みかんの白い皮・白い筋は取るべき?正体と栄養、食べ方を2026年版で徹底解説
みかんの皮をむいたとき、果肉の表面に残る白い筋や、皮の内側にある白い綿状の部分。見た目や口当たりが気になって、食べる前に丁寧に取り除いている人も多いのではないでしょうか。実は、これらの白い部分は単なる不要な繊維ではありません。植物の水分や栄養分を運ぶ維管束や、アルベドと呼ばれる果皮の組織など、それぞれ異なる役割を持っています。
2026年10月時点の農林水産省、文部科学省の食品成分データベース、大学の研究情報などを踏まえると、みかんの白い筋や白い部分は、基本的に無理に取り除く必要のない食べられる部分です。食物繊維やペクチン、ヘスペリジンといった成分も含まれています。ただし、白い皮と白い筋は厳密には同じものではありません。栄養面と食感の両方から、その違いや残すメリット、きれいな取り方まで解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 正体: 房についている白い筋は主に維管束、皮の内側にある白い綿状の部分はアルベド。
- 栄養: 食物繊維、ペクチン、ヘスペリジンなどが含まれている。
- 食べ方: 白い筋は基本的に食べられる。健康上の理由だけで取り除く必要はない。
- 注意点: 食物繊維は小腸で消化されない成分だが、それ自体が体に悪いわけではない。
- 判断基準: 栄養を意識するなら残し、食感が苦手なら好みに合わせて取り除いてよい。
【正体を解説】みかんの白い皮と白い筋は何が違う?アルベドと維管束の仕組み
みかんの白い部分を理解するには、まず果実の構造を知る必要があります。
普段はまとめて「白い皮」「白い筋」と呼びがちですが、植物学的には異なる組織です。
白い綿状の部分はアルベド
みかんの果皮の構造
みかんの外側の皮は、大きく分けて次の2つの部分からできています。
- フラベド(外果皮): オレンジ色をした外側の部分。色素や香りの成分を含む。
- アルベド(中果皮): フラベドの内側にある白いスポンジ状・綿状の部分。
アルベドは、一般に「白いワタ」と呼ばれる組織です。
オレンジやグレープフルーツでは、皮をむいたときに厚い白い部分が目立ちます。一方、温州みかんでは中果皮が比較的薄く、細い筋のように見えることがあります。
東京大学大学院農学生命科学研究科の解説でも、アルベドは果皮の内側にある白いふわふわした組織として説明されています。
つまり、みかんの白い皮を正確に理解するには、単に色で区別するのではなく、果実のどの位置にある組織なのかを見る必要があります。
房についている白い筋の正体は維管束
一方、みかんの房の表面に網目状についている細い白い筋は、主に維管束(いかんそく)です。
これは植物の体内で水分や養分を運ぶための通路にあたります。
農林水産省の2026年度更新の解説でも、みかんの房の背中にある葉脈のような白い筋を維管束と説明しています。
みかんの果肉は、小さな粒状の果汁が集まってできています。それぞれの粒は維管束とつながっており、成長に必要な水分や栄養分を受け取っています。
つまり、白い筋は果実が成長する過程で重要な役割を果たしてきた組織なのです。
みかんの薄皮は「じょうのう」
もう一つ区別しておきたいのが、房全体を包んでいる薄い膜です。
これは「じょうのう」と呼ばれます。
じょうのうは、みかんの果肉である砂じょうを包む袋状の組織です。私たちが普段、房ごと口に入れているときには、この薄皮も一緒に食べています。
薄皮が比較的厚い柑橘類では、果肉だけを取り出すために袋をむくことがあります。しかし、一般的な温州みかんでは、薄皮ごと食べることができます。
【栄養を徹底解剖】みかんの白い筋に含まれる食物繊維・ペクチン・ヘスペリジン
みかんの白い部分が注目される理由は、その構造だけではありません。
白い筋やアルベド、薄皮には、食物繊維やポリフェノールなどの成分が含まれています。
1.食物繊維は果肉だけでなく白い部分にも含まれる
みかんの白い筋や薄皮には食物繊維が含まれています。
食物繊維は、人間の消化酵素では十分に分解されず、大腸まで届く成分です。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、食物繊維について、便の体積を増やすことや腸内環境を整える働きが説明されています。
みかんを食べるときに白い筋をすべて取り除いてしまうと、こうした食物繊維を含む組織の一部も一緒に取り除くことになります。
2.ペクチンは薄皮やアルベドに含まれる
ペクチンは水溶性食物繊維の一種です。
柑橘類では、果肉を包む薄皮やアルベドなどに含まれています。
和歌山県農林水産部の「和歌山県産食材機能性ガイド」でも、温州みかんのペクチンについて紹介されており、薄皮やアルベドを残して食べることが栄養面で役立つと説明されています。
ペクチンは水に溶ける性質を持ち、食品の粘性やゲル化にも関係する成分です。
ジャムが固まる仕組みにも関係しているため、食品加工の分野でもよく知られています。
3.ヘスペリジンは柑橘類に含まれるポリフェノール
もう一つ注目したいのが、ヘスペリジンです。
ヘスペリジンは、柑橘類に含まれるフラボノイドの一種で、ポリフェノールに分類されます。
みかんの果皮や白い部分などに含まれており、柑橘由来の機能性成分として研究されています。
研究分野では、次のような働きとの関連が調べられています。
- 抗酸化作用に関する研究
- 血管機能との関連
- 血流に関する研究
- 脂質代謝との関連
ただし、食品に含まれるヘスペリジンを摂取すれば、これらの病気を予防・治療できるという意味ではありません。食品成分の研究結果と、実際に人が通常の食事で得られる健康効果は区別する必要があります。
ヘスペリジンはビタミンPと呼ばれる?
ヘスペリジンには「ビタミンP」という別名があります。
しかし、これは歴史的な呼び方です。
日本ビタミン学会のビタミンQ&Aによると、ヘスペリジンやルチンなどに対してビタミンPという名称が使われてきましたが、現在の学術的なビタミンの定義には当てはまりません。
そのため、正確にはヘスペリジンはビタミンではなく、フラボノイドの一種として理解するのが適切です。
2026年時点で確認できる温州みかんの栄養成分
白い筋だけの栄養量を、一般的な食品成分表から正確に切り分けることはできません。
そこで、文部科学省の食品成分データベースに掲載されている「うんしゅうみかん・じょうのう・普通・生」の数値を確認します。
可食部100g当たり
| 栄養成分 | 含有量 |
|---|---|
| エネルギー | 49kcal |
| 炭水化物 | 12.0g |
| 食物繊維総量 | 1.0g |
| ビタミンC | 32mg |
| カリウム | 150mg |
| β-クリプトキサンチン | 1,700μg |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品番号07027。2026年6月の食品成分データベース更新情報を確認。
ここで注意したいのは、これらの数値が白い筋だけの成分量ではないことです。房全体を含む可食部の数値であり、白い筋だけの栄養価として読み替えることはできません。
【一目で比較】アルベド・維管束・薄皮の違いと栄養の関係
みかんの白い部分を整理すると、次のようになります。
| 部位・名称 | どこにある? | 主な役割・特徴 | 食べられる? |
|---|---|---|---|
| フラベド | 皮の最も外側 | 色素や香りを含む外果皮 | 加工して食べられる |
| アルベド | 外皮の内側 | 白い綿状の中果皮 | 食べられる |
| 維管束 | 房の表面 | 水分・養分を運ぶ通路 | 食べられる |
| じょうのう | 房を包む薄皮 | 果肉を包む袋状の組織 | 食べられる |
| 砂じょう | 房の内部 | 果汁を含む小さな粒 | 食べられる |
この表から分かるように、白い部分は一つの組織ではありません。
特に混同しやすいのがアルベドと維管束です。
アルベドは果皮の内側にある白い組織で、維管束は植物の水分や養分を運ぶ通路です。両者は果実の構造上つながっていますが、厳密には異なります。
また、農林水産省の一般向け広報では、白い筋をアルベドと表現している箇所もあります。日常的な呼び方と植物学的な分類には幅があるため、位置と構造を基準に区別すると理解しやすくなります。
【健康面を検証】みかんの白い筋は体に悪い?消化に悪いという噂の真相
白い筋を食べることに抵抗がある人からは、「体に悪くないのか」「消化されずに胃に残るのではないか」といった疑問も聞かれます。
実際には、食物繊維の性質を正しく理解することが大切です。
白い筋は体に悪いのか?
通常の食生活で食べるみかんの白い筋について、健康な人が取り除かなければならないという一般的な理由はありません。
維管束は植物由来の組織であり、みかんの可食部分に付着した状態で食べられます。
また、薄皮やアルベドも食品として利用されている部分です。
むしろ、白い部分には食物繊維などが含まれるため、食感に問題がなければ残して食べることには栄養面のメリットがあります。
白い筋は消化に悪いのか?
ここで重要なのが、食物繊維の性質です。
食物繊維は、もともと人間の消化酵素では分解されにくい成分です。
そのため、小腸で消化・吸収されず、大腸まで届きます。
これは異常な状態ではなく、食物繊維本来の性質です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、食物繊維が大腸内の腸内細菌に利用され、腸内環境に関係することが説明されています。
つまり、白い筋が消化酵素で分解されにくいからといって、直ちに体に悪いということにはなりません。
ただし、食べ過ぎたり、一度に多くの食物繊維を摂取したりすると、お腹の張りや便通の変化を感じる人もいます。
白い筋を食べるときに注意したい人
次のような場合は、無理に白い筋を食べる必要はありません。
- 胃腸が敏感で、食物繊維を多く含む食品でお腹が張りやすい人
- 下痢や腹痛など、消化器症状がある人
- 薄皮や筋を噛み切ることが難しい人
- 小さな子どもや、飲み込む力が弱い高齢者
こうした場合は、量を減らしたり、薄皮を取り除いたりするなど、食べやすさを優先してください。
特定の消化器疾患で食事制限を受けている場合は、担当医や管理栄養士の指示に従うことも大切です。
【実践ガイド】みかんの白い筋を取る理由ときれいな取り方・剥き方
白い筋を取り除く人がいるのは、必ずしも健康上の理由ではありません。
多くの場合、食感や見た目、食べやすさが関係しています。
みかんの白い筋を取る主な理由
1.口の中に筋が残る感覚が苦手
維管束は果肉よりも繊維質で、噛んだときに筋が残るように感じることがあります。
特に、果肉の柔らかい食感を好む人には気になる部分です。
2.苦みや渋みのような感覚がある
白い部分には、果肉とは異なる風味があります。
品種や個体によっては、白い部分の食感や風味が気になることもあります。
3.見た目をきれいにしたい
デザートやケーキの飾り付けでは、白い筋が少ない方が仕上がりが整って見える場合があります。
このように、白い筋を取る理由は、栄養面よりも食べる人の好みや用途に関係しています。
白い筋をできるだけ残す剥き方
栄養を意識して白い部分を残したいなら、普段どおりにむいて構いません。
無理に白い筋を取り除く必要はありません。
白い筋を取り除きたい場合の剥き方
農林水産省の広報誌「aff」では、ヘタ側から皮をむく方法が紹介されています。
この方法は白い筋を取りやすい剥き方として案内されています。
具体的な手順は次のとおりです。
1. みかんのヘタがある側を上にする。
2. ヘタの周囲から外皮に指を入れる。
3. 外皮を少しずつ剥がす。
4. 房に残った白い筋を指先で優しく取り除く。
5. 必要に応じて房を分け、食べやすい状態に整える。
筋をきれいに取りたい場合は、無理に引っ張らず、指先で少しずつ取り除くのがポイントです。
ただし、白い筋を完全に取り切ろうとすると、房の薄皮まで傷つけることがあります。
薄皮まで取りたい場合はどうする?
通常の温州みかんでは、薄皮までむく必要はありません。
一方、八朔や文旦など、房の袋が厚い柑橘類では、薄皮をむいて果肉だけを取り出す食べ方もあります。
農林水産省も、袋の厚い柑橘類について、ナイフを使って房の袋から果肉を取り出す方法を紹介しています。
用途に応じて剥き方を変えると、食べやすさと見た目を両立できます。
【プロの結論】みかんの白い皮・白い筋は残すべき?栄養と食感で判断する方法
ここまでの内容から、みかんの白い部分をどう扱えばよいのかを整理します。
基本的には、栄養面を重視するなら白い筋や薄皮を残して食べるのがおすすめです。
ただし、白い部分を食べること自体が健康維持の決定的な条件ではありません。
白い筋を残して食べるのがおすすめな人
- 食物繊維を少しでも無駄なく摂りたい人
- みかんの薄皮や白い部分の食感が気にならない人
- 食品の栄養をできるだけ丸ごと活用したい人
- 果物を日常的な食生活に取り入れたい人
特に、普段から白い筋を取り除く習慣がある人は、一度そのまま食べてみるとよいでしょう。
白い筋を取ってもよい人
- 繊維質の食感が苦手な人
- 薄皮が口に残るのが気になる人
- 食べやすさを優先したい人
- 胃腸の調子に合わせて食物繊維の摂取量を調整したい人
食べることが負担になるなら、無理に残す必要はありません。
2026年の栄養情報で押さえておきたいこと
2026年10月時点で、文部科学省の食品成分データベースは2026年6月9日に更新され、日本食品標準成分表の正誤表にも対応しています。
また、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が2025年度から2029年度までの使用期間となっています。
食品の栄養価を調べるときは、古い健康情報だけでなく、こうした公的な資料を基準にすることが大切です。
白い筋に含まれる成分を意識することはよい習慣ですが、特定の食品だけに健康効果を期待するのではなく、果物や野菜、主食、主菜を組み合わせた食生活を心がけましょう。
【みかんの白い皮・白い筋】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:みかんの白い筋は全部取った方がよいですか?
A1:いいえ。白い筋は維管束という植物の組織で、通常は食べられます。食物繊維などを含むため、食感が気にならなければ残して食べて問題ありません。
Q2:みかんの白い皮と白い筋は同じものですか?
A2:厳密には異なります。皮の内側にある白い綿状の部分はアルベド、房についている網目状の白い筋は主に維管束です。また、房を包んでいる薄い膜はじょうのうと呼ばれます。
Q3:みかんの白い筋にはどんな栄養がありますか?
A3:白い筋や周辺の白い組織には、食物繊維やヘスペリジンなどが含まれています。薄皮やアルベドにはペクチンも含まれます。ただし、白い筋だけの栄養量を一般的な食品成分表から算出することはできません。
Q4:みかんの白い筋は消化されずに胃に残りますか?
A4:そのような理解は正確ではありません。食物繊維は小腸で消化されにくく、大腸まで届く成分です。通常の食事で食べる範囲なら、健康な人が白い筋を避ける必要はありません。
Q5:白い筋をきれいに取るにはどうすればよいですか?
A5:ヘタ側から外皮をむき、房に残った筋を指先で優しく取り除く方法があります。農林水産省もヘタ側からむく方法を紹介しています。
まとめ:みかんの白い筋は無理に取らず、自分に合った食べ方を選ぼう
みかんの白い皮や白い筋は、見た目こそ似ていますが、植物学的には異なる組織です。
皮の内側にある白い綿状の部分はアルベド、房の表面に網目状についている筋は維管束、果肉を包む薄い膜はじょうのうと呼ばれます。
これらの白い部分には、食物繊維やペクチン、ヘスペリジンなどの成分が含まれています。
特に覚えておきたいのは、白い筋は体に悪いものではなく、通常は取り除かずに食べられるということです。
栄養面を意識するなら残して食べる。食感が苦手なら取り除く。胃腸の状態に合わせて調整する。
この3つを基本にすれば、みかんをより無理なく楽しめます。
毎年のように食べる身近な果物だからこそ、皮をむいたときに見える白い部分にも目を向けてみてください。いつも何気なく捨てていた筋にも、植物が実を育てるための仕組みと、食生活に役立つ成分が詰まっています。 (出典: みかん の 白い 皮(Yahoo!ニュース))