【大会の正体】高校サッカー裏選手権とは何か?正式名称と位置づけ
裏選手権とは、全国高校サッカー選手権大会の出場を逃した強豪校などが集まり、新チームで優勝を争う新春の高校サッカー大会です。
正式名称は「新春高校サッカー強化研修大会 ニューバランスカップ in 時之栖」。スポーツ用品ブランドのニューバランスが特別協賛し、静岡県の時之栖スポーツセンターを中心に開催されています。
2016年大会からニューバランスカップという名称になり、それ以前は開催地にちなんだ「時之栖カップ」と呼ばれていました。
なぜ「裏選手権」と呼ばれるのか
理由は開催時期と参加校の特徴にあります。
全国高校サッカー選手権が年末から年始にかけて開催される一方、ニューバランスカップも同じ時期に行われます。
全国選手権の都道府県予選で敗退した強豪校が多く参加することから、サッカーファンの間で「裏選手権」という通称が定着しました。
ただし、全国高校サッカー選手権の公式な別大会ではありません。日本サッカー協会が主催する全国大会とも異なる、独立した高校サッカーの強化研修大会です。
高校サッカーにおける裏選手権の役割
高校サッカーでは、3年生が全国高校サッカー選手権や各種公式大会を区切りに引退し、1・2年生を中心とした新チームへ移行します。
そのため、前年の実績が高い学校でも、選手の入れ替わりによってチームの実力や戦術は大きく変わります。
裏選手権は、こうした新チームが全国レベルの相手と対戦し、現在の実力を測るための機会です。
単に優勝を競うだけではなく、春から始まるリーグ戦や新人戦、インターハイ予選、次の全国高校サッカー選手権に向けた準備の意味も持っています。
【徹底比較】裏選手権と全国高校サッカー選手権の違い
両大会は同じ高校サッカーの舞台でありながら、開催目的や出場校の決まり方、競技上の位置づけが異なります。
大きな違いは、全国高校サッカー選手権が都道府県予選を勝ち抜いた代表校による公式全国大会であるのに対し、裏選手権は新チームの強化を目的とした招待型の大会であることです。
2つの大会の比較表
全国高校サッカー選手権の2026年度大会は第105回大会です。日本サッカー協会の大会情報によると、2026年12月28日に開幕し、2027年1月11日に決勝を実施する予定です。
出場は46道府県の代表各1チームと東京都の代表2チームで、合計48チーム。ノックアウト方式で優勝を争います。
両大会に参加する学校は重なるのか
裏選手権には、過去に全国高校サッカー選手権で優勝した実績を持つ学校も参加します。
例えば、静岡学園、帝京、市立船橋、流通経済大柏、藤枝東などは、全国大会での実績を持つ伝統校です。
ただし、過去の全国大会優勝校だからといって、必ず裏選手権でも上位になるわけではありません。
高校サッカーは毎年選手が入れ替わるため、新チームの戦力や成熟度によって結果が変わります。そこに、この大会ならではの面白さがあります。
大会に関係する主要エンティティと役割
| 関係する名称 | 大会との関係 |
|---|---|
| ニューバランスジャパン | 特別協賛企業 |
| 時之栖スポーツセンター | 主な開催施設 |
| 新春高校サッカー強化研修大会 | 大会の正式な位置づけ |
| 全国高校サッカー選手権 | 開催時期が重なる比較対象 |
| 全国の強豪高校 | 参加するチーム |
| 日本サッカー協会(JFA) | 全国選手権を統括する団体 |
この関係を理解すると、裏選手権が「全国大会の代替」ではなく、全国大会とは別の目的を持つ強化大会であることが分かります。
【開催理由と歴史】時之栖カップからニューバランスカップへ
裏選手権の歴史をたどると、現在のような大規模な強豪校の大会になるまでには、開催施設と高校サッカー関係者の取り組みがありました。
大会の始まりは選手権予選敗退校への声かけ
2016年のスポルティーバによる時之栖スポーツセンターの取材記事では、大会創設の経緯が紹介されています。
大会の出発点は、全国高校サッカー選手権の都道府県予選で敗退した高校に、正月もサッカーを続ける機会を提供しようという発想でした。
時之栖スポーツセンターの運営に携わってきた阿山恭弘氏が紹介したところによると、合宿で施設を利用していた高校への感謝も、開催の背景にありました。
当初は、選手権に出場できなかった学校に対して、正月に時之栖で試合をしないかと声をかける形で参加校を募っていたといいます。
スタート時の参加校は、わずか6チームでした。
その後、12チーム、16チームと規模が拡大し、2016年には48校が参加する大会へと発展しています。
2016年にニューバランスカップへ改称
大会の大きな転換点となったのが2016年です。
この年からニューバランスジャパンが特別協賛に加わり、従来の時之栖カップからニューバランスカップへと名称が変わりました。
2016年大会は第20回の開催で、全国48校が参加。決勝では流通経済大柏が静岡学園を3対0で破り、優勝しています。
その後も全国の強豪校が集う大会として認知され、年始の高校サッカーを語るうえで欠かせない存在になりました。
歴代優勝校と大会結果
これまでの大会では、全国大会で実績を持つ学校が数多く優勝しています。
開催年ごとの主な優勝校を整理すると、次のようになります。
| 開催年 | 優勝校 |
|---|---|
| 2016年 | 流通経済大柏 |
| 2017年 | 西武台 |
| 2018年 | 浜松開誠館 |
| 2019年 | 静岡学園 |
| 2020年 | 滝川第二 |
| 2021年 | 静岡学園 |
| 2022年 | 帝京・昌平(両校優勝) |
| 2023年 | 流通経済大柏 |
| 2024年 | 山梨学院 |
| 2025年 | 鹿島学園 |
| 2026年 | 武南 |
※開催年は1月の大会が行われた暦年で整理しています。
特に注目したいのは、静岡学園や流通経済大柏の複数回の優勝です。強豪校が新チームでも競争力を維持していることがうかがえます。
2022年大会は雪の影響もあり、帝京と昌平の両校優勝という結果になりました。
また、2025年大会は鹿島学園が優勝。鹿島学園はその後、2025年度の全国高校サッカー選手権でもベスト8に進出しました。
こうした結果からも、裏選手権が新シーズンの戦力を見極める場として注目される理由が分かります。
【参加資格・大会方式】出場校の選び方と試合の仕組み
裏選手権は、全国高校サッカー選手権のように各都道府県から代表校を1校ずつ選ぶ方式ではありません。
主催者側が参加チームを選定し、全国各地の強豪校を集めて大会を構成します。
出場資格は全国大会の実績などが基準
日刊スポーツの2026年1月3日の報道では、参加基準について、過去3年間に全国大会への出場経験があることなどが挙げられています。
ここでいう全国大会の実績は、参加校の競技力を判断する材料の一つです。
ただし、全国大会に出場した経験だけで自動的に参加が決まるわけではありません。大会への参加は主催者による選定が前提となります。
また、参加資格を満たしていても、全国選手権に出場できなかった学校が必ず参加するわけではありません。
2026年の出場校は全国36校
2026年大会には、北海道から九州まで36校が参加しました。
出場校は次のとおりです。
北海道・東北
- 札幌大谷
- 大谷室蘭
- 盛岡商業
- 学法石川
北信越
- 日本文理
- 新潟明訓
- 丸岡
関東
- 桐生第一
- 共愛学園
- 西武台
- 武南
- 市立船橋
- 専大松戸
- 中央学院
- 関東第一
- 国士舘
- 駒澤大高
- 大成
- 帝京
- 桐光学園
- 東海大相模
- 横浜創英
東海
- 静岡学園
- 藤枝東
- 愛工大名電
- 名古屋
- 津工業
- 四日市中央工業
関西
- 東山
- 金光大阪
- 東海大大阪仰星
- 滝川第二
中国
- 作陽
- 立正大淞南
九州
- 飯塚
- 宮崎日大
36校の中には、全国高校サッカー選手権の優勝経験を持つ学校や、各地域のリーグ戦で上位を争う学校が含まれています。
特に静岡学園、帝京、市立船橋、藤枝東、武南、西武台などは、2026年大会でも注目を集めた学校です。
予選リーグから決勝トーナメントへ
2026年大会では、36校を4校ずつ9グループに分け、予選リーグを実施しました。
大会の基本的な流れは次のとおりです。
1月3日・4日:予選リーグ
4校1組の総当たり戦で各チームが対戦。
決勝トーナメント進出校の決定
各グループ1位の9校と、各グループ2位のうち成績上位7校、合計16校が進出。
1月5日:決勝トーナメント
1回戦と準々決勝を実施。
1月6日:大会最終日
準決勝、3位決定戦、決勝を実施。
予選リーグで敗退したチームも、フレンドリーマッチなどを通じて実戦経験を積める仕組みがあります。
勝ち上がることだけが目的ではなく、参加した各チームが試合数を確保し、新チームの課題を見つけることも大切にされています。
開催時期と会場は静岡県の時之栖
2026年大会の開催期間は、1月3日(土)から1月6日(火)までの4日間でした。
会場は静岡県裾野市・御殿場市にまたがる時之栖スポーツセンターです。
主な会場として、裾野グラウンドやうさぎ島グラウンドなどが使用されました。
時之栖はサッカーグラウンドだけでなく、宿泊施設も備えたスポーツ施設です。全国各地から高校が集まり、複数の試合を短期間で行う強化大会に適した環境が整っています。
大会の運営面でも、複数会場を活用することで、予選リーグから順位決定戦までのスケジュールを組みやすくなっています。
【2026年最新結果】優勝は武南!注目選手と決勝の展開
2026年1月6日に行われたニューバランスカップの決勝では、埼玉県の武南高校が静岡県の藤枝東高校を4対1で破り、優勝しました。
2026年大会の最終順位
| 順位 | 高校 |
|---|---|
| 優勝 | 武南(埼玉) |
| 準優勝 | 藤枝東(静岡) |
| 3位 | 帝京(東京) |
| 4位 | 西武台(埼玉) |
決勝は藤枝東が先制する展開でした。
前半34分、MF山田樹がゴールを決め、藤枝東が1点リードで折り返します。
しかし、後半に入ると武南の攻撃が加速。後半だけで4得点を挙げ、4対1の逆転勝利を収めました。
同大会を主催する時之栖スポーツセンターも、1月6日に全日程の終了と武南の優勝を公式サイトで発表しています。
注目選手は大会MVPの小山一絆
小山一絆(武南高校)
MF・2年生・主将
2026年大会で優勝に大きく貢献し、大会終了後にMVPへ選出されました。チームを率いる主将としても注目された選手です。
ゲキサカの大会レポートでは、小山はボランチとして攻守に関わり、前線へのパスやボールキープなどでチームを支えたと紹介されています。
決勝の得点面では、武南のFW岩澤柾吾も注目選手です。後半に2得点を記録し、逆転優勝を大きく引き寄せました。
一方、藤枝東では先制点を挙げたMF山田樹が印象的な活躍を見せています。
武南の優勝が示した新チームの可能性
武南の内野慎一郎監督は、大会後の高校サッカードットコムの取材で、チームづくりについて次のように語っています。
「我慢して一年間トレーニングを続けてきました。その成果が少しずつ形になってきているので、ここからもっと良くなっていくと思います」
さらに、今シーズンの目標として全国高校サッカー選手権での勝利を掲げ、武南らしいサッカーを追求する考えも明かしました。
ここで重要なのは、裏選手権の優勝がシーズンのゴールではないことです。
武南にとって今回のタイトルは、次の公式戦へ向かうためのスタート地点でした。新チームの完成度を高めるという大会本来の目的が、優勝監督の言葉にも表れています。
【評判と実態】裏選手権は本当にレベルが高いのか?
裏選手権が高校サッカーファンから注目される理由は、出場校の顔ぶれと大会の開催時期だけではありません。
新チームが始動して間もない時期に、全国各地の強豪校同士が直接対戦するため、各チームの現状を比較しやすいという特徴があります。
全国大会経験校が集まる高い競技水準
2017年大会を紹介したSPAIAの記事では、流通経済大柏、帝京、静岡学園、藤枝東、盛岡商業など、全国高校サッカー選手権で優勝経験を持つ学校が参加していたことが紹介されています。
こうした学校は、各地域の予選で敗退したからといって、必ずしも競技力が低いわけではありません。
むしろ、全国大会に出場する学校と同等の実力を持つチームが参加するケースもあり、試合のレベルは高くなります。
2026年大会でも、帝京、静岡学園、藤枝東、武南、西武台などが上位争いに加わりました。
優勝校はその年の全国大会でも強いのか
裏選手権には、新シーズンの高校サッカーを占う大会という側面があります。
過去には、優勝した学校がその年のインターハイや全国高校サッカー選手権で好成績を収めた例もあります。
例えば、2025年の優勝校・鹿島学園は、同年度の全国高校サッカー選手権でベスト8に進出しました。
一方で、裏選手権の優勝が全国大会での好成績を保証するわけではありません。
高校サッカーでは、春から夏にかけて選手の成長や負傷、ポジション争い、戦術変更などによってチーム状況が変化します。
1月の大会結果だけで、その後のシーズンを予測するのは難しいのです。
観戦するなら注目したい3つのポイント
裏選手権を観戦する際は、優勝校や得点者だけでなく、次の3点にも注目すると大会をより楽しめます。
1. 新チームの主力選手
2年生の主将や中心選手だけでなく、1年生がどのポジションで起用されているかも重要です。翌年度のチーム編成を考えるうえで参考になります。
2. 強豪校の戦術変更
前年までのチームカラーを維持する学校もあれば、新しい選手構成に合わせて戦い方を変える学校もあります。攻守の切り替えやビルドアップの特徴を見ると、チームの方向性が分かります。
3. 試合ごとの選手起用
短期間に複数の試合を行うため、主力選手の起用方法や交代のタイミングも見どころです。選手層の厚さや控え選手の成長を確認できます。
裏選手権の情報を見るときの判断基準
大会の評判や結果を調べる場合、次のように情報を区別すると誤解を防げます。
- 大会の正式名称、開催日、会場:時之栖スポーツセンターの公式発表を確認する。
- 優勝校、順位、試合結果:大会結果や高校サッカー専門メディアを確認する。
- 注目選手:大会MVPや実際の試合レポートを参考にする。
- 全国大会との関係:日本サッカー協会の公式大会情報と照らし合わせる。
特に注意したいのは、「裏選手権で優勝したから全国選手権でも優勝できる」「裏選手権の優勝校には翌年の全国大会出場権が与えられる」といった誤解です。
この大会は、公式全国大会への出場権を決める予選ではありません。
そのため、競技結果と公式大会の出場資格は分けて考える必要があります。
2027年の開催予定と今後の動向
2026年10月31日時点では、2026年大会はすでに終了しています。
次回大会については、2027年1月の大会として高校サッカー関連の年間大会カレンダーに掲載されています。ただし、具体的な開催日や参加校などは、今後の主催者による正式発表が基準となります。
今後も注目したいのは、出場校の顔ぶれだけではなく、新チームの競争力をどこまで高められるかという点です。
【よくある質問】高校サッカーの裏選手権に関するFAQ
Q1:高校サッカーの裏選手権とは何ですか?
A1:正式にはニューバランスカップ in 時之栖と呼ばれる新春高校サッカー強化研修大会です。全国高校サッカー選手権と同じ時期に開催され、全国の強豪校が新チームで競い合います。
Q2:裏選手権は全国高校サッカー選手権の敗者復活戦ですか?
A2:いいえ。選手権の敗者復活戦ではありません。全国選手権の出場権を獲得できなかった強豪校などが参加する、独立した強化大会です。
Q3:2026年の裏選手権で優勝した高校はどこですか?
A3:埼玉県の武南高校です。2026年1月6日の決勝で藤枝東高校を4対1で破り、優勝しました。
Q4:2026年の裏選手権には何校が出場しましたか?
A4:全国36校です。静岡学園、市立船橋、帝京、藤枝東、西武台、武南などの強豪校が参加しました。
Q5:裏選手権の出場資格は何ですか?
A5:過去3年間の全国大会出場経験などが参加基準として報じられています。都道府県代表を決める方式ではなく、主催者が参加校を選定します。
Q6:裏選手権は毎年いつ、どこで開催されますか?
A6:例年1月上旬に静岡県の時之栖スポーツセンターで開催されます。2026年大会は1月3日から6日まで行われました。
Q7:裏選手権で優勝すると全国高校サッカー選手権に出場できますか?
A7:いいえ。裏選手権の優勝によって全国高校サッカー選手権の出場権が得られる仕組みはありません。両大会は別々の大会です。
まとめ:裏選手権は新シーズンの高校サッカーを占う重要な大会
高校サッカー裏選手権は、全国高校サッカー選手権の出場を逃した強豪校などが、新チームで実力を競い合う新春の強化大会です。
正式名称はニューバランスカップ in 時之栖。時之栖カップとして始まり、2016年に現在の大会名へと改称されました。
2026年大会には全国36校が参加し、武南高校が藤枝東高校を4対1で破って優勝。大会MVPには武南のMF小山一絆が選ばれました。
特に押さえておきたいのは、裏選手権が全国高校サッカー選手権の代替大会ではないという点です。公式全国大会とは異なる目的を持ち、次のシーズンに向けたチーム強化と選手育成を担っています。
【プロの結論】
裏選手権の本当の価値は、1月時点の優勝校を決めることだけではありません。3年生が引退した直後のチームが、全国レベルの相手と競い合い、戦術や選手起用の課題を見つけることにあります。
大会結果を見るときは、優勝校だけでなく、MVPや1・2年生の活躍、試合内容にも注目してください。
2026年の武南のように、新チームの段階で結果を残した学校が、その後どのような成長を遂げるのか。そこに裏選手権を追いかける最大の面白さがあります。
2027年大会でも、新たな主役となる高校や選手の登場に期待が集まります。 (出典: 高校 サッカー 裏 選手権(Yahoo!ニュース))