厄落としとは?意味・正しいやり方と2026年の厄年、厄払いとの違いを徹底解説
厄落としとは、身についた厄や災いを手放し、これからの日々を穏やかに過ごすことを願う日本の伝統的な風習です。神社やお寺で祈願するだけでなく、古い持ち物を手放す、人に食事を振る舞う、餅や豆を配るなど、地域や家庭によってさまざまな方法が受け継がれてきました。
2026年(令和8年)も、男性の42歳、女性の33歳などを大厄とする厄年の考え方は広く知られています。ただし、厄落としと厄払い、厄除けは必ずしも同じ意味ではありません。行う時期にも絶対的な決まりはなく、神社とお寺のどちらを選ぶかによって祈願の形式も異なります。伝統的な民俗習慣や神社本庁の説明、寺社の公式案内を踏まえ、現代の生活に取り入れやすい方法まで詳しく解説します。
📌 この記事の重要ポイントまとめ
- 厄落としは、厄を手放したり分散させたりして、新たな節目を迎えるための風習。
- 厄払いは神仏に祈って厄を払うこと、厄除けは災いを事前に遠ざけることを願うもの。
- 自分でできる方法には、不要品の整理、身につけた物を手放す習慣、食事の振る舞いなどがある。
- 厄落としは正月から節分ごろに行われることが多いが、時期に絶対的な期限はない。
- 2026年の大厄は男性42歳(1985年生まれ)、女性33歳(1994年生まれ)が代表的。
- 神社とお寺のどちらでも厄除けの祈願はでき、初穂料や祈祷料は施設ごとに異なる。
【基礎知識】厄落としとは?意味と由来、日本に伝わる風習の正体
厄落としの意味は「身についた厄を手放すこと」
厄落としとは、これまでに身についたと考えられる厄や災いを、物を手放す行為や人との交流などを通して落とし、気持ちを新たにするための習俗です。
ここでいう「厄」は、単に事故や病気といった不幸だけを指すものではありません。日本の伝統的な信仰では、日々の生活のなかで蓄積する穢れや、災難につながると考えられたものも含めて捉えられてきました。
そのため、厄落としには次のような考え方があります。
- 自分の身についた厄を物に移して手放す。
- 食べ物や品物を人に分け、厄を分散させる。
- 人を招いて食事を振る舞い、周囲とのつながりを通して新しい力を得る。
- 神社やお寺に参拝し、心身を清めて節目を迎える。
厄落としの特徴は、単に悪いものを遠ざけるだけでなく、古い状態から新しい状態へ移るという意味合いを持つことです。
小学館の『日本大百科全書(ニッポニカ)』でも、厄払いに関する民俗習慣として、形代に穢れを移して流す行為や、厄年の人が身につけたものを捨てる行為、餅や豆を配る習慣などが紹介されています。
厄落としの由来は陰陽道や日本の民間信仰にある
厄年や厄落としの背景には、中国から伝わった陰陽思想や、日本独自の民間信仰、神道・仏教の儀礼など、複数の文化的要素があります。
厄年の考え方は古代・中世にはすでに知られており、現在一般的に知られている男性25歳・42歳、女性19歳・33歳という年齢は、江戸時代に広く定着したとする研究があります。
ただし、厄年の起源を一つの思想だけで説明することはできません。國學院大學の学術研究でも、陰陽道や仏教など複数の立場から説明が行われてきたこと、時代や地域によって年齢設定や儀礼の形が異なっていたことが指摘されています。
また、厄年を人生の節目として考える見方もあります。
昔は一定の年齢に達すると、地域の祭礼や共同体の重要な役割を担うようになることがありました。年齢によって生活上の責任や立場が変化するため、厄年には慎み深く過ごすという考え方が生まれたとされています。
つまり、厄落としは不幸を恐れるためだけの習慣ではありません。人生の転換点で自分の生活を振り返り、心身を整えて次の段階へ進むための文化でもあります。
厄落としと厄年は必ずしも同じではない
厄年は、災難に注意して過ごすとされる特定の年齢を指します。一方、厄落としは、その年齢に限らず、厄を手放すために行う習慣を指します。
そのため、厄年ではない人が厄落としをしても問題ありません。
転職、引っ越し、結婚、出産、還暦など、生活が大きく変化するタイミングで気持ちを切り替えるために行うこともできます。
【違いを比較】厄落とし・厄払い・厄除けは何が違う?
厄落とし、厄払い、厄除けは、日常会話では似た意味で使われます。しかし、風習としての内容や目的を整理すると、それぞれに特徴があります。
小学館の『デジタル大辞泉』では、厄払いを神仏に祈るなどして身についた穢れを払い落とすことと説明し、厄落としを類語として挙げています。『日本大百科全書』でも、厄払い・厄落とし・厄除けは意味が重なり、厳密に区別するのが難しいとされています。
実際に使い分ける場合は、次のように理解すると分かりやすくなります。
厄落としは過去の厄を手放すイメージ
厄落としは、すでに身についていると考えられる厄を取り除くことに重点があります。
例えば、厄年を迎えた人が身につけていた品物を手放したり、親族や友人を招いて食事を振る舞ったりする行為が該当します。
特定の寺社で祈祷を受けなければ成立しないものではなく、地域に伝わる習慣や家庭での取り組みも含まれます。
厄払いは神仏に祈って厄を取り除く儀式
厄払いは、神社やお寺で祈祷を受けるなど、宗教的な儀式を通じて厄を取り除くことを願う行為です。
神社では神職が祝詞を奏上し、お祓いを行う形式が一般的です。
お寺では、僧侶による読経や護摩祈祷などが行われます。
厄除けはこれからの災難を遠ざけるための祈願
厄除けは、今後起こるかもしれない災難を避け、穏やかな生活を送れるよう願う行為です。
厄年に該当する人だけでなく、厄年以外の人が受けることもできます。
実際に福岡県の警固神社では、厄年に関係なく厄除けの祈祷を受けられると案内しています。
選び方の目安
- 自分の生活を見直して節目を迎えたいなら、厄落とし。
- 神社やお寺で正式な儀式を受けたいなら、厄払い・厄除け祈願。
- 今後の無事や健康を願いたいなら、厄除け。
言葉の違いにこだわりすぎず、自分が何を願っているかを基準に選ぶことが大切です。
【実践ガイド】厄落としを自分でする方法!捨てるものや食事の習慣
厄落としは、神社やお寺に行かなければできないものではありません。昔からの民俗習慣には、家庭や地域のなかで行われてきた方法もあります。
國學院大學の田口祐子氏による研究では、全国の厄年に関する習俗として、神社参拝のほか、身についたものを落とす・捨てる、物をまく・配る、人を招いて宴や食事を振る舞うといった行為が紹介されています。
現代の生活に取り入れやすい方法を紹介します。
1.不要になった持ち物を手放す
厄落としの代表的な考え方の一つが、身についた厄を物に移して手放すというものです。
昔の習俗では、身につけていた品物を道や境界に落としてくる行為などが行われていました。
現在なら、次のような方法に置き換えられます。
- 長年使っていない衣類を整理する。
- 古くなった財布や小物を買い替える。
- 壊れたアクセサリーや不要な日用品を処分する。
- 使わなくなった書類や雑貨を整理する。
大切なのは、必ず特定の物を捨てなければならないという決まりはないことです。
財布、靴、衣類、アクセサリーなど、生活のなかで区切りをつけたい物を選ぶとよいでしょう。
なお、昔の風習をそのまま再現して、現代の道路や公共施設に物や現金を置いていくのは避けてください。処分する物は自治体のルールに従い、象徴的に手放すだけでも十分です。
2.掃除や整理整頓で生活環境を整える
家の中を掃除することも、現代的な厄落としの方法として取り入れやすい習慣です。
玄関、寝室、水回りなど、毎日使う場所を中心に整理すると、生活環境を見直すきっかけになります。
おすすめの取り組みは次のとおりです。
- 玄関の靴を整理して清潔にする。
- クローゼットから着なくなった服を取り出す。
- キッチンの不要な調理器具や食器を整理する。
- 寝具を洗濯し、寝室を整える。
- 財布やバッグの中身を整理する。
掃除そのものに災厄を取り除く科学的効果が証明されているわけではありませんが、不要な物を減らし、暮らしを整える行動には実生活上のメリットがあります。
3.人に食事や品物を振る舞う
厄落としには、食べ物や品物を他人に分ける習慣もあります。
これは、厄を自分一人で抱え込まず、周囲の人との交流を通して分散させるという民俗的な考え方に関係しています。
特に、厄年を迎えた人が親族や近所の人を招いて食事を振る舞う風習は、日本各地に見られます。
具体的には、次のような方法があります。
- 家族や親族を招いて食事会を開く。
- 友人にお菓子や小さな贈り物を渡す。
- 地域の人に餅や縁起物を配る。
- 普段お世話になっている人に食事をごちそうする。
重要なのは、金額や規模ではありません。
豪華な宴会を開く必要はなく、家族と食卓を囲むだけでも、節目を祝う時間になります。
4.厄落としに取り入れたい食べ物
厄落としに関係する食べ物として知られているのが、豆や餅です。
福豆・炒り大豆
節分の豆まきに使われる豆です。邪気を払い、無病息災を願う意味があります。豆まきの後に食べる家庭もあります。
餅
厄年の人が餅をついて親族や近所の人に配る風習があります。新しい年や人生の節目を祝う食べ物としても親しまれています。
赤飯
お祝いの席で用いられる伝統的な料理です。厄落とし専用の食べ物ではありませんが、厄年の節目に家族で食事をする際にも取り入れられます。
農林水産省によると、豆は古くから五穀の一つとして重要視され、節分の豆まきにも災いを祓うという意味が込められてきました。
食事については、厄落とし専用の決まった献立が全国共通で存在するわけではありません。自分や家族が無理なく楽しめる料理を選びましょう。
5.自宅でできる厄落としの実践例
初めて厄落としをする人は、難しい儀式を考える必要はありません。
例えば、次のような流れで行えます。
身の回りを整理する
不要な物を処分し、玄関や寝室などを掃除する。
気持ちを切り替える
今までの生活を振り返り、これから大切にしたいことを考える。
家族や友人と食事をする
感謝の気持ちを伝えながら、楽しい時間を過ごす。
今後の健康や安全を願う
必要であれば神社やお寺に参拝し、祈願を受ける。
この方法なら、費用をかけずに日常生活のなかで厄落としの考え方を実践できます。
【時期・場所・費用】厄落としはいつする?神社とお寺の選び方
厄落としをする時期は正月から節分が一般的
厄落としや厄払いは、一般的に年明けから節分までの時期に行う人が多く見られます。
その背景には、数え年の考え方があります。
数え年では、新しい年を迎えると年齢が一つ増えるため、正月を新しい厄年の始まりと考え、早い時期に祈願する習慣が定着しました。
また、節分は季節の変わり目であり、古くから邪気を払う行事が行われてきた日です。
ただし、節分を過ぎたら厄払いができなくなるという決まりはありません。
神社本庁の公式案内では、地域に特別な風習がない限り、いつまでに厄払いをしなければならないという期限はなく、誕生日など自分にとって良い日を選んで参拝してよいと説明されています。可能であれば年の早い時期がよいという考え方も紹介されています。
時期ごとの考え方を整理すると、次のとおりです。
- 正月三が日: 新年の参拝と合わせて厄払いをする。
- 1月中旬〜節分: 厄除け祈願を受ける人が多い時期。
- 節分: 豆まきなどの伝統行事を通じて邪気を払う。
- 立春以降: 節分を過ぎていても祈願を受けられる寺社が多い。
- 誕生日: 自分の人生の節目として参拝する方法もある。
2026年の節分は2月3日、立春は2月4日でした。すでに節分を過ぎている場合でも、2026年の厄年に該当する人が祈願を受けることに問題はありません。
節分の厄落としと豆まきの関係
節分の豆まきは、厄落としや邪気払いと深い関係があります。
その起源とされるのが、中国から伝わった「追儺(ついな)」という鬼や疫病を追い払う行事です。
国立国会図書館の解説によると、追儺は平安時代に宮中行事として行われ、江戸時代には庶民にも広がりました。
豆まきでは、穀霊が宿ると考えられた大豆をまき、災いを象徴する鬼を追い払います。「鬼は外、福は内」という掛け声にも、邪気を遠ざけて福を招く意味が込められています。
節分の豆まきを行う際には、家庭で次のように取り入れるとよいでしょう。
1. 炒った豆を用意する。
2. 家の中や玄関などで豆をまく。
3. 「鬼は外、福は内」と声をかける。
4. 豆を食べて無病息災を願う。
豆を食べる数は年齢分などの習慣がありますが、地域や家庭によって異なります。小さな子どもや高齢者は、誤嚥にも注意してください。
厄落としは神社とお寺のどちらで行う?
厄落としをする際に、神社とお寺のどちらを選ぶべきか迷う人もいるでしょう。
結論からいえば、神社でもお寺でも厄除けの祈願を受けられます。
違いは宗教的な背景と儀式の方法です。
神社で行う厄払い
神道に基づく儀式です。神職が祝詞を奏上し、参拝者の厄や穢れを祓うよう祈願します。厄年の祈祷や厄除けのお守りを受けられます。
お寺で行う厄除け
仏教に基づく儀式です。僧侶による読経や護摩祈祷などを通じて、災難を遠ざけ、無事を願います。
神社では神様への祈願、お寺では仏様への祈願という違いがありますが、どちらも人生の節目に無事を願うという目的を持っています。
自分の信仰や家族の習慣、参拝しやすさなどを基準に選ぶとよいでしょう。
厄払いの費用と初穂料はいくら?
神社で祈祷を受ける場合、神様へのお供えとして納める金銭を「初穂料(はつほりょう)」と呼びます。「玉串料」という表記が使われる場合もあります。
金額は神社ごとに異なりますが、実際の公式案内を見ると、5,000円から受け付けている例があります。
具体的には、次のような金額が公表されています。
- 湯島天満宮:5,000円、10,000円、20,000円以上。
- 本郷氷川神社:個人の祈祷は5,000円から。
- 西宮神社:厄除祈祷料は5,000円から。
これらは各神社が公表している料金であり、全国共通の相場や一律の決まりではありません。
お寺の場合は、祈祷料や護摩料などの名称で納めることがあります。金額や授与品は寺院によって異なるため、事前に確認しましょう。
初穂料の包み方と当日の服装
初穂料は、のし袋や白い封筒に入れて持参する方法があります。
一般的には、次のように準備します。
- 表書き:初穂料、または玉串料。
- 名前:水引の下に祈願を受ける人の氏名。
- 金額:神社が指定する金額を用意する。
- 服装:清潔感のある落ち着いた服装。
三浦白山神社の公式FAQでも、のし袋の表書きや名前の記載方法について案内しています。
祈祷を受ける場合は、受付時間や予約の必要性、家族の同伴が可能かどうかも確認しておくと安心です。
【2026年最新版】男女別の厄年一覧!前厄・本厄・後厄は何歳?
厄落としを考えるうえで、まず確認したいのが自分の厄年です。
2026年(令和8年)の厄年は、神社本庁の公式早見表を基準にすると、男性は25歳・42歳・61歳、女性は19歳・33歳・37歳・61歳が代表的な本厄に当たります。
特に男性42歳、女性33歳は大厄と呼ばれ、人生の節目として意識されてきました。
2026年・男性の厄年早見表
- 24歳・前厄: 2003年(平成15年)生まれ
- 25歳・本厄: 2002年(平成14年)生まれ
- 26歳・後厄: 2001年(平成13年)生まれ
- 41歳・前厄: 1986年(昭和61年)生まれ
- 42歳・本厄・大厄: 1985年(昭和60年)生まれ
- 43歳・後厄: 1984年(昭和59年)生まれ
- 60歳・前厄: 1967年(昭和42年)生まれ
- 61歳・本厄: 1966年(昭和41年)生まれ
- 62歳・後厄: 1965年(昭和40年)生まれ
2026年・女性の厄年早見表
- 18歳・前厄: 2009年(平成21年)生まれ
- 19歳・本厄: 2008年(平成20年)生まれ
- 20歳・後厄: 2007年(平成19年)生まれ
- 32歳・前厄: 1995年(平成7年)生まれ
- 33歳・本厄・大厄: 1994年(平成6年)生まれ
- 34歳・後厄: 1993年(平成5年)生まれ
- 36歳・前厄: 1991年(平成3年)生まれ
- 37歳・本厄: 1990年(平成2年)生まれ
- 38歳・後厄: 1989年(平成元年)生まれ
- 60歳・前厄: 1967年(昭和42年)生まれ
- 61歳・本厄: 1966年(昭和41年)生まれ
- 62歳・後厄: 1965年(昭和40年)生まれ
前厄・本厄・後厄の違い
厄年は本厄だけでなく、その前後も含めて3年間を慎重に過ごすという考え方があります。
それぞれの意味は次のとおりです。
- 前厄: 本厄を迎える前の年。厄年に入る準備の期間とされる。
- 本厄: 厄年の中心となる年。特に大厄は注意して過ごすとされる。
- 後厄: 本厄の翌年。厄が明けるまで慎重に過ごす期間とされる。
前厄・本厄・後厄の3年間すべてで祈祷を受ける人もいれば、本厄だけ祈願する人もいます。
どの方法が正しいという全国共通の決まりはありません。寺社によっては3年間の祈祷を勧めるところもあります。
数え年とは?満年齢との違いに注意
厄年を調べる際に注意したいのが、数え年と満年齢の違いです。
満年齢は生まれた日を0歳として、誕生日を迎えるごとに1歳加算する方法です。
一方、数え年は生まれた時点で1歳とし、新年を迎えるごとに1歳加算します。
例えば、2026年に数え年42歳となる1985年生まれの男性は、2026年中の誕生日によって満年齢が40歳または41歳になります。
また、寺社によって年齢の区切り方が異なる場合があります。神社本庁の一般的な説明では元日を基準にしますが、警固神社の案内では2月4日を区切りとする数え方も示されています。
さらに、1989年生まれは、1月7日までが昭和64年、1月8日以降が平成元年です。厄年の確認では、寺社の早見表に記載された生まれ年を確認しましょう。
厄年の年齢は地域や寺社によって異なる
全国すべての神社やお寺で、厄年の年齢が完全に統一されているわけではありません。
例えば、長野県神社庁の案内では、男性・女性ともに61歳のほか、地域や伝承によって異なる年齢が示されています。
大崎八幡宮の2026年の早見表では、一般的な厄年に加えて男女49歳も対象に含まれています。
そのため、ネット上の厄年早見表だけで判断せず、祈願を受ける予定の寺社が公表している最新の表を確認することが大切です。
【地域差とお守り】日本各地の厄落としの風習、失敗しない選び方
厄落としの風習は地域によって大きく違う
厄落としには全国共通の形式があるわけではありません。
昔からの風習は、その土地の暮らしや地域社会のつながり、年齢に対する考え方によって変化してきました。
例えば、愛媛県の民俗資料には、厄年を迎えた人が餅をついて近所や親類に配る事例が記録されています。
愛媛県史『民俗・下』では、新居浜市大島の事例として、男性61歳が餅をついて配る習慣が紹介されています。また、女性33歳の大厄では、実家から親子帯やへこ帯をもらう風習も記録されています。
こうした習慣には、厄を自分だけで抱えず、家族や地域の人々と分かち合うという意味が込められていたと考えられています。
代表的な風習を整理すると、次のようになります。
- 物を落とす・捨てる: 身についた厄を物に移して手放す。
- 餅や豆を配る: 厄を分散させ、人とのつながりを深める。
- 宴会や食事会を開く: 多くの人と食事を共にして節目を祝う。
- 社寺に参拝する: 神仏に祈願して無事を願う。
- 節分の豆まき: 鬼に象徴される邪気を追い払う。
同じ厄年でも、ある地域では厄払いの対象となり、別の地域では盛大な年祝いとして祝われることがあります。
愛媛県史の記録からも、厄年と年祝いが地域によって重なり合っていたことが分かります。
厄落としのお守りはどう選ぶ?
厄落としのお守りを選ぶ際には、まず自分が何を願っているのかを考えることが大切です。
厄除けのお守りには、災難除けや身体健全、家内安全など、さまざまな種類があります。
選ぶときのポイントは次のとおりです。
1.願い事に合ったお守りを選ぶ
災難を避けたいなら厄除守、健康を願うなら身体健全守、家族の無事を願うなら家内安全守など、願いに合わせて選びましょう。
2.参拝した神社やお寺で受ける
参拝先の神様や仏様とのご縁を大切にし、その寺社が授与しているお守りを選ぶ方法です。
3.持ち歩きやすいものを選ぶ
財布やバッグに入れるタイプ、身につけるタイプなど、自分の生活に合った形を選びましょう。
4.返納方法を確認する
一般的には、1年を目安に授かった寺社へ返納する習慣があります。ただし、寺社ごとに取り扱いが異なります。
お守りを複数持つと神様が喧嘩する?
複数の神社のお守りを持つと、神様同士が喧嘩するという話を聞くことがあります。
しかし、これは一般的な神道の決まりではありません。
星川杉山神社の公式FAQでは、複数のお守りを持つことについて、神様同士が喧嘩することはないと説明しています。
そのため、厄除けと交通安全、健康祈願など、異なる願いのお守りを複数持つこと自体を心配する必要はありません。
ただし、必要以上にたくさん購入する必要もありません。自分が大切にできるものを選びましょう。
厄落としでやってはいけないことはある?
厄落としは、恐怖心から無理をして行うものではありません。
特に気をつけたいのは、次のような行為です。
- 不安をあおられて高額な祈祷や商品を契約する。
- 大切な品物を無理に捨てる。
- 公共の場所に物や現金を放置する。
- 厄年だからという理由だけで転職や結婚などを必要以上に避ける。
- お守りを持っていないと不幸になると思い込む。
厄落としは、生活をより良くするための文化的な習慣です。
健康面に不安がある場合は医療機関で相談し、事故や災害への備えは具体的な安全対策を優先しましょう。
【よくある質問】厄落としとは?実践方法や時期に関する疑問を解決
Q1:厄落としは自分一人でもできますか?
A1:できます。不要品を整理する、掃除をする、身につけていた物を手放す、家族や友人と食事をするなど、自宅でできる方法があります。神社やお寺での祈祷は必須ではありません。
Q2:厄落としは節分を過ぎてもできますか?
A2:できます。正月から節分までに行う習慣はありますが、神社本庁の案内でも厄払いに絶対的な期限は設けられていません。自分の都合のよい日を選んで参拝できます。
Q3:厄落としでは何を捨てればよいですか?
A3:不要になった衣類、財布、アクセサリー、日用品など、手放すことで気持ちを切り替えられる物が候補になります。ただし、特定の品物を捨てなければならないという決まりはありません。
Q4:厄落としと厄払いは両方行ってもよいですか?
A4:問題ありません。自宅で身の回りを整理して厄落としを行い、別の日に神社やお寺で祈願することもできます。それぞれの方法に違う意味を持たせて取り入れるとよいでしょう。
Q5:厄年ではない人も厄落としをしてよいですか?
A5:問題ありません。厄落としは厄年だけの行事ではなく、引っ越しや転職、結婚、還暦など人生の節目に行うこともできます。
Q6:厄落としにおすすめの食べ物は何ですか?
A6:節分の福豆や餅などが代表的です。餅を親族や近所に配る地域もあります。ただし、全国共通の決まった献立はありません。家族と食事を楽しみながら無病息災を願う方法でもよいでしょう。
Q7:2026年の女性の大厄は何歳ですか?
A7:数え年33歳です。2026年の場合は1994年(平成6年)生まれの女性が本厄に当たります。前厄は1995年生まれ、後厄は1993年生まれです。
Q8:厄落としの費用はいくら必要ですか?
A8:自分で行う厄落としなら、特別な費用は必要ありません。神社で祈祷を受ける場合は5,000円から受け付けている例がありますが、金額は寺社によって異なります。事前に公式案内を確認しましょう。
まとめ:厄落としは自分に合った方法で人生の節目を整える習慣
厄落としとは、身についたと考えられる厄を手放し、新しい気持ちで日々を過ごすための日本の伝統的な風習です。
その方法は一つではありません。昔から伝わる習慣には、身につけた物を捨てる、餅や豆を配る、人を招いて食事を振る舞う、神社やお寺に参拝するといった多様な形があります。
厄落とし・厄払い・厄除けの違いも、厳密に分断されているわけではありません。自分の願いや目的に合わせて選ぶことが大切です。
2026年の厄年に該当する人は、まず数え年と生まれ年を確認し、必要に応じて神社やお寺の公式早見表を参照しましょう。正月から節分までに祈願する人は多いものの、節分を過ぎていても厄払いを受けられます。
【プロの結論】厄落としで大切なのは、厄年を恐れて生活を制限することではなく、人生の節目を前向きに受け止めることです。
不要な物を整理して暮らしを整える。家族や友人との時間を大切にする。健康診断や生活習慣の見直しを行う。必要であれば寺社で祈願を受ける。
こうした行動を組み合わせることで、厄落としは単なる昔ながらの迷信ではなく、自分の暮らしを見直すきっかけになります。
2026年の厄年を迎えている人も、そうでない人も、自分に合った無理のない方法で、新しい一年や人生の次の段階を気持ちよく迎えてみてはいかがでしょうか。 (出典: 厄落とし と は(Yahoo!ニュース))