膝の裏が痛い原因は?曲げる・伸ばす・歩く痛みと腫れの見分け方、受診目安を徹底解説
膝の裏が痛いとき、原因として考えられるのは、ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)、半月板損傷、変形性膝関節症、筋肉や腱の炎症などです。痛みが出るタイミングによって疑われる病気は異なり、膝を曲げたときに痛むのか、伸ばしたときに突っ張るのか、歩くと痛みが強くなるのかによって、原因を絞り込む手掛かりが得られます。
特に注意したいのが、膝裏からふくらはぎにかけて腫れや痛みが現れる深部静脈血栓症です。血栓が肺に移動すると命に関わる肺塞栓症を引き起こす可能性があるため、単なる筋肉痛や関節の不調と決めつけるのは危険です。2026年現在の整形外科・血管疾患に関する医学情報を踏まえ、症状別の見分け方、受診する診療科、超音波検査やMRIによる診断、家庭での対処法まで詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
膝裏の痛みにはベーカー嚢腫、半月板損傷、変形性膝関節症、筋肉・腱の炎症など複数の原因がある。 曲げる・伸ばす・歩くといった動作や、腫れ・しこりの有無は原因を推測する手掛かりになる。 片足の急な腫れや熱感、赤みを伴う痛みは深部静脈血栓症の可能性があり、早急な受診が必要。 基本的な受診先は整形外科。必要に応じて超音波検査、レントゲン、MRIなどを使い分ける。
【原因を徹底解説】膝の裏が痛いときに考えられる代表的な7つの病気
膝の裏側には、膝関節を支える筋肉や腱、靱帯、関節包、血管、神経などが集まっています。そのため、痛む場所が同じでも、実際に問題が起きている組織は異なる場合があります。
膝裏の痛みを理解するうえで押さえておきたいのは、痛みそのものだけでなく、腫れの有無、発症したきっかけ、動作による変化を組み合わせて考えることです。
1. ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)
膝の裏に膨らみやしこりを感じる場合、代表的な原因の一つがベーカー嚢腫です。
ベーカー嚢腫とは、膝関節の後ろ側に関節液がたまって袋状に膨らんだ状態を指します。膝の内部に炎症が起こると関節液が増え、その液体が膝裏の滑液包にたまることで発生します。
背景にある病気として、変形性膝関節症や半月板損傷などが挙げられます。
主な症状は次のとおりです。
- 膝裏に柔らかい膨らみやしこりがある
- 膝を伸ばすと裏側が突っ張る
- 膝を深く曲げると圧迫感がある
- 膝裏に張りや重苦しさを感じる
- 場合によっては、ふくらはぎまで腫れる
特徴的なのは、膝裏に何かが詰まっているような感覚です。嚢腫が大きくなると、膝を完全に伸ばしにくくなることもあります。
米国整形外科学会(AAOS)の患者向け医療情報でも、ベーカー嚢腫は膝裏の膨らみや不快感、膝のこわばりを生じさせる病態として説明されています。超音波検査では内部が液体なのか固形物なのかを確認でき、MRIでは嚢腫と膝関節内部の異常を詳しく調べられます。
なお、ベーカー嚢腫そのものが必ずしも危険というわけではありません。しかし、破裂すると液体がふくらはぎ側に広がり、痛みや腫れが生じる場合があります。深部静脈血栓症と症状が似ることもあるため、急にふくらはぎが腫れた場合は自己判断を避けてください。
2. 半月板損傷
半月板は、大腿骨と脛骨の間にあるC字型の軟骨組織です。膝の内側と外側にそれぞれ存在し、体重による衝撃を吸収したり、関節を安定させたりする役割を担っています。
スポーツ中の急な方向転換や膝のひねり、深くしゃがみ込む動作などによって損傷することがあります。また、中高年では加齢による変性によって、比較的小さな負荷でも傷つく場合があります。
膝裏の痛みと関係するのが、半月板の後方部分である後節の損傷です。
代表的な症状は以下のとおりです。
- 膝を曲げたり伸ばしたりすると痛む
- しゃがむと膝の奥に痛みが走る
- 歩行時に膝が引っ掛かる
- 膝に水がたまって腫れる
- 膝が突然動かなくなるロッキングが起こる
特に、膝を伸ばそうとしても途中で引っ掛かり、動かせなくなる場合は注意が必要です。
半月板損傷では、単なる筋肉痛とは異なり、関節内部の引っ掛かりや可動域制限を伴うことがあります。
日本整形外科学会の「半月(板)損傷」に関する情報でも、半月板損傷は膝関節の代表的な疾患として扱われています。MRIは損傷部位や形状を確認するうえで重要な検査です。
3. 変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、関節に炎症や変形が生じる病気です。
加齢、体重による負担、過去の膝のけが、筋力低下などが発症や進行に関係します。
日本整形外科学会によると、変形性膝関節症は女性に多く、高齢になるほど罹患率が高くなる傾向があります。
よく見られる症状は次のとおりです。
- 朝起きて動き始めると膝が痛い
- 長時間座った後、立ち上がると痛む
- 階段の上り下りがつらい
- 正座やしゃがみ込みが難しくなる
- 膝に水がたまる
変形性膝関節症では、膝の前面や内側に痛みが出ることも多く、必ずしも膝裏だけが痛むわけではありません。
ただし、関節内部の炎症によって関節液が増えたり、ベーカー嚢腫を併発したりすると、膝裏の張りや痛みにつながることがあります。
日本整形外科学会は、診断に問診、診察、レントゲン検査などを用い、必要に応じてMRI検査を行うと説明しています。治療では運動療法、体重管理、薬物療法などが検討されます。
4. 膝窩筋腱炎(しつかきんけんえん)
膝窩筋は膝関節の後ろ側から外側に位置する小さな筋肉で、膝の曲げ伸ばしや回旋運動を補助しています。
この筋肉や腱に負担がかかって炎症や損傷が生じると、膝裏の外側に痛みが現れることがあります。
特に、次のような動作が負担になる場合があります。
- ランニング
- 下り坂を走る動作
- 急な方向転換
- 膝をひねる運動
- 繰り返しの膝の曲げ伸ばし
膝窩筋腱の障害は、膝裏の外側に痛みが出る原因の一つですが、半月板損傷などと症状が似ているため、自己判断は困難です。
医学文献のレビューでも、膝窩筋腱障害は比較的まれで、膝の後外側の痛みや不安定感などを示すことが報告されています。MRIなどを組み合わせて診断します。
5. ハムストリング腱炎
ハムストリングは太ももの裏側にある筋肉群で、膝を曲げたり、股関節を伸ばしたりする働きを担います。
この筋肉の腱は膝裏の内側や外側にも付着しているため、使い過ぎや急な負荷によって炎症や腱障害が起きると、膝裏に痛みを感じることがあります。
症状の特徴は以下のとおりです。
- 走った後に膝裏が痛む
- 太ももの裏から膝裏にかけて張る
- 膝を曲げる動作で痛みが強くなる
- 膝を伸ばして筋肉を引き伸ばすと痛い
- 運動を続けると痛みが増す
長時間のランニングや急激な運動量の増加、準備運動不足などが負担になる場合があります。
特に、膝を曲げる筋肉に力を入れたときに痛む場合は、腱や筋肉の障害も検討されます。
6. 腓腹筋など、ふくらはぎの筋肉の損傷
膝裏のすぐ下には、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋の付着部があります。
運動中に急に走り出したり、ジャンプしたりすると筋肉や腱に負荷がかかり、膝裏からふくらはぎの上部に痛みが出ることがあります。
筋肉を伸ばすと痛む、つま先立ちで痛む、運動後に局所的な圧痛があるといった場合は、筋肉や腱の障害も考えられます。
ただし、ふくらはぎの腫れや痛みは深部静脈血栓症でも起こるため、運動後だからといって筋肉の損傷と決めつけないことが大切です。
7. 深部静脈血栓症
膝裏の痛みで特に見逃してはいけないのが、深部静脈血栓症(DVT)です。
深部静脈血栓症とは、足から心臓に血液を戻す深い静脈に血栓ができ、血液の流れが妨げられる病気です。
典型的な症状は以下のとおりです。
- 片足だけが急に腫れる
- ふくらはぎや太ももに痛みがある
- 足が熱っぽく感じる
- 皮膚が赤くなったり、暗赤色に変化したりする
- 足全体に重だるさや圧迫感がある
長時間の飛行機や車での移動、手術後の安静、長期間の寝たきり、妊娠・産後、がん、過去の血栓症などはリスクに関係します。
深部静脈血栓症で最も警戒すべき合併症が肺塞栓症です。血栓の一部が血流に乗って肺の血管に詰まると、突然の息切れや胸痛、失神などを引き起こすことがあります。
日本血管外科学会や日本の静脈血栓塞栓症に関する医学情報でも、片側の下肢の腫れや疼痛、皮膚の色調変化などが重要な症状として説明されています。
【症状から見分ける】膝裏を曲げる・伸ばす・歩くと痛い場合の違い
膝裏の痛みは、どの動作で強くなるかによって、疑われる原因が変わります。
ただし、痛み方だけで病名を確定することはできません。以下は医療機関を受診する際に、自分の症状を整理するための目安です。
膝裏を曲げると痛い場合
膝を深く曲げたときに痛む場合は、次のような原因が考えられます。
半月板損傷
しゃがみ込む、正座する、膝をひねるといった動作で関節内部に負荷がかかり、痛みや引っ掛かりが生じることがあります。
ベーカー嚢腫
膝裏に袋状の膨らみがあると、膝を深く曲げた際に圧迫感や張りを感じることがあります。
筋肉・腱の炎症
ハムストリングや腓腹筋などに炎症がある場合、筋肉を収縮させる動作で痛みが出ることがあります。
特に、曲げる途中で膝が引っ掛かる、突然動かせなくなる場合は、半月板損傷など関節内部の異常も考えられます。
膝裏を伸ばすと痛い場合
膝をまっすぐに伸ばしたときに痛む場合は、膝裏の組織が引き伸ばされたり、膝の内部に圧力がかかったりしている可能性があります。
代表的なのはベーカー嚢腫です。
嚢腫が膨らんでいると、膝を伸ばしたときに膝裏の突っ張りや圧迫感が強くなることがあります。
また、ハムストリングや腓腹筋の腱の障害、関節包周辺の炎症などでも伸展時の痛みが生じます。
膝が途中までしか伸びない場合や、引っ掛かって動かなくなる場合は、無理に伸ばそうとせず整形外科を受診してください。
膝裏が歩くと痛い場合
歩行中に膝裏が痛む場合は、関節内部の異常と筋肉・腱の障害の両方を考える必要があります。
- 歩き始めに痛む:変形性膝関節症など
- 長く歩くと痛む:関節への負荷や筋肉・腱の障害
- 歩くと引っ掛かる:半月板損傷など
- 膝裏に張りを感じる:ベーカー嚢腫など
- 片足が腫れて熱を持つ:深部静脈血栓症など
日本整形外科学会によると、変形性膝関節症では初期に立ち上がりや歩き始めの痛みが出やすく、進行すると階段昇降や正座なども難しくなることがあります。
症状と考えられる原因の比較表
以下に、症状の特徴と主な原因の関係を整理しました。
この表は症状から原因を考えるための参考情報であり、診断基準ではありません。特にベーカー嚢腫の破裂と深部静脈血栓症は、症状が似ることがあります。
【見逃し厳禁】膝裏の腫れや痛みで深部静脈血栓症を疑うべき症状
膝裏の痛みを感じたとき、多くの人は関節や筋肉の問題を考えます。しかし、血管の病気が原因である可能性も忘れてはいけません。
深部静脈血栓症は、初期には症状が目立たない場合もあり、痛みの程度だけで危険性を判断することはできません。
片足だけが腫れている場合は要注意
左右の足を比べて、一方だけが明らかに太くなっている場合は注意が必要です。
特に次の症状が重なる場合、深部静脈血栓症の可能性があります。
- 片方のふくらはぎが急に腫れた
- 膝裏からふくらはぎにかけて痛む
- 足が熱を持っている
- 皮膚の色が赤黒く変化している
- 長時間座り続けた後に症状が出た
- 手術や入院の後に足が腫れてきた
日本の静脈血栓塞栓症に関する2025年改訂版ガイドラインでも、片側の下肢の腫脹、浮腫、疼痛、色調変化などが診断時に確認すべき所見として整理されています。
胸痛や息切れがある場合は救急対応が必要
足の腫れや痛みに加えて、次のような症状が突然現れた場合は、肺塞栓症の可能性があります。
- 突然、息が苦しくなる
- 胸が痛む
- 深呼吸すると胸痛が強くなる
- 動悸が激しくなる
- 意識が遠のく、失神する
- 血の混じった痰が出る
この場合は様子を見ず、日本国内なら119番に連絡して救急車を要請してください。
肺塞栓症は迅速な治療が必要な病気です。自分で車を運転して受診することは避けてください。
ベーカー嚢腫と深部静脈血栓症はどう違う?
両者は膝裏からふくらはぎにかけて痛みや腫れを生じるため、見た目だけで判断することはできません。
ベーカー嚢腫は膝関節の後ろに液体がたまる病態ですが、深部静脈血栓症は静脈の内部に血栓ができる病気です。
嚢腫が破裂した場合には、ふくらはぎの急な痛みや腫れが起こり、血栓症と似た症状になることもあります。
したがって、急な片足の腫れや痛みがある場合は、自己判断でマッサージをしたり、強く揉んだりせず、速やかに医療機関で評価を受けることが大切です。
【検査と診断】膝裏の痛みは整形外科で何を調べる?
膝裏の痛みが続く場合、最初の受診先として適しているのは整形外科です。
診察では痛む場所だけでなく、膝の可動域、腫れ、筋肉や腱の状態、歩行の様子などを確認します。
必要に応じて画像検査や血液検査を組み合わせ、原因を絞り込みます。
1. 問診と触診
最初に確認されるのは、痛みが始まった時期やきっかけです。
医師は次のような点を確認します。
- いつから痛み始めたか
- スポーツや転倒などのきっかけがあるか
- 曲げると痛いのか、伸ばすと痛いのか
- 歩行や階段で痛みが強くなるか
- 膝裏に腫れやしこりがあるか
- ふくらはぎにも痛みや腫れがあるか
- 過去に膝のけがや手術を経験したか
触診では、膝裏の膨らみや圧痛、関節の腫れなどを確認します。
半月板損傷が疑われる場合は、医師が膝を曲げたり伸ばしたりしながら、関節内部に痛みや引っ掛かりが生じるかを調べることもあります。
2. 超音波検査(エコー)
超音波検査は、膝裏の腫れやしこりの原因を調べる際に役立ちます。
主な特徴は以下のとおりです。
- 放射線被ばくがない
- 液体がたまっているか確認できる
- ベーカー嚢腫の位置や大きさを調べられる
- 筋肉や腱の状態を観察できる
- 血流を調べるドプラ法を利用できる
特に、深部静脈血栓症が疑われる場合には、血管の超音波検査(静脈エコー・デュプレックス超音波検査)が重要です。
筋肉や関節を調べる一般的な超音波検査と、血管内の血栓を調べる検査は目的が異なるため、疑われる病気に応じた検査が必要です。
3. レントゲン検査
レントゲン検査では、骨の変形や関節の隙間の狭さなどを確認できます。
変形性膝関節症が疑われる場合には、特に有用です。
ただし、半月板や腱などの軟部組織は通常のレントゲン画像には直接映らないため、異常が見つからなかったからといって、膝裏の痛みの原因がすべて否定されるわけではありません。
4. MRI検査
MRIは、膝関節内部の軟部組織を詳しく調べるための検査です。
主に次のような異常を確認します。
- 半月板損傷
- 靱帯損傷
- 関節軟骨の異常
- ベーカー嚢腫
- 筋肉や腱の損傷
- 関節内部の炎症や液体貯留
2026年7月27日に公開され、同年9月18日に更新された日本医学放射線学会のガイドライン解説では、半月板・十字靱帯損傷の診断にMRIが有用であり、推奨されるとしています。
一方で、MRIだけで判断するのではなく、病歴や整形外科医による診察と組み合わせることが望ましいとされています。
5. 血液検査
深部静脈血栓症が疑われる場合には、Dダイマーという血液検査が行われることがあります。
Dダイマーは、血栓が形成され分解される過程で生じる物質を調べる検査です。
ただし、数値が高いからといって必ず血栓があるわけではありません。逆に、症状や検査前のリスク評価を無視して、数値だけで安全と判断することもできません。
必要に応じて静脈エコーなどの画像検査と組み合わせます。
【対処法と受診先】膝裏が痛いときに自宅でできること・避けたいこと
膝裏の痛みが軽く、強い腫れや外傷、血栓症を疑う症状がない場合には、まず膝にかかる負担を減らすことが基本です。
ただし、原因によって適切な対処法は異なります。
自宅でできる基本的な対処法
1. 痛みが出る動作を一時的に控える
ランニング、ジャンプ、深いスクワット、長時間の歩行など、痛みを強くする動作は一時的に減らします。
痛みを我慢して運動を続けると、筋肉や腱、関節への負担が増す可能性があります。
2. 急な痛みや腫れには冷却を検討する
運動後や急性の炎症が疑われる場合には、タオルで包んだ保冷剤などを使い、短時間冷やす方法があります。
皮膚に直接氷を当てず、10〜15分程度を目安にしてください。
ただし、急な片足の腫れなど血栓症が疑われる場合は、冷却して様子を見るのではなく受診を優先します。
3. 脚を無理のない範囲で休ませる
横になったときにクッションなどで脚を少し高くすると、腫れや不快感が和らぐ場合があります。
痛みが増す姿勢は避け、無理に膝を曲げ伸ばししないことも大切です。
4. 症状が落ち着いてから運動療法を検討する
変形性膝関節症や筋肉の機能低下が関係している場合には、医師や理学療法士の指導による運動療法が役立つことがあります。
ただし、半月板損傷や嚢腫、急性の炎症などがある場合には、運動内容を調整する必要があります。
逆効果になる可能性がある行動
次の行動は避けるか、医師に確認してから行ってください。
- 痛みを我慢してランニングを続ける
- 膝裏のしこりを強く揉む
- 痛みがあるのに無理やりストレッチする
- 原因が分からないまま強い筋力トレーニングをする
- 腫れや痛みを長期間放置する
特に深部静脈血栓症が疑われる場合は、マッサージや運動で自己対処しようとせず、医療機関で評価を受けてください。
膝裏の痛みは何科に行けばいい?
基本的には整形外科が第一の選択肢です。
ただし、症状によっては血管外科や循環器内科など、別の診療科が適している場合もあります。
- 膝裏を曲げる・伸ばすと痛い: 整形外科
- 膝裏にしこりがある: 整形外科
- 半月板損傷が疑われる: 整形外科
- 運動後に膝裏が痛い: 整形外科
- 片足が急に腫れ、熱感や痛みがある: 救急外来、血管外科、循環器内科などで速やかに評価
- 胸痛や突然の息切れがある: 119番で救急要請
また、発熱を伴う膝の赤みや強い腫れ、歩けないほどの痛み、外傷後に急に膝が動かなくなった場合も、早急な診察が必要です。
【プロの結論】膝裏の痛みは「痛む動作」と「腫れの有無」の組み合わせで考える
膝裏の痛みを見分けるうえで、特に大切なのは、痛む場所だけで病気を判断しないことです。
膝裏という限られた場所には、関節内部の構造、筋肉、腱、血管などが集まっています。同じ場所の痛みでも、原因が違えば必要な検査も治療も変わります。
例えば、膝裏にしこりがある場合はベーカー嚢腫が候補になりますが、腫れが急にふくらはぎまで広がった場合は、嚢腫の破裂や深部静脈血栓症なども考えなければなりません。
また、膝を曲げたときの引っ掛かりやロッキングは半月板損傷を疑う手掛かりになりますが、症状だけで確定はできません。
医療機関を受診する際には、次の情報を整理しておくと診断に役立ちます。
- 痛みが始まった日
- 痛む場所が膝裏の中央・内側・外側のどこか
- 曲げる・伸ばす・歩くのどの動作で痛むか
- 腫れやしこりがあるか
- 左右の足で太さに違いがあるか
- 運動、けが、長時間の移動、手術などの経緯
特に、片足の急な腫れや熱感を伴う場合には、整形外科的な原因だけに目を向けず、血管の病気を除外することが重要です。
【膝の裏が痛い】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:膝の裏が痛いとき、最も多い原因は何ですか?
A1:原因は年齢や運動習慣、発症のきっかけによって異なります。ベーカー嚢腫、半月板損傷、変形性膝関節症、筋肉・腱の障害などが代表的です。膝裏に膨らみがある場合はベーカー嚢腫、膝の曲げ伸ばしで引っ掛かる場合は半月板損傷などが候補になります。
Q2:膝裏を曲げると痛い場合は半月板損傷ですか?
A2:半月板損傷の可能性はありますが、それだけでは判断できません。ベーカー嚢腫や筋肉・腱の障害でも曲げたときに痛みます。膝の引っ掛かりやロッキング、腫れなどを伴う場合は整形外科で検査を受けてください。
Q3:膝裏を伸ばすと突っ張るのはなぜですか?
A3:ベーカー嚢腫による圧迫感や、ハムストリング・腓腹筋などの筋肉や腱の障害が考えられます。膝関節内部の炎症や可動域制限が関係する場合もあるため、症状が続くときは受診しましょう。
Q4:膝裏にしこりがある場合は何の病気ですか?
A4:代表的な原因はベーカー嚢腫です。膝関節の後ろに関節液がたまり、袋状に膨らんだ状態です。ただし、しこりの原因はほかにもあるため、超音波検査などで確認することが大切です。
Q5:膝裏が痛いときは何科を受診すればいいですか?
A5:基本的には整形外科です。半月板損傷、ベーカー嚢腫、変形性膝関節症、筋肉・腱の障害などを調べられます。一方、片足の急な腫れや熱感がある場合は深部静脈血栓症も考えられるため、救急外来などで速やかな評価が必要です。
Q6:膝裏の痛みはMRIを受ければ原因が分かりますか?
A6:MRIは半月板、靱帯、軟骨、筋肉、腱などの状態を詳しく調べるのに役立ちます。ただし、問診や診察と組み合わせて判断する必要があります。ベーカー嚢腫には超音波検査も有用で、深部静脈血栓症には血管の超音波検査が重要です。
Q7:膝裏の痛みは自然に治りますか?
A7:軽い筋肉の負担などであれば、運動量を調整することで改善する場合があります。一方、半月板損傷やベーカー嚢腫、変形性膝関節症などでは、原因に応じた治療が必要になることがあります。片足の急な腫れや息切れ、胸痛がある場合は自然に治るのを待ってはいけません。
まとめ:膝の裏が痛いときは原因の見極めと早めの受診が大切
膝の裏が痛い原因には、ベーカー嚢腫、半月板損傷、変形性膝関節症、膝窩筋腱炎、ハムストリング腱炎など、さまざまな病気や障害があります。
曲げると痛い場合は関節内部や筋肉への負担、伸ばすと突っ張る場合はベーカー嚢腫や腱の障害、歩くと痛む場合は関節疾患や筋肉の障害などが考えられます。
一方、片足だけが急に腫れたり、熱感や皮膚の色の変化を伴ったりする場合は、深部静脈血栓症を見逃してはいけません。突然の胸痛や息切れがあれば救急対応が必要です。
検査では、診察に加えて超音波検査、レントゲン、MRI、必要に応じて血液検査などが使い分けられます。
大切なのは、痛みの強さだけで判断せず、発症のきっかけ、痛む動作、腫れの有無を組み合わせて考えることです。 膝裏の痛みが続く、歩行に支障がある、しこりがあるといった場合には整形外科を受診し、原因に合った治療につなげてください。急な片足の腫れや呼吸器症状がある場合は、受診を先延ばしにしないことが命を守る判断につながります。 (出典: 膝 の 裏 が 痛い(Yahoo!ニュース))