【海外6カ国を徹底比較】外国人に生活保護を出す国の条件と制度

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【海外6カ国を徹底比較】外国人に生活保護を出す国の条件と制度
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海外では、外国人に対する生活保障をどのように運用しているのだろうか。日本と比較するため、各国の制度を整理する。

※各国の制度は2026年11月時点の公的資料を基に整理。給付の対象や条件は制度・地域・在留資格によって異なる。

国外国人への支援主な条件・制限日本生活保護に準じた行政措置永住者、定住者、特別永住者、認定難民など一定の資格が必要ドイツ求職者向け基礎保障・難民向け給付就労資格、過去の就労、難民認定などによって制度が分かれるイギリスUniversal Creditなど公的扶助へのアクセスが認められた在留資格と居住要件が必要アメリカSNAP、Medicaidなど適格な移民資格や原則5年間の待機要件などがあるカナダ州の社会扶助制度永住者、保護対象者、難民申請者など。州ごとに条件が異なるオーストラリアCentrelinkの社会保障給付新規永住者などには給付ごとに待機期間が設けられている韓国国民基礎生活保障制度韓国人配偶者や韓国籍の子どもの養育、難民認定など一定の条件が必要

1. ドイツ:難民と一般の外国人で制度が異なる

外国人に生活保護を出す国
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の制度

ドイツでは、外国人の生活保障について、在留資格や難民認定の状況に応じた制度が用意されている。

2026年7月からは、求職者向けの基礎保障制度に関する制度変更が実施され、従来のBürgergeldに代わるGrundsicherungsgeldという名称が使用されている。

外国籍の人がこの制度を利用するには、通常の所得・資産・就労能力などの要件に加え、在留資格に関する条件も満たす必要がある。

主な対象例は次のとおり。

- ドイツで就労している外国人
- ドイツで就労した後、本人の意思によらず失業した一定のEU・EEA・スイス国籍者
- 給付対象となる在留資格を持つ第三国出身者
- 難民認定や補完的保護を受けた人

一方、単に仕事を探す目的だけでドイツに来た人や、不法滞在者、難民申請中で難民申請者給付法(Asylbewerberleistungsgesetz)の対象となる人は、一般の求職者向け基礎保障から除外される。

難民申請中の人には、別制度による生活費や医療面の支援がある。難民認定後は、一定の要件を満たせば一般の居住者と同様の社会保障制度に移行する。

つまり、ドイツは外国人を一律に排除する制度でも、無条件に給付する制度でもない。

2. イギリス:NRPFという厳しい制限がある

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の制度

イギリスには、外国人の公的扶助利用を制限する「No Recourse to Public Funds(NRPF)」という仕組みがある。

NRPFは、公的資金へのアクセスを認めない在留条件のことだ。

この条件が付いている外国人は、原則としてUniversal Creditなどの多くの給付や公営住宅関連の支援を利用できない。

一方、以下のような人は、他の受給要件を満たせば給付を受けられる。

- 永住に相当する無期限滞在許可を持つ人
- EU Settlement Schemeによる定住資格を持つ人
- 難民認定を受けた人
- 人道的保護を認められた人

また、2025年3月の英国議会への政府回答では、難民認定を受けた人は在留資格が認められた段階から、他の要件を満たすことを条件に給付を利用できると説明されている。

難民申請中の人は、一般のDWP公的給付ではなく、別の難民支援制度の対象となる。

イギリスの特徴は、外国人であるかどうかだけではなく、ビザにNRPF条件が付いているかどうかが大きな判断基準になる点だ。

3. アメリカ:移民資格と5年間の待機ルール

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【資料】外国 人 に 生活 保護 を 出 報道・メディア記録

の制度

アメリカでは、外国人への公的扶助について、1996年の個人責任・就労機会調整法(PRWORA)などに基づく制限が設けられている。

代表的なのが、連邦政府の所得審査付き公的給付に関する原則5年間の待機ルールだ。

適格外国人(Qualified Aliens)のうち一定の人は、資格を取得してから原則5年間、連邦政府の特定の所得審査付き給付を受けられない。

ただし、すべての外国人に同じ待機期間が適用されるわけではない。

難民や亡命認定者などは例外として扱われる。また、州や自治体独自の給付制度では、連邦制度と異なる条件が設けられる場合もある。

代表的な制度には以下がある。

- SNAP:低所得者向けの食料購入支援
- Medicaid:低所得者などを対象とした公的医療保険制度
- TANF:低所得家庭を対象とした一時的な生活支援

重要なのは、アメリカの制度は一つの「外国人向け生活保護」ではないということだ。医療、食料、子育て、現金給付などで対象者の条件が異なる。

連邦法上の5年間の待機ルールにも例外があるため、「外国人は全員5年間何も受け取れない」という説明も正確ではない。

4. カナダ:永住者や難民申請者も州の制度を利用できる

の制度

カナダでは、生活困窮者向けの社会扶助は州・準州が中心となって運営している。

そのため、全国一律の外国人向け生活保護制度が存在するわけではない。

例えば、ブリティッシュコロンビア州では、次のような人が所得扶助や障害者扶助などの対象となり得る。

- 永住者
- 保護対象者や条約難民
- 難民申請者
- 一定の一時滞在許可を持つ人

一方、一般的な観光客、留学生、就労許可を持つだけの一時滞在者などは、原則として通常の所得扶助の対象外となる。

また、カナダには家族を呼び寄せる際のスポンサー制度がある。

スポンサーが扶養を約束した家族が、責任期間中に障害を理由とするものではない社会扶助を受けた場合、スポンサーに返済義務が生じることがある。

この点は、日本との大きな違いだ。カナダでは公的扶助を受けられる人の範囲だけでなく、家族を呼び寄せた側の経済的責任も制度に組み込まれている。

5. オーストラリア:永住者にも最長4年の待機期間

の制度

オーストラリアでは、Services Australiaが社会保障給付を管理している。

外国人への支援で特徴的なのが、新規居住者待機期間(NARWP)だ。

2019年1月1日以降に対象となる永住資格などを取得した人については、JobSeeker PaymentやYouth Allowanceなど多くの給付に4年間の待機期間が設けられている。

ただし、すべての給付が4年間一律に停止されるわけではない。

制度によって1年、2年、4年などの期間があり、ビザの取得時期や給付の種類によって条件が変わる。例外規定も存在する。

したがって、オーストラリアは外国人への生活保障を認めながら、移住直後から無条件に利用できる仕組みにはしていない国の代表例といえる。

6. 韓国:外国人への基礎生活保障は対象が限定的

の制度

韓国には、国民基礎生活保障制度という低所得者向けの公的扶助制度がある。

外国人にも適用される特例が設けられているが、対象は限定的だ。

主な対象者は次のとおり。

- 韓国人と婚姻し、本人または韓国籍の配偶者が妊娠している人
- 韓国籍の未成年の子どもを養育している外国人
- 韓国籍の配偶者の直系尊属と生計または住居をともにする人
- 韓国籍の配偶者との離婚や死別後、韓国籍の未成年の子どもを養育している人
- 韓国法に基づいて難民認定された人

所得認定額や扶養義務者に関する基準など、通常の受給条件も満たす必要がある。

つまり、韓国では外国人であることだけで対象になるわけではなく、韓国社会との家族関係や難民としての法的地位などが重要になる。

【統計で検証】日本の外国人生活保護受給世帯はどのくらい?

外国人への生活保護をめぐる議論では、受給者数や割合が注目される。

ここでは、厚生労働省の被保護者調査と、2026年に公表された資料を確認する。

2024年度の最新公表データ

厚生労働省の2026年公表資料によると、2024年度の月平均で、世帯主が外国籍の被保護世帯は47,332世帯だった。

全被保護世帯は1,650,674世帯であり、外国籍の世帯主がいる世帯の割合は約2.87%となる。

また、外国籍の世帯主がいる世帯に属する被保護人員数は64,993人だった。


2024年度・外国籍世帯主の被保護世帯


47,332
世帯数(月平均)


64,993
世帯に属する人員数


2.87%
全被保護世帯に占める割合


3.24%
全被保護人員に占める割合


出典:厚生労働省「被保護者調査」2024年度月次調査。割合は公表された世帯数・人員数から算出。

外国人世帯の受給者数は増え続けているのか

2015年度と2024年度を比較すると、次のような変化が確認できる。

項目2015年度2024年度
外国籍世帯主の世帯に属する人員72,995人64,993人
全被保護人員216.4万人200.8万人
外国籍世帯主の世帯に属する人員の割合3.37%3.24%
在留外国人数223万人377万人

注目すべきなのは、在留外国人数が増えている一方で、外国籍世帯主の世帯に属する被保護人員数は減少していることだ。

2015年度の72,995人から2024年度には64,993人となり、約8,000人減少した。

この数字だけで外国人全体の生活状況を評価することはできないが、「外国人の増加に比例して生活保護受給者も増え続けている」という単純な説明とは一致しない。

さらに、厚生労働省は統計上の注意点も示している。

外国籍世帯主の世帯に属する人数には、日本国籍の配偶者や子どもが含まれる場合がある。一方、日本人が世帯主の世帯に属する外国人の人数は、この統計からは把握できない。

そのため、64,993人をそのまま「生活保護を受けている外国人の人数」とするのは誤りだ。

この区別は、外国人への社会保障費を正確に議論するうえで欠かせない。

【ネットの反応・炎上】外国人の生活保護をめぐる噂の真相

外国人の生活保護は、政治的な議論やSNSでの情報拡散によって、たびたび炎上するテーマになっている。

特に2025年の参議院選挙前後には、外国人への社会保障をめぐる主張が大きく取り上げられた。

噂1「外国人への生活保護は違法」

これは制度の一部だけを切り取った説明だ。

確かに、外国人は生活保護法に基づく法律上の受給権を持たない。

しかし、1954年の厚生省通知に基づく行政措置によって、一定の外国人に生活保護に準じた支援が実施されている。

2014年の最高裁判決も、この行政措置による保護の存在を否定していない。

したがって、外国人への支給を一律に違法と説明するのは正確ではない。

噂2「生活保護受給世帯の3分の1が外国人」

公的統計とは大きく異なる数字だ。

2025年7月の共同通信によるファクトチェック報道では、2023年度の外国籍世帯主の被保護世帯は47,317世帯、全体は約165万世帯と紹介されている。

割合は約2.87%だ。

「3分の1」という数字とは大きな開きがある。

2026年公表の2024年度データでも、外国籍世帯主の被保護世帯は約2.87%だった。

噂3「外国人は日本人より生活保護を受けやすい」

この主張についても、厚生労働省は国籍によって保護の要否判定を変えるものではないと説明している。

生活保護に準じた行政措置の対象となる外国人についても、収入や資産、就労能力、生活状況などの確認が行われる。

ただし、外国人は法律上の受給権を持たないため、日本国民と完全に同じ法的地位にあるわけではない。

受給の審査基準と、受給する権利の法的な位置付けは分けて理解する必要がある。

実際のネット上の議論は何を問題にしているのか

報道で取り上げられたSNS上の議論には、主に次のような論点がある。

- 財政負担への懸念:日本人の納税による社会保障制度を外国人にも適用することへの疑問。
- 公平性への疑問:日本人と外国人の受給資格や審査条件がどのように異なるのかという問題。
- 人道的な支援の必要性:日本で生活する人が重い病気や困窮に陥った場合、国籍だけで支援を断るべきなのかという議論。
- 制度の透明性:外国籍の受給者数や在留資格別の内訳を、政府がどこまで把握しているのかという問題。

これらは単純な賛成・反対だけでは整理できない。

2026年9月のガーナ国籍男性の訴訟も、制度上の資格要件と人道的な支援の境界をめぐる議論を再燃させた出来事だった。

なお、SNS上の個別投稿について、実際の投稿数や賛否の割合を示す全国的な世論調査データがあるわけではない。ネット上の批判や賛同を、そのまま日本国民全体の意見とみなすことはできない。

【プロの結論】外国人に生活保護を出す国を比較するときの判断基準

日本と海外の制度を比較するとき、単純に「外国人に生活保護を出す国」「出さない国」と二分するだけでは、本質を見誤る。

専門的に見るべきポイントは5つある。

1. 法律上の権利か、行政措置なのか

日本のように、外国人に法律上の受給権を認めず、行政措置によって支援する国もある。

一方、EUでは長期居住資格を持つ第三国出身者について、社会保障や社会扶助に関する平等な取扱いを原則とする制度がある。

EUの長期居住者資格は、原則として5年間の適法な継続居住などを条件としている。

2. 永住者と短期滞在者を区別しているか

永住者、難民、就労ビザ、留学生、観光客では、制度上の立場が違う。

海外でも永住資格や難民認定を重視する国が多く、短期滞在者にまで一般的な生活扶助を認める国は限られる。

3. 給付の種類を区別しているか

生活保護に相当する現金給付だけでなく、食料支援、医療扶助、住宅支援、子育て支援などを一括りにしてはならない。

ある国で外国人が医療支援を受けられるからといって、その国で無条件の現金給付も受けられるとは限らない。

4. 待機期間や居住要件があるか

アメリカの5年間の待機ルールや、オーストラリアの最長4年間の待機期間は、外国人への給付を制限する具体的な仕組みだ。

日本との比較では、対象資格だけでなく、在留期間や待機期間も確認する必要がある。

5. 受給統計の分母と分子が一致しているか

外国籍世帯主の受給世帯数と、実際に生活保護を受けている外国籍の人数は同じではない。

日本の統計には日本人の家族が含まれる場合があり、外国籍の人だけを正確に数えた統計とは異なる。

今後、2027年6月から予定されている在留資格情報の連携が進めば、こうした統計上の課題の改善につながる可能性がある。

【外国人に生活保護を出す国】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:外国人に生活保護を出している国は日本以外にもありますか?

A1:あります。ドイツ、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国などでは、永住資格や難民認定、居住期間などの条件に応じて外国人への公的扶助を認めています。ただし、各国で制度の名称や受給条件は異なります。

Q2:日本では外国人なら誰でも生活保護を受けられますか?

A2:いいえ。永住者、定住者、特別永住者、日本人の配偶者等、認定難民など一定の在留資格を持つ人が、行政措置による保護の対象となります。留学生や技能実習生などが困窮した場合でも、当然に対象となるわけではありません。

Q3:外国人の生活保護受給世帯は全体の何%ですか?

A3:2024年度の月平均では、外国籍世帯主の被保護世帯は47,332世帯で、全体の約2.87%です。ただし、この数字は外国籍世帯主の世帯を数えたもので、受給者全員が外国籍という意味ではありません。

Q4:2014年の最高裁判決で外国人への生活保護は禁止されましたか?

A4:いいえ。最高裁は外国人に生活保護法上の受給権がないと判断しましたが、1954年通知に基づく行政措置による保護そのものを禁止したわけではありません。

Q5:2027年から外国人の生活保護制度が変わるのですか?

A5:2026年8月の厚生労働省資料では、2027年6月からマイナンバーを活用した情報連携により、国籍や在留資格などの情報を取得できるようにする計画が示されています。これは受給資格を一律に変更する制度改正ではなく、行政上の情報把握を改善する取り組みです。

まとめ:外国人への生活保護は国籍だけでなく制度設計で判断する

外国人に生活保護を出す国は日本だけではない。ドイツ、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国など、多くの国で一定の外国人に対する生活保障が設けられている。

ただし、その内容は国によって大きく異なる。永住資格、難民認定、就労歴、居住期間、家族関係、待機期間など、複数の条件によって給付対象が決まる。

日本では外国人は生活保護法の直接の適用対象ではないものの、1954年の通知に基づく行政措置によって、一定の外国人に生活保護に準じた支援が行われている。2014年の最高裁判決や2026年9月の訴訟も、この法的な位置付けを考えるうえで重要な出来事だ。

また、2024年度の統計では、外国籍世帯主の被保護世帯は全体の約2.87%だった。外国人の受給状況をめぐる議論では、統計の定義や対象者の範囲を正しく理解することが欠かせない。

今後は2027年6月に予定される在留資格情報の連携など、制度の透明性や行政管理の改善が焦点となる。外国人への生活保護をめぐる問題は、財政負担、公平性、人道的配慮という3つの観点から、引き続き検証していく必要がある。 (出典: 外国 人 に 生活 保護 を 出す 国(Yahoo!ニュース))