【仕組みを解説】懸賞金がもらえる条件は?幕内取組とスポンサーの関係
大相撲では、すべての取組に懸賞金が付くわけではありません。
日本相撲協会の公式案内では、懸賞を設定できるのは幕内の取組のみとされています。十両や幕下以下の取組には、通常の幕内懸賞制度は適用されません。
懸賞金を獲得するための3つの条件
懸賞金が力士に渡るまでには、次の流れがあります。
1. 企業・団体が懸賞を申し込む
スポンサーが応援したい力士や希望する対戦を指定して懸賞を申し込みます。
2. 対象の幕内取組に懸賞が設定される
対象となった取組では、仕切りの時間に呼出しが懸賞旗を持って土俵の周囲を回ります。
3. 取組に勝った力士が懸賞金を獲得する
勝ち名乗りを受けた力士に、懸賞袋が渡されます。負けた力士には懸賞金は渡りません。
なお、指定された力士が休場するなどして取組が成立しなければ、懸賞が取り消される場合もあります。
懸賞旗は企業にとって重要な広告媒体
懸賞旗は単なる装飾ではありません。
日本相撲協会によると、スポンサーが懸賞を出すと、提供者名は当日の取組表に掲載され、取組直前には場内放送でも読み上げられます。
さらに、懸賞旗が土俵を回ることで、観客やテレビ中継の視聴者にも企業名が伝わります。
懸賞旗の寸法は横70cm、縦120cm。旗はスポンサー側が制作して持ち込み、土俵上に掲げるためのデザイン審査もあります。
大相撲の懸賞金を申し込む方法と費用
日本相撲協会の公式案内に掲載されている申し込み条件は次のとおりです。
- 1日につき最低1本以上
- 1場所(15日間)につき最低15本以上
- 1場所の最低費用は105万円(税込)
- 追加申し込みは1本単位で可能
- 提供者名は15文字以内
- 懸賞旗はスポンサー側で制作して持ち込む
例えば、1場所を通じて毎日1本ずつ懸賞を出す場合、105万円が必要です。
特定の力士を応援する場合も、希望する取組を指定する場合も、基本となる費用は変わりません。
申し込みや相談は日本相撲協会の懸賞係が窓口です。企業や団体が広告宣伝と相撲文化への協賛を兼ねて利用する仕組みになっています。
【2026年最新ランキング】大相撲の懸賞金最高額と歴代記録
懸賞金の魅力は、1本7万円という金額だけではありません。
人気力士の取組には数十本もの懸賞が集中するため、1場所で数千万円を獲得するケースもあります。
1場所の歴代最高額は大の里の4,188万円
2026年9月の秋場所で、横綱・大の里が獲得した懸賞は698本、総額4,188万円でした。
これは1本あたりの力士獲得分6万円で計算した金額です。
日刊スポーツの秋場所千秋楽時点の懸賞金獲得ランキングでも、大の里がトップとなっています。
698本という数字を、現在の受け取り方法に当てはめると次のようになります。
- 懸賞金のスポンサー負担総額:4,886万円
- 日本相撲協会の手数料:698万円
- 大の里の獲得分:4,188万円
- 土俵上で受け取る現金:698万円
- 本人名義口座への振込:3,490万円
もちろん、4,188万円は懸賞金の獲得額であり、税金などを差し引いた後の最終的な手取り年収ではありません。
2026年秋場所の懸賞金獲得ランキング
日刊スポーツが公表した秋場所千秋楽時点のランキングは次のとおりです。
| 順位 | 力士 | 獲得本数 | 獲得金額 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 大の里 | 698本 | 4,188万円 |
| 2位 | 安青錦 | 365本 | 2,190万円 |
| 3位 | 霧島 | 259本 | 1,554万円 |
| 4位 | 藤ノ川 | 239本 | 1,434万円 |
| 5位 | 琴櫻 | 225本 | 1,350万円 |
| 6位 | 熱海富士 | 193本 | 1,158万円 |
| 7位 | 高安 | 120本 | 720万円 |
| 8位 | 朝乃山 | 114本 | 684万円 |
| 9位 | 義ノ富士 | 111本 | 666万円 |
| 10位 | 美ノ海 | 107本 | 642万円 |
大の里は2位の安青錦に333本の差をつけています。
このランキングから見えてくるのは、懸賞金が番付だけで決まるものではないという点です。力士の人気、対戦相手への注目度、スポンサー企業との地域的なつながりなども、懸賞の本数に影響します。
歴代最高記録はどう更新された?
過去の記録と比較すると、懸賞金の増加がよくわかります。
- 2015年初場所:白鵬が545本を獲得。当時の力士取り分は1本5万6,700円で、総額は3,090万1500円。
- 2025年秋場所:大の里が519本を獲得。現在の配分で3,114万円となり、金額では白鵬の記録を更新。
- 2026年秋場所:大の里が698本を獲得。総額4,188万円となり、本数・金額の両面で記録を更新。
白鵬の2015年の545本は、当時の1場所最多本数として知られていました。その後、大の里が2026年秋場所で698本を記録し、大幅に上回りました。
年間獲得ランキングでも大の里が存在感
年間の懸賞獲得本数でも大の里は目立っています。
2018年以降の公開集計では、2025年に獲得した2,432本が年間最多として記録されています。
比較すると、2010年の白鵬は2,111本、2012年の白鵬は1,990本でした。大の里は2025年にこれらの本数を上回っています。
また、2026年秋場所では、場所全体の懸賞本数も3,688本に到達しました。
同年夏場所の3,563本を125本上回る数字で、場所全体の懸賞本数としても過去最高です。スポンサーの申し込みが実際の掲出本数を押し上げている状況がわかります。
【税金の疑問】懸賞金6万円はそのまま自由に使えるのか?
懸賞金を考えるうえで、もう一つ気になるのが税金です。
1本6万円が力士の獲得分といっても、その金額がすべて税引き後の純粋な利益になるわけではありません。
納税充当金とは何か?
従来の懸賞金制度では、1本7万円のうち、
- 1万円:協会の事務手数料
- 3万円:力士本人名義の納税充当金
- 3万円:土俵上で渡される現金
という配分でした。
日本相撲協会の2023年の公式クイズでも、3万円を納税充当金として本人名義で預かり、3万円を現金で渡す仕組みが紹介されています。
2025年5月場所からは現金支給が1万円に減り、口座への振込が5万円に増えました。
ここで重要なのは、納税充当金は税金をすでに納め終わったという意味ではないことです。
税金の支払いに備えて力士本人名義で管理される資金であり、実際の納税額とは区別して考える必要があります。
力士の懸賞金にはどのような税金がかかる?
力士の収入には、月給、報奨金、懸賞金、出演料など、複数の種類があります。
国税庁は一般的な懸賞や福引きの賞金を一時所得の例として挙げていますが、業務に関して受け取るものは別の扱いになります。
プロの力士が本業の取組で獲得する懸賞金についても、一般の懸賞応募者と同じ税務処理になると単純には判断できません。
税理士ドットコムの2026年8月の専門家解説でも、力士の所得には給与所得・事業所得・一時所得などが関係し、税務処理が複雑になることが説明されています。
そのため、懸賞金の獲得額と税引き後の実収入は分けて考えることが大切です。
【大相撲の懸賞金はいくら】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大相撲の懸賞金は1本いくらですか?
A1:2026年現在、1本7万円(税込)です。協会手数料1万円を差し引いた6万円が勝った力士の獲得分になります。
Q2:懸賞金は土俵上で全部現金でもらえますか?
A2:いいえ。2025年5月場所から、1本につき現金1万円、本人名義の口座への振込5万円に変更されています。
Q3:懸賞金が一番多かった力士は誰ですか?
A3:2026年9月の秋場所では、大の里が698本、4,188万円を獲得しました。2026年10月時点で確認できる1場所の記録です。
Q4:懸賞金は負けた力士にも渡りますか?
A4:いいえ。懸賞金は対象となった取組の勝ち力士が獲得します。敗れた力士には渡りません。
Q5:懸賞金は個人でも申し込めますか?
A5:日本相撲協会の公式案内では、企業・団体の提供者を想定した申し込み制度が紹介されています。個人名義での申し込みについては、懸賞係への確認が必要です。
Q6:懸賞金は何本から申し込めますか?
A6:原則として1日1本以上、1場所15本以上です。最低費用は1本7万円×15本で105万円(税込)となります。
まとめ:大相撲の懸賞金は1本7万円、勝ち力士の取り分は6万円
2026年現在、大相撲の懸賞金は1本7万円です。日本相撲協会が手数料1万円を受け取り、残る6万円が勝ち力士の獲得分になります。
2025年5月場所からは受け取り方法が変更され、土俵上で受け取る現金は1万円、本人名義の口座への振込は5万円となりました。懸賞金の総額が減ったわけではなく、安全面や現金管理の負担を考慮した変更です。
そして2026年9月場所には、大の里が698本、4,188万円という1場所の新記録を樹立。場所全体の懸賞本数も3,688本に達しました。
懸賞旗が土俵を回る光景には、勝負への期待だけでなく、企業の広告活動、相撲人気、力士への応援という複数の意味が込められています。
次に大相撲を観戦するときは、懸賞旗の本数にも注目してみてください。どの取組に企業の期待が集まり、勝った力士がいくら獲得するのか。土俵上のもう一つの見どころが見えてきます。 (出典: 大相撲 の 懸賞 金 は いくら(Yahoo!ニュース))