クッキングシートで揚げ物は大丈夫?かき揚げと紙箱調理の危険性・安全な使い方を2026年最新解説
クッキングシートを使って揚げ物をしても大丈夫なのか。SNSやテレビで紹介された「少量の油で唐揚げができる紙箱調理」を見て、試してみたいと思った人もいるのではないでしょうか。一方、2023年にはBuzzFeed Japanがクッキングシートを使った揚げ物の裏技を紹介した後、誤った情報として謝罪・記事削除に至った経緯もあります。
実は、クッキングシートを揚げ物に使う行為は、すべてが危険というわけではありません。メーカーが認めているかき揚げの型としての使用と、紙を箱状にして油を入れ、フライパンで加熱する方法では、安全性の考え方が大きく異なります。2025年にはTBSの番組でも紙箱を使った唐揚げの方法が紹介され、再び関心を集めました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:クッキングシートをかき揚げの型として使う方法は、メーカーが認めている製品であれば可能。ただし油はねに注意が必要。
- 要点2:紙箱に油を入れて加熱する方法は、耐熱温度250℃の表示だけでは安全性を判断できない。製品の使用条件と調理器具の制限を確認する必要がある。
- 要点3:シリコーン加工の耐油紙でも燃えることがある。直火への接触や許容温度・時間の超過は避ける。
【先に結論】クッキングシートで揚げ物は大丈夫?使い方によって答えが違う
クッキングシートを揚げ物に使えるかどうかは、何のために使うのかによって答えが変わります。
代表的なのが、かき揚げの形を整えるためにシートを使う方法です。これは旭化成ホームプロダクツのお客様相談室でも、リードホットクッキングシートの使用方法として案内されています。
一方、紙を箱型に折り、その中に油を注いでフライパンで加熱する方法は別問題です。耐熱温度250℃という表示があっても、その製品がガスコンロでのフライパン調理や、紙箱を油の容器として使う方法まで認めているとは限りません。
特に注意したいのは、クッキングシートが耐油紙だからといって、油を入れて加熱する容器として安全であるとは限らない点です。耐油性と耐火性は別の性能です。
したがって、一般家庭での判断基準は次のようになります。
- メーカーが認める方法でかき揚げの型に使う:条件付きで可能。
- 紙箱に油を入れて加熱する:製品の明確な使用許可がない限り避ける。
- ガスコンロのフライパンにシートを敷く:製品によって禁止されているため、必ず取扱説明を確認する。
- クッキングシートで食材を包んで揚げる:内部の空気が膨張する危険があり、メーカーが禁止している製品もある。
「クッキングシートは揚げ物に絶対使えない」という説明も、「250℃対応ならどんな揚げ方でも大丈夫」という説明も、正確ではありません。
【使い方別に比較】かき揚げ・唐揚げ・紙箱調理は何が違う?
検索する人が特に迷いやすいのが、かき揚げを作るときのシート使用と、唐揚げを少量の油で作る紙箱調理の違いです。
どちらもクッキングシートと油を組み合わせますが、紙の役割や加熱環境が異なります。
| 使用方法 | 具体的な使い方 | 安全性・注意点 |
|---|---|---|
| かき揚げの型 | シートにタネをのせ、油に入れる | メーカーが認める製品であれば使用可能。油はねとシートの浮上に注意 |
| 紙箱で唐揚げ | 箱状のシートに油を入れて加熱する | 製品によって使用条件が異なる。耐熱温度だけで安全と判断しない |
| フライパンに敷く | シートを敷いたフライパンで加熱する | ガスコンロでは使用不可とする製品がある |
| 包み揚げ | 食材をシートで包み、そのまま油に入れる | 内部の空気が膨張して破裂する危険がある |
| 少量の油で揚げ焼き | フライパンに直接油を入れて調理する | 紙箱を使わず、調理器具の説明書に従って油量と加熱を管理する |
かき揚げはクッキングシートを型として使える
かき揚げは、野菜や魚介類などをまとめたタネが油の中で崩れやすい料理です。そこで、クッキングシートを一時的な台として使う方法があります。
旭化成ホームプロダクツの公式FAQでは、リードホットクッキングシートについて、シートの上にタネをのせて油に入れる方法を案内しています。
ただし、メーカーは同時に重要な注意点も示しています。食材とシートの間にある空気が膨張し、油がはねるおそれがあること、浮いてきたシートは速やかに取り除くことです。
つまり、クッキングシートを揚げ物に使えるという情報には、メーカーが認めた特定の用途が存在します。しかし、それを紙箱調理や包み揚げにまで拡大解釈してはいけません。
唐揚げを紙箱で揚げる方法は別の判断が必要
唐揚げの場合、紙箱を作り、その中に油を入れて加熱する方法が紹介されています。
2025年1月30日放送のTBS『THE TIME,』では、料理研究家の島本美由紀さんがクッキングシートを使った紙箱調理を紹介しました。
番組で紹介された方法では、シリコーン加工の耐油紙で箱を作り、フライパンに置いてから約1.5cmの油を注ぎ、約170℃で鶏肉を4分程度揚げるという内容でした。食材を少量にし、温度を確認しながら、その場を離れずに調理するという注意も添えられています。
番組では、フライパンに直接油を入れる場合と比べ、油の使用量を約半分にできる利点も紹介されました。
ただし、これは番組で紹介された特定の調理方法です。すべてのメーカーのクッキングシートが同じ使用条件を満たすという意味ではありません。自宅の製品の説明書に紙箱調理やガスコンロでの使用が認められていなければ、同じ方法を再現するべきではありません。
【危険な理由】クッキングシートに油を入れて加熱すると何が起こる?
クッキングシートを使った揚げ物で注意したいのは、紙そのものの燃焼リスクだけではありません。油の過熱、フライパンの空焚き状態、紙と食材の間に残る空気など、複数の危険が重なります。
1.耐油紙でも火がつく可能性がある
一般的なクッキングシートは、紙をシリコーン樹脂で加工したものです。食材がくっつきにくく、油や水分が通りにくいという特長があります。
しかし、これは紙が燃えないという意味ではありません。
例えば、東洋アルミエコープロダクツのクッキングシートは、両面シリコーン加工耐油紙で、耐熱温度は250℃(20分)と表示されています。同社は直火での使用や、250℃で20分以上の使用について、シートが燃えることがあるとして禁止しています。
シートがコンロの火や高温部分に触れれば、想定外の加熱が起こる可能性があります。紙箱を使った場合も、箱の形が崩れる、油が漏れる、シートがフライパンからはみ出すといった状態は避けなければなりません。
2.少量の油だから安全とは限らない
紙箱調理が注目される理由の一つは、少量の油で揚げ物ができることです。しかし、油の量が少なければ火災の危険がなくなるわけではありません。
大阪市消防局が公開しているガスコンロの注意喚起では、天ぷら油は約370~390℃で自然発火すると説明されています。さらに、同局が示す実験例では、強い火力のガスコンロで50ccの油が約3分35秒で367℃に達しています。
これは特定の実験条件での結果ですが、少量の油は短時間で温度が上昇する可能性があることを示しています。
紙箱に油を入れて加熱する場合も、少量だから放置してよいということにはなりません。油の温度管理とコンロの使用条件を守る必要があります。
3.フライパンが空焚き状態になる可能性がある
2023年のBuzzFeed Japanの問題でも、大きな論点となったのがフライパンへの影響でした。
フライパンの中に紙箱を置き、その中だけに油を入れると、フライパン本体の底面には十分な油が接触しません。そのため、調理器具や加熱条件によっては、フライパンが空焚きに近い状態になる可能性があります。
特にフッ素樹脂加工のフライパンでは、過度な加熱によって加工面が損傷するおそれがあります。
クッキングシートの耐熱温度を満たしていることと、フライパン本体が安全に使用できることは、別々に判断しなければなりません。
4.食材とシートの間の空気が油はねを起こす
かき揚げのように食材をシートにのせて油に入れる場合でも、注意すべき点があります。
食材とシートの間に空気が閉じ込められると、加熱によって空気が膨張します。その結果、油がはねる可能性があります。
旭化成ホームプロダクツが公式FAQで注意を呼びかけているのも、この現象です。
また、食材をシートで完全に包む包み揚げについては、同社のクックパー公式FAQが、内部の空気がはじける危険性を理由に使用を禁止しています。
シートを使うときは、単に耐熱温度だけでなく、空気の逃げ道やシートの動きにも注意する必要があります。
【ネット情報を検証】BuzzFeed Japanの誤情報問題と2025年の紙箱調理
クッキングシートを使った揚げ物が危険なのかという疑問には、ネットメディアの過去の訂正と、その後にテレビで紹介された調理法の経緯も関係しています。
2023年5月31日:BuzzFeed Japanが裏技を紹介
2023年5月31日、BuzzFeed Japan傘下のTasty Japanは、「少ない油で揚げ物ができる」として、フライパンに箱状のクッキングシートを置き、その中で揚げ物をする方法を記事と動画で紹介しました。
記事には、シリコーン加工の耐油紙を使用することや、耐熱温度250℃の製品を選ぶことなどの注意書きがありました。
しかし、動画投稿ではこうした注意事項が十分に伝わらず、フライパンが空焚き状態になる可能性や、フッ素樹脂加工のフライパンへの影響などをめぐって批判が集まりました。
2023年6月1日:謝罪と記事削除
BuzzFeed Japanは2023年6月1日、該当記事と投稿について「誤った情報を掲載してしまった」と謝罪し、記事を削除しました。
ITmedia系ニュースサイト「ねとらぼ」が報じた謝罪内容によると、問題の調理方法によってフライパンが空焚き状態になり、フッ素樹脂加工のフライパンが損傷する可能性が判明したことが削除理由でした。
この出来事から分かるのは、クッキングシートの素材や耐熱温度だけを説明しても、調理器具との組み合わせや実際の加熱環境まで安全だとは判断できないということです。
2025年1月29~30日:ゴミ箱折りと紙箱唐揚げが再び話題に
2025年1月29日には、noteにクッキングシートを「ゴミ箱折り」にして少量の油で揚げ物をする方法を紹介する投稿が掲載されました。
翌30日には、TBS『THE TIME,』でも料理研究家の島本美由紀さんによる紙箱調理が紹介されました。
この放送では、クッキングシートで箱を作り、少量の油で唐揚げを調理する方法が取り上げられています。使用後のシートを再利用しないことや、油を処理するときは十分に冷やすことなども説明されました。
こうした経緯を見ると、2023年のBuzzFeed Japanの謝罪と、2025年のテレビでの調理実演は、一見すると矛盾しているように感じられます。
しかし、両者を同じものとして扱うことはできません。製品の種類、使用するコンロ、フライパンの構造、加熱時間、油量などが異なるためです。
2025年にテレビで紹介されたからといって、2023年に問題となった方法がすべての製品で安全になったわけではありません。メーカーの使用条件を優先する必要があります。
【安全な使い方】耐熱温度250℃・シリコーン加工耐油紙の正しい確認方法
クッキングシートを安全に使用するためには、パッケージに記載された材質、耐熱温度、使用時間、対応する調理器具を確認することが欠かせません。
耐熱温度250℃は万能の安全保証ではない
クッキングシートの耐熱温度としてよく見かけるのが250℃です。
ただし、250℃という数字だけを見て、揚げ物や紙箱調理に使えると判断するのは危険です。
旭化成ホームプロダクツのクックパーについては、公式FAQで250℃・20分から300℃・5分という使用温度と時間の目安を案内しています。つまり、高温になるほど使用可能な時間が短くなる製品もあります。
また、同じクッキングシートという名称でも、製品によって仕様が異なります。必ず手元にある商品のパッケージを確認してください。
シリコーン加工の耐油紙とは?
シリコーン加工耐油紙とは、紙の表面にシリコーン樹脂による加工を施したものです。
主な役割は、食材が紙にくっつくのを防ぎ、油や汁が通りにくくすることです。オーブン料理や蒸し料理、お菓子作りなどで使われています。
しかし、耐油性があるからといって、紙の内部に油をためて長時間加熱してもよいという意味ではありません。
耐油性、耐熱性、耐火性はそれぞれ異なる性質です。特に直火に触れる使用は、耐熱温度の表示にかかわらず避ける必要があります。
フライパン使用はガスコンロとIHで異なる
クッキングシートをフライパンに敷く場合にも注意が必要です。
旭化成ホームプロダクツの公式FAQでは、クックパーのクッキングシートについて、IHクッキングヒーターでは調理器具の取扱説明書に従い、耐熱温度と時間を超えない範囲で使用するよう案内しています。一方、ラジエントヒーターは使用不可としています。
また、リードホットクッキングシートのFAQでは、ガスコンロでフライパンを使った加熱調理について、引火のおそれがあるため使用不可としています。
このように、メーカーや商品によって条件は異なります。クッキングシートをフライパンに敷くなら、ガスかIHかという点も含めて確認することが必要です。
調理後のシートと油の処理にも注意
揚げ物に使ったクッキングシートは、再利用しないようにしましょう。加熱によって紙が傷んでいる可能性があるためです。
また、使用後の油を凝固剤で固めたり、新聞紙などに吸わせたりする場合は、十分に冷ましてから処分します。
熱い油を吸収した紙や布をそのままゴミ箱に入れると、火災につながる危険があります。自治体の廃棄ルールも確認してください。
【プロの結論】クッキングシートで揚げ物をするなら何を基準に判断すべき?
クッキングシートの揚げ物利用を判断する際、最も大切なのは、ネットで紹介されたレシピの見た目ではなく、メーカーが想定している使用用途です。
同じ紙製品でも、かき揚げの型としての使用、フライパンに敷く使用、油を入れる紙箱としての使用では、熱の伝わり方も危険性も異なります。
かき揚げを作りたい人
メーカーが揚げ物への使用を認めている製品を選びましょう。食材とシートの間に空気を閉じ込めないようにし、油はねに注意します。シートが浮いてきた場合は、メーカーの案内に従って速やかに取り除きます。
唐揚げを少量の油で作りたい人
紙箱を使う方法を見かけても、手持ちの製品がその用途に対応しているかを先に確認してください。耐熱温度250℃という表示だけでは判断できません。
使用条件が確認できない場合は、紙箱を使わず、適切なフライパンや揚げ鍋に直接油を入れて調理する方法が無難です。少量の油を使う揚げ焼きでも、コンロの取扱説明書に記載された条件を守り、調理中はその場を離れないようにしましょう。
安全性を優先したい人
フライパン用ホイルとクッキングシートを混同しないことも大切です。旭化成ホームプロダクツでは、クックパーのクッキングシートとフライパン用ホイルを別の商品として案内しています。フライパンでの調理には、用途に合った製品を選ぶ必要があります。
また、メーカーが禁止している包み揚げや、直火に触れる使い方は避けてください。便利な時短調理でも、製品の想定外の使い方をする必要はありません。
【クッキングシートで揚げ物をしても大丈夫?】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:クッキングシートを油で揚げることはできますか?
A1:製品によっては、かき揚げのタネをシートにのせて油に入れる使い方がメーカーから案内されています。ただし、油はねやシートの浮上に注意が必要です。すべての製品に共通する使い方ではありません。
Q2:耐熱温度250℃のクッキングシートなら唐揚げに使えますか?
A2:250℃という表示だけでは判断できません。使用時間、調理器具、直火への接触などの条件が関係します。紙箱に油を入れる方法については、メーカーがその用途を認めているか確認してください。
Q3:クッキングシートをフライパンに敷いて揚げ焼きしても大丈夫ですか?
A3:ガスコンロでのフライパン使用を禁止している製品があります。IHでも、耐熱温度や時間、機器の取扱説明書を確認する必要があります。対応が確認できない場合は使用しないでください。
Q4:クッキングシートで食材を包んで揚げても大丈夫ですか?
A4:おすすめできません。食材とシートの間に閉じ込められた空気が膨張して、油がはねたり、包みが破裂したりする危険があります。メーカーが包み揚げを禁止している製品もあります。
Q5:クッキングシートを使った揚げ物は何回もできますか?
A5:揚げ物に使用したシートの再利用は避けてください。加熱によって紙が傷んでいる可能性があります。使用後は十分に冷ましてから適切に処分しましょう。
まとめ:クッキングシートの揚げ物は用途と製品表示で判断しよう
クッキングシートで揚げ物をしても大丈夫なのかという疑問に対する答えは、使い方によって異なります。
かき揚げの型として使う方法は、メーカーが認めている製品であれば利用できます。一方、紙箱に油を入れて加熱する方法は、耐熱温度250℃の表示だけで安全だと判断することはできません。
2023年のBuzzFeed Japanの謝罪・記事削除、2025年のTBS『THE TIME,』による紙箱調理の紹介は、クッキングシートの使い方を考えるうえで重要な経緯です。しかし、テレビやSNSで紹介された方法が、すべての製品に適用できるわけではありません。
2026年現在も、判断の基本は変わりません。材質、耐熱温度、使用時間、ガス・IHの対応状況、メーカーの使用上の注意を確認することです。
便利さや油の節約だけを優先せず、調理器具とシートの両方に無理のない方法を選ぶことが、安全でおいしい揚げ物につながります。
主な根拠資料: 旭化成ホームプロダクツ公式FAQ・商品情報、東洋アルミエコープロダクツ公式商品情報、TBS NEWS DIG(2025年1月30日)、ねとらぼ(2023年6月1日)、大阪市消防局、製品評価技術基盤機構(NITE)。