【1】ニック・デ・フリースの現在は?2026年はマヒンドラとトヨタで活躍
2026年10月31日時点のニック・デ・フリースは、マヒンドラ・レーシングのフォーミュラEドライバーであり、トヨタ・レーシングのWECハイパーカードライバーでもある。単一カテゴリーに活動を絞らず、電動フォーミュラと長距離耐久レースという異なる競技で実績を積み重ねている。
フォーミュラEでは2025/26年シーズンに2勝を挙げ、ドライバーズランキング7位、115ポイントを獲得した。チームもランキング3位となり、マヒンドラにとって存在感を取り戻すシーズンとなった。
さらに、2026年6月13~14日に開催された第94回ル・マン24時間レースでは、トヨタの7号車をドライブ。マイク・コンウェイ、カムイ・コバヤシとの3人体制で総合優勝を果たした。デ・フリースにとって初のル・マン総合優勝であり、トヨタにとっても2022年以来となる通算6度目の制覇だった。
そして9月29日、マヒンドラは2026/27年のフォーミュラEドライバーとして、デ・フリースとエドアルド・モルタラの続投を正式発表した。次世代マシンGEN4が導入される新時代でも、チームの中心選手として戦うことになる。
【2】年齢・出身地・プロフィール|ニック・デ・フリースの経歴
ニック・デ・フリースは1995年2月6日生まれ。2026年10月31日時点で31歳のオランダ人レーシングドライバーだ。
出身地はオランダ北部フリースラント州のウィットウェリンガ(Uitwellingerga)。幼少期からカート競技に取り組み、早い段階で国際的な実績を残した。
デ・フリースのキャリアを理解するうえで重要なのは、F1デビュー以前から複数のカテゴリーでチャンピオンを獲得していた点だ。F1での活動期間は短かったものの、下位カテゴリーやフォーミュラEでは世界タイトルを獲得している。
基本プロフィール
- 名前:ニック・デ・フリース(Nyck de Vries)
- 生年月日:1995年2月6日
- 年齢:31歳(2026年10月31日時点)
- 出身地:オランダ・フリースラント州ウィットウェリンガ
- 国籍:オランダ
- 主な参戦カテゴリー:フォーミュラE、FIA世界耐久選手権(WEC)
- フォーミュラE所属:マヒンドラ・レーシング
- WEC所属:トヨタ・レーシング
- カーナンバー:21(フォーミュラE)
特に注目したいのが、カート時代から続くタイトル獲得歴だ。2010年と2011年には世界カート選手権で連続優勝。2014年にはフォーミュラ・ルノー2.0のユーロカップとアルプスシリーズでチャンピオンに輝いた。
その後、GP3を経てFIA F2へ進み、2019年にシリーズチャンピオンを獲得。若手ドライバーとしての実力を証明し、国際的なトップカテゴリーへの道を切り開いた。
【3】歴代レース成績とキャリア年表|F2・フォーミュラE・F1の実績
デ・フリースのキャリアは、ジュニアカテゴリーでのタイトル獲得、電動フォーミュラでの世界王者、F1参戦、そして耐久レースへの本格進出という流れで整理できる。
以下は、主要なカテゴリーと所属チーム、代表的な実績をまとめた年表だ。
| 時期 | カテゴリー・チーム | 主な成績・実績 |
|---|---|---|
| 2010~2011年 | カート | 世界カート選手権2年連続優勝 |
| 2014年 | フォーミュラ・ルノー2.0 | ユーロカップ、アルプスシリーズ王者 |
| 2016年 | GP3 | ランキング6位、2勝 |
| 2017~2019年 | FIA F2 | 2019年シリーズチャンピオン |
| 2019~2022年 | メルセデスEQ・フォーミュラE | 2020/21年ドライバーズ世界王者 |
| 2022年 | ウィリアムズ・F1 | イタリアGPで9位、2ポイント獲得 |
| 2023年 | アルファタウリ・F1 | 10戦に出場、シーズン途中で交代 |
| 2023/24年~ | マヒンドラ・フォーミュラE | フォーミュラEに復帰 |
| 2024年~ | トヨタ・WEC | 2024年イモラ6時間レース優勝 |
| 2025/26年 | マヒンドラ・フォーミュラE | 2勝、ランキング7位、115ポイント |
| 2026年6月 | トヨタ・ル・マン24時間レース | 7号車で総合優勝 |
| 2026/27年 | マヒンドラ・GEN4 | 継続参戦が正式決定 |
この年表から見えてくるのは、デ・フリースがF1だけをキャリアの評価基準にしていないということだ。
2019年のF2タイトルと2020/21年のフォーミュラEタイトルは、どちらも異なるマシン特性や競技環境への適応力を示す実績である。さらにWECでは、複数ドライバーによる交代制のレースで安定した走行とチームワークが求められる。
F1から離れた後も競技者としての価値を維持し、別の舞台で結果を出している点が、彼のキャリアの大きな特徴だ。
【4】ニック・デ・フリースのF1成績と離脱理由|ウィリアムズからアルファタウリへ
デ・フリースがF1ファンに強い印象を残したのは、2022年のイタリアGPだった。
当時、ウィリアムズのレギュラードライバーだったアレックス・アルボンが体調不良で欠場。代役として急きょ起用されたのがデ・フリースだった。
ウィリアムズでの代役デビューが転機に
2022年9月のモンツァで、デ・フリースは初めてF1の決勝レースに出場した。限られた準備時間のなかで着実に走り切り、最終的に9位でフィニッシュして2ポイントを獲得した。
初出場でポイントを獲得したことは、チーム関係者やF1関係者からの評価につながった。この結果が翌2023年のアルファタウリ加入を後押しした大きな要因となった。
アルファタウリでは10戦でシートを失う
2023年、デ・フリースはスクーデリア・アルファタウリの正規ドライバーとしてF1に参戦した。チームメートは角田裕毅。長年のジュニアカテゴリーでの経験とフォーミュラE王者という実績を持ち、F1での本格的な活躍が期待されていた。
しかし、シーズン序盤から苦戦が続いた。マシンの競争力が十分ではなかったことに加え、チームメートの角田との比較でも期待されたペースを示せず、ポイント獲得には至らなかった。
2023年7月11日、レッドブル陣営はデ・フリースに代わってダニエル・リカルドを起用すると発表。イギリスGPまでの10戦でF1レギュラーシートを失うことになった。
当時のレッドブル関係者の説明や報道では、主な理由として次の点が挙げられている。
- 開幕から10戦でポイントを獲得できなかったこと。
- 角田裕毅とのペース差を十分に縮められなかったこと。
- チームが期待した成長や改善が見られなかったこと。
- シーズン後半に向けてドライバー交代を判断する必要があったこと。
ただし、アルファタウリのマシン自体も競争力に苦しんでいた。したがって、デ・フリースのF1離脱を個人の能力だけに帰するのは適切ではない。チームの開発状況やドライバーに求められた即時の結果も背景にあった。
F1通算成績は11戦出場・2ポイント
デ・フリースのF1通算成績は、ウィリアムズで1戦、アルファタウリで10戦。合計11戦に出場し、獲得ポイントは2ポイントとなっている。
優勝や表彰台はないが、デビュー戦でポイントを獲得した実績は残った。F1でのキャリアは短かったものの、トップカテゴリーの実戦経験は、その後の耐久レースやフォーミュラEで生かされている。
【5】フォーミュラE世界チャンピオンからマヒンドラへ|2026年の成績
デ・フリースの実力を語るうえで、F1以上に重要なカテゴリーがフォーミュラEだ。
彼はメルセデスEQから参戦した2020/21年シーズンにドライバーズタイトルを獲得。フォーミュラEがFIA公認の世界選手権となってから初めてのドライバーズ世界王者となった。
メルセデスEQで世界王者に
2020/21年シーズンは、開幕戦ディルイーヤで優勝。その後もバレンシアで勝利し、シーズン後半にはランキング上位を争った。
最終的にはチームメートだったストフェル・バンドーンらとの競争を制し、ランキング首位でシーズンを終えた。2位との差は7ポイントだった。
翌2021/22年シーズンもメルセデスEQに残留し、ベルリンなどで勝利を記録したが、年間ランキングは9位。チャンピオン連覇はならなかった。
2023/24年にマヒンドラから復帰
F1離脱後、デ・フリースは2023/24年シーズンからマヒンドラ・レーシングのドライバーとしてフォーミュラEに復帰した。
GEN3世代への適応には時間を要したが、徐々に競争力を取り戻し、2024/25年シーズンにはモナコで2位を獲得するなど復調の兆しを見せた。
そして2025/26年シーズンは、マヒンドラにとって大きな転換点となった。
2025/26年はモナコと東京で2勝
2026年のモナコE-Prixでは、ピットブーストとアタックモードを効果的に活用して優勝。マヒンドラにGEN3時代初の勝利をもたらした。
続く東京E-Prixでも勝利を挙げ、シーズン中に2勝を記録。チームの競争力回復を象徴する結果となった。
FIAフォーミュラEの公式ドライバー成績によると、2025/26年シーズンのデ・フリースの成績は次のとおりだ。
- ドライバーズランキング:7位
- 獲得ポイント:115ポイント
- 優勝:2回
- 表彰台:4回
- ポールポジション:1回
- トップ10フィニッシュ:9回
マヒンドラもチームランキング3位、252ポイントを獲得した。シーズン全体では2勝、7回の表彰台、5回のポールポジションを記録している。
この成績は、デ・フリースが単に過去の世界王者という肩書を持つだけではなく、現在進行形で勝利を狙えるドライバーであることを示している。
【6】トヨタWECと2026年ル・マン24時間レース総合優勝|GEN4時代の展望
デ・フリースの2026年を象徴するもう一つの出来事が、トヨタ・レーシングでのル・マン24時間レース制覇だ。
2024年からトヨタのハイパーカードライバーに
デ・フリースは2024年からトヨタのWECハイパーカープログラムに本格参戦した。
WECは、世界各地のサーキットで長時間のレースを戦う耐久選手権だ。F1やフォーミュラEとは異なり、1台のマシンを複数のドライバーで共有する。レース中にはドライバー交代、タイヤ管理、燃料戦略、マシンの信頼性など、多くの要素が勝敗を左右する。
2024年にはイモラ6時間レースで勝利し、ル・マン24時間レースでも2位を獲得。トヨタのハイパーカーチームにおいて重要な役割を担ってきた。
2025年にはバーレーン8時間レースでも優勝。長距離レースでの経験を着実に積み重ねた。
2026年6月、トヨタ7号車でル・マン総合優勝
2026年6月14日、フランスのサルト・サーキットで開催された第94回ル・マン24時間レースで、デ・フリースはマイク・コンウェイ、カムイ・コバヤシとともにトヨタの7号車を担当した。
3人は24時間にわたる激しい競争を戦い抜き、381周を走破。2位のBMW20号車に対して10.913秒差をつけて総合優勝を達成した。
同じトヨタの8号車も3位に入り、トヨタはダブル表彰台を実現。日本メーカーにとっても大きな成果となった。
この優勝はデ・フリースにとって初めてのル・マン総合優勝だ。2024年の2位から2年後に頂点へ到達したことになる。
F1ではシートを失ったものの、フォーミュラEの世界王者としての経験と、WECでの耐久レース能力を組み合わせ、世界的なモータースポーツの舞台で新たな実績を築いた。
2026/27年GEN4シーズンもマヒンドラ残留が決定
フォーミュラEでは、2026/27年シーズンから新世代のGEN4マシンが導入される。
GEN4はシリーズの次の技術世代を担うマシンであり、性能や技術面で新たな競争環境が生まれる。各チームにとっては、ドライバーの経験だけでなく、新しい車両への適応力も重要になる。
2026年9月29日、フォーミュラE公式発表とマヒンドラの発表によって、デ・フリースとエドアルド・モルタラの2026/27年シーズン続投が明らかになった。
マヒンドラが2人を残した背景には、2025/26年シーズンの成績がある。チームランキング3位まで浮上し、2勝を記録するなど、長期的な競争力回復を実現した。
2026年10月31日時点ではGEN4時代の本戦はまだ始まっていない。公式情報ではプレシーズンテストは11月16日から予定されている。
つまり、2026/27年の継続参戦は確定している一方、GEN4での実際の競争力はこれから明らかになる段階だ。2025/26年の好調を新世代マシンでも維持できるかが、デ・フリースの次の課題となる。
【7】プロの結論|ニック・デ・フリースはF1離脱後に評価を取り戻したのか
デ・フリースのキャリアを評価する際、F1の出場数や獲得ポイントだけを見ると、成功したドライバーとは判断しにくいかもしれない。しかし、F2、フォーミュラE、WECを含めて評価すると、まったく異なる姿が見えてくる。
彼は2019年にF2王者となり、2020/21年にはフォーミュラEの世界王者となった。さらに2026年にはル・マン24時間レースの総合優勝を獲得している。
この実績から読み取れるのは、F1での成功とレーシングドライバーとしての能力は必ずしも同じではないということだ。
F1は少数のシートをめぐって争う極めて競争の激しいカテゴリーであり、マシンの競争力、チーム内での比較、シーズン中の成績などがドライバーの評価を大きく左右する。
一方、フォーミュラEではエネルギーマネジメントやレース戦略、WECでは耐久性や複数ドライバーとの連携が重要となる。デ・フリースは、こうした異なる競技環境で自分の強みを発揮してきた。
デ・フリースの現在を評価する際のポイントは3つある。
- 世界選手権での実績:F2とフォーミュラEの両方でタイトルを獲得している。
- 異なるカテゴリーへの適応力:電動フォーミュラとWECハイパーカーの両方で優勝している。
- 将来性:マヒンドラからGEN4時代も参戦することが決まっており、現役のトップカテゴリーで挑戦を続ける。
F1でのキャリアが短かったことは事実だ。しかし、2026年のル・マン制覇とフォーミュラEでの2勝は、その後のキャリアを語るうえで欠かせない成果となった。
ニック・デ・フリースは、F1から離れたことで競技者としての価値を失ったわけではない。むしろ、自身の能力を発揮できる複数の舞台を確立し、世界選手権レベルで結果を残し続けているドライバーだ。
【ニック・デ・フリースの現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ニック・デ・フリースは2026年現在、何をしている?
A1:マヒンドラ・レーシングからフォーミュラEに参戦し、トヨタ・レーシングのWECハイパーカードライバーとしても活動している。2026年6月にはル・マン24時間レースで総合優勝した。
Q2:ニック・デ・フリースはF1をなぜ離脱した?
A2:2023年シーズンにアルファタウリから10戦に出場したものの、ポイントを獲得できず、チームメートの角田裕毅とのペース差や期待された改善が課題となった。2023年7月にダニエル・リカルドと交代した。
Q3:ニック・デ・フリースは世界チャンピオンになったことがある?
A3:ある。2019年にFIA F2、2020/21年にフォーミュラEのドライバーズタイトルを獲得している。フォーミュラEでは初代世界王者にあたる。
Q4:2026年のル・マン24時間レースでは何位だった?
A4:トヨタの7号車で総合優勝した。マイク・コンウェイ、カムイ・コバヤシとともに381周を走り、2位のBMWに10.913秒差をつけた。
Q5:ニック・デ・フリースは2026/27年もフォーミュラEに参戦する?
A5:参戦する。2026年9月29日、マヒンドラがデ・フリースとエドアルド・モルタラの続投を発表した。新世代GEN4マシンでの参戦となる。
Q6:ニック・デ・フリースは何歳で、どこの出身?
A6:1995年2月6日生まれで、2026年10月31日時点では31歳。オランダのフリースラント州ウィットウェリンガ出身だ。
まとめ:ニック・デ・フリースの2026年はF1離脱後のキャリアを象徴する1年
ニック・デ・フリースは2026年、フォーミュラEのマヒンドラで2勝を挙げ、トヨタではル・マン24時間レースの総合優勝を達成した。
F1ではウィリアムズでの代役デビューからアルファタウリでのレギュラー参戦まで経験したものの、2023年のシーズン途中にシートを失った。しかし、その後も競技の第一線から退くことなく、フォーミュラEとWECで新たな実績を築いている。
特に2026年のル・マン制覇は、F1時代の評価だけでは測れないドライバーとしての実力を示す成果だ。
さらに2026/27年はマヒンドラからGEN4時代に挑むことが決定している。世界王者としての経験と耐久レースで培った能力を、新しいフォーミュラEマシンでどこまで発揮できるかが注目される。
F1での短いキャリアを終着点にするのではなく、異なるカテゴリーで成功を積み重ねてきたニック・デ・フリース。2026年は、そのキャリアが新たな段階に入ったことを示す重要なシーズンとなった。
主な参照資料・公式記録
- FIAフォーミュラE公式ドライバープロフィール・2025/26年成績:
- FIAフォーミュラE・マヒンドラGEN4継続参戦発表:
- ル・マン24時間レース公式結果・トヨタ公式発表:
- FIA・F1公式リザルト、F1離脱に関する報道:
- ホンダ・マクラーレン公式プロフィール: (出典: ニック デ フリース(Yahoo!ニュース))