった。

なお、9月20日のSDGモーメントと、9月21日以降に行われた国連総会の一般討論演説は別のプログラムである。BTSが参加したのは、一般討論そのものではなく、総会のハイレベルウィークに合わせたSDGモーメントだった。

【日本語訳・発言内容】BTSの7人は何を語ったのか?

BTSの国連スピーチ2021では、メンバー7人が韓国語で順番に発言した。

演説の冒頭でRMは、世界の10代・20代から集めた声を紹介する目的を説明。その後、メンバーがそれぞれの視点からパンデミックの経験や若者の可能性を語っていった。

以下は国連の公式映像記録と演説内容に沿った日本語要旨である。逐語的な全文翻訳ではなく、発言の意味を理解しやすいように整理したものだ。

1. RM:若者の未来は大人の視点だけでは測れない

RMは演説の冒頭と終盤を担当した。

世界中の10代・20代に過去2年間の経験を尋ねたことを紹介し、若者の未来を大人の価値観だけで判断することに疑問を投げかけた。

また、環境問題に関心を持ち、専門分野として学ぶ若者がいることにも触れた。

未来は未知の領域であり、若い世代こそがそこで長い時間を過ごす存在だという視点を提示した。

最後には、世界が止まったように見えても実際には少しずつ前進しており、一つひとつの選択が変化の始まりになるという希望を伝えた。

2. Jin:失われた世代ではなく、変化を歓迎する世代

Jinは、世界の若者から寄せられた声を紹介する場面を担当した。

コロナ禍で戸惑いや不安を感じた人がいる一方、今できることを大切にしようとする若者もいた。

そうした姿を踏まえて提案したのが「ウェルカム・ジェネレーション」という言葉だ。

変化を恐れるのではなく、新しい状況を受け入れて前進する若者の姿を肯定した。

3. SUGA:失ったものを悲しみながらも、選択を続ける

SUGAは、新型コロナウイルスによって失われたものを悲しむ時間の大切さを語った。

当たり前だった日常や、人と直接会う機会、何気ない瞬間の価値を改めて認識することになったという内容だ。

さらに、選択が必ずしも完璧でなくても、できることが何もないわけではないという考え方を示した。

4. j-hope:気候変動とワクチン接種について発信

j-hopeは気候変動について触れた。

地球の未来を考えるとき、気候変動は誰もが重要性を認識している問題だ。しかし、最適な解決方法を簡単に決めることはできないという現実も語った。

また、変化に直面したときにどのような選択をするかが大切だと説明し、メンバー全員が新型コロナウイルスのワクチン接種を受けたことにも言及した。

5. Jimin:若者は新しい方法で生活を切り開いている

Jiminは、世界の若者から寄せられた写真を紹介した。

そこには、オンラインで新しい方法の交流を続ける姿、新しい勉強を始める姿、健康的な生活を送ろうと努力する姿などがあった。

若者たちは何もできずに立ち止まっているのではない。新しい勇気を持って挑戦しているのだと説明した。

6. V:未来を暗い結末だと決めつけない

Vは、未来を最初から暗いものとして捉えるべきではないと伝えた。

世界には問題を心配し、その解決策を探している人がいる。自分たちの物語には、まだ続きがある。

未来の結末がすでに決まっているかのように語るべきではないというメッセージだった。

7. Jungkook:立ち止まったように感じる若者への共感

Jungkookは、前に進みたいのに世界が止まっているように感じたり、自分の進む道を見失ったように感じたりする経験について語った。

BTS自身も同じような感覚を抱いたことがあると明かし、若者の不安に寄り添った。

演説全体を通じた日本語訳の要点

7人の発言を一つのメッセージにまとめると、次のようになる。

- コロナ禍で失われた経験や機会は確かに存在する。
- しかし、若者は新しい方法で学び、交流し、生活を続けている。
- 大人が理解できない方法で進んでいるからといって、若者が迷っているとは限らない。
- 気候変動などの問題に対して、次の世代の声を聞く必要がある。
- 完璧な選択でなくても、一歩を踏み出すことには意味がある。
- 希望を持ち、変化を歓迎しながら未来をつくっていくことが大切だ。

公式の演説映像は国連Web TVの「Opening Segment - SDG Moment 2021 (Part 1)」で確認できる。韓国政府広報のKorea.netや聯合ニュースにも、主要な発言の紹介が掲載されている。

【7人の関係と役割】国連スピーチの発言者・関係者一覧

2021年の演説を理解するには、BTSのメンバーだけでなく、韓国政府や国連側の関係者も押さえておきたい。

人物・組織2021年当時の役割演説・イベントとの関係
RMBTSリーダー冒頭と終盤の発言を担当。若者の未来と選択の重要性を説明
JinBTSメンバー若者の声を紹介し、ウェルカム・ジェネレーションを提案
SUGABTSメンバーコロナ禍で失ったものや前向きな選択について発言
j-hopeBTSメンバー気候変動とワクチン接種について発言
JiminBTSメンバー若者のオンライン交流や新しい挑戦を紹介
VBTSメンバー未来を悲観せず、可能性を信じることを訴えた
JungkookBTSメンバーコロナ禍での不安や失われた機会について共感を示した
文在寅韓国大統領BTSを未来世代と文化のための大統領特使に任命
アントニオ・グテーレス国連事務総長SDGモーメントを招集
メリッサ・フレミング国連広報担当事務次長BTSとSDGsへの取り組みについて対話

特に注目したいのは、7人全員が発言したことだ。

2018年の国連関連イベントではRMが代表して演説したが、2021年はメンバーそれぞれが自分の言葉で若者の経験や未来を語った。

これは、リーダー1人がグループの考えを代表する形式から、7人が異なる角度で同じテーマを伝える形式への変化でもある。

また、文在寅大統領による特使任命と、国連側によるSDGモーメントへの参加機会が組み合わさったことで、韓国の文化外交と国連の持続可能な開発目標が接続した。

【Permission to Danceの動画】国連本部で披露した理由と見どころ

演説と並んで大きな注目を集めたのが、楽曲「Permission to Dance」の特別映像だ。

この映像は2021年9月20日、国連の公式チャンネルから公開された。演説の後に紹介され、国連本部の建物内外で撮影された映像を通じて、SDGsへの関心を音楽で広げる役割を担った。

なぜ「Permission to Dance」が選ばれた?

「Permission to Dance」は2021年7月9日にリリースされたBTSの楽曲だ。

イギリスのシンガーソングライター、エド・シーランらが制作に参加した作品で、明るく軽快なサウンドと、誰もが自由に踊ることを肯定するメッセージが特徴となっている。

新型コロナウイルスの影響で、人々が自由に集まったり、交流したりすることが難しかった時期に発表された楽曲でもある。

国連が公開した映像では、この楽曲を単なるエンターテインメントとしてではなく、困難な現実を受け止めながら、より良い未来のために行動する若者への賛歌として紹介している。

動画の見どころは国連本部と手話の表現

映像では、メンバーが演説を行った国連総会議場に登場する場面から始まり、国連本部の内外へと舞台が広がっていく。

ニューヨークの街並みを背景にしたダンスシーンも登場し、終盤ではさまざまな人々が加わっていく。

特に印象的なのが、楽曲の振り付けに取り入れられた手話の表現だ。

国連の公式紹介によると、映像では次のような意味を持つ表現が取り入れられている。

- 幸せであること
- 一緒に踊ること
- 平和

言葉だけに頼らず、身体の動きや視覚的な表現を通じてメッセージを伝える構成になっている。

これは、国籍や言語、文化が異なる人々にも同じ思いを届けようとする演出だった。

演説と動画は別々ではなく、一つのメッセージ

ここで重要なのは、国連での「Permission to Dance」は、通常の音楽番組のような生のステージパフォーマンスではないという点だ。

国連本部で撮影された特別映像が演説に続いて公開されたものである。

演説では若者の現実や未来への考え方を言葉で伝え、動画では希望や連帯感を音楽とダンスで表現した。

国連側は、世界中の若者にSDGsへの関心を広げるための映像として位置付けている。

そのため、スピーチだけを見る場合と、映像まで続けて見る場合では、イベント全体のメッセージの受け取り方も変わってくる。

【SDGsとの関係と2026年の意義】BTSが伝えたかった未来とは?

BTSの国連スピーチを理解するには、SDGsそのものについて知っておく必要がある。

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれる。

2015年に国連加盟国によって採択された2030アジェンダに基づく国際目標で、17の目標と169のターゲットから構成されている。

貧困や飢餓の解消、健康と福祉、質の高い教育、ジェンダー平等、気候変動対策、平和と公正など、幅広い問題が対象だ。

BTSの発言とSDGsの17目標はどうつながる?

2021年のスピーチは、17の目標を一つずつ説明する政策演説ではなかった。

その代わり、若者が直面している現実を通して、SDGsの根底にある「誰一人取り残さない」という考え方を伝えた。

特に関係が深いテーマは次のとおりだ。

目標3:すべての人に健康と福祉を

新型コロナウイルスの感染拡大やワクチン接種についての発言は、健康と公衆衛生の重要性に関係する。

目標4:質の高い教育をみんなに

学校生活や入学式、卒業式などの機会が失われた経験は、教育と学習機会の重要性を示している。

目標10:人や国の不平等をなくそう

若者の声が社会の意思決定に十分反映されない問題や、パンデミックによる機会格差とつながる。

目標13:気候変動に具体的な対策を

j-hopeとRMが触れた気候変動や、環境問題を学ぶ若者の存在は、この目標に関係する。

目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

韓国政府、国連、BTS、世界の若者がそれぞれの立場から協力する構図そのものが、国際的な連携の重要性を示している。

BTSが特使として果たした役割

BTSが担ったのは、国連の政策を決めたり、各国政府に直接指示したりすることではない。

大統領特使として、世界的な知名度と音楽を通じた発信力を活用し、若い世代の声を国際的な議論に届けることだった。

国際政治の専門用語や政策文書だけでは、若い世代に届きにくいテーマもある。

しかし、日常的に音楽を聴き、映像を楽しむ人々にとって、BTSのメッセージはSDGsを自分に関係する問題として考えるきっかけになり得る。

この点に、文化外交の大きな意味がある。

一方、演説や楽曲の公開だけでSDGsの課題が解決するわけではない。貧困対策、教育環境の改善、気候変動対策などには、政府や企業、市民社会による具体的な政策と継続的な行動が必要だ。

BTSの役割は、そうした取り組みへの関心と参加を促すことにあった。

2026年から振り返る「ウェルカム・ジェネレーション」

2026年10月現在、2030年のSDGs達成期限まで残り4年となった。

2021年の演説が行われた当時と比べ、世界の若者を取り巻く課題は、感染症だけでなく、気候変動、教育格差、経済的不安、デジタル環境の変化などへと広がっている。

そうした状況で改めて注目したいのは、BTSが若者を一方的に励ますだけでなく、若者自身の行動を認めようとしたことだ。

「大人が見ている道」と「若者が実際に歩いている道」は、必ずしも一致しない。

新しい学習方法や働き方、オンラインでの人間関係など、社会の変化に応じた選択は、以前の世代の価値観では理解しにくい場合もある。

それでも、変化を受け入れながら前進する姿を評価することが、次の世代を支えることにつながる。

BTSの演説が2026年にも読み返される理由は、この世代間の相互理解というテーマが、時間が経過しても色あせていないからだ。

【プロの結論】BTSの国連演説が残した本当の価値

BTSの2021年国連スピーチは、単なる有名アーティストの国際舞台への出演ではなかった。

特使という公的な立場を通じて、若者の声を世界の政策議論が行われる場所に届けた文化外交の事例だった。

特に評価すべきポイントは3つある。

第一に、若者を支援されるだけの存在として扱わなかったこと。

若者は社会の変化に翻弄されるだけではない。新しい方法を考え、学び、行動する主体でもある。BTSはその姿を国連の場で紹介した。

第二に、社会問題を身近な経験に結び付けたこと。

気候変動や教育格差、健康問題という大きなテーマを、学校行事の中止や友人との交流、日常生活の変化という具体的な経験に結び付けた。

第三に、音楽と外交の接点を示したこと。

演説の後に「Permission to Dance」を披露したことで、SDGsという国際的な目標を、言葉だけでなく音楽や映像を通じても伝えた。

ただし、BTSの演説を評価するときには、メッセージの影響力と政策上の成果を混同しないことも大切だ。

特使としての発信は、国際社会の関心を集め、若者が参加するきっかけをつくる活動である。具体的なSDGsの達成には、その後の社会全体の行動が欠かせない。

その意味で、BTSの国連スピーチは、問題の解決を宣言した演説ではなく、未来を担う人々が一緒に考え、行動を始めるための呼びかけだった。

【BTSの国連スピーチ2021】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:BTSが国連でスピーチしたのはいつですか?

A1:2021年9月20日です。第76回国連総会のハイレベルウィークに開催された第2回SDGモーメントに参加し、7人全員が演説しました。

Q2:BTSの国連スピーチ2021の内容を日本語で簡単に説明すると?

A2:新型コロナウイルスによって多くの機会を失った若者を、失われた世代と決めつけるべきではないというメッセージです。変化を受け入れ、新しい方法で挑戦を続ける若者を「ウェルカム・ジェネレーション」と呼び、未来への希望を伝えました。

Q3:2021年の国連スピーチはRMだけが話したのですか?

A3:いいえ。RMだけではなく、Jin、SUGA、j-hope、Jimin、V、Jungkookを含む7人全員が韓国語で発言しました。RMは冒頭と終盤を担当しています。

Q4:BTSはなぜ国連に参加できたのですか?

A4:2021年7月21日に韓国の文在寅大統領から「未来世代と文化のための大統領特使」に任命されたためです。若者への希望の発信や、環境、貧困、不平等、多様性などの国際課題への参加が期待されていました。

Q5:「Permission to Dance」は国連で生歌を披露したのですか?

A5:国連で公開されたものは、国連本部の内外で撮影された特別映像です。通常の音楽番組のような生のステージではありません。手話の表現やダンスを通じて、幸せや平和などのメッセージを伝えました。

Q6:BTSの国連スピーチの動画はどこで見られますか?

A6:国連公式YouTubeチャンネルに公開された「Permission to Dance」の映像や、国連Web TVのSDGモーメント公式記録で確認できます。演説とパフォーマンスを続けて見ると、イベント全体の意図が理解しやすくなります。

Q7:BTSが国連で演説したのは2021年が初めてですか?

A7:いいえ。2018年にはRMがUNICEF関連イベントで演説し、2020年にはメンバー全員が国連総会関連のオンラインイベントでメッセージを発信しています。2021年は7人全員が現地で参加した重要な機会でした。

まとめ:BTSの国連スピーチ2021は未来への希望を伝えた演説

BTSの国連スピーチ2021は、2021年9月20日のSDGモーメントで行われた、若者と未来世代に向けたメッセージだった。

「ロスト・ジェネレーション」という呼び方に疑問を投げかけ、「ウェルカム・ジェネレーション」という新しい考え方を提示したことが、演説の最大の特徴だ。

RMをはじめとする7人がそれぞれの視点から、コロナ禍の経験、若者の挑戦、気候変動、未来への希望を語った。

また、国連本部で撮影された「Permission to Dance」の映像は、言葉だけでは伝えきれない喜びや連帯感を音楽で表現した。

2026年から振り返っても、この演説の価値は変わらない。

未来は大人だけが決めるものではなく、若者自身が参加し、選択し、つくっていくものだ。BTSが国連で伝えた「ウェルカム・ジェネレーション」という言葉は、2030年に向けてSDGsに取り組む世界にとっても、考え続ける価値のあるメッセージである。


主な情報源・参照記録

- 国連「SDG Moment 2021」公式記録
- 国連Web TV「Opening Segment - SDG Moment 2021 (Part 1)」
- 国連パートナーシップ事務局「BTS - Permission to Dance performed at the United Nations General Assembly」
- 韓国政府広報「Korea.net」
- 韓国聯合ニュース(2021年7月21日、9月14日、9月20日付)
- 国連「2030 Agenda for Sustainable Development」 (出典: bts 国連スピーチ 2021(Yahoo!ニュース))