六代目山口組と関連3団体の関係一覧
2015年以降の分裂と離脱を整理すると、現在の組織間の関係が分かりやすくなる。
出典:警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」、神戸新聞NEXT、関西テレビの2026年9月報道。指定状況は2026年10月31日現在。
この表で注目すべきなのは、池田組と絆會に対する特定抗争指定が解除された一方、神戸山口組との指定は続いているという点だ。
池田組との指定は2026年9月8日、絆會との指定は同月21日に解除された。いずれも抗争事件が一定期間発生していないことなどを踏まえた措置だった。
ただし、特定抗争指定の解除は、両組織の関係修復や和解を意味するものではない。また、指定暴力団としての指定そのものが解除されたわけでもない。
【2026年最新の抗争指定】神戸山口組との対立はなぜ続いているのか
神戸山口組との特定抗争指定は27回目の延長
2020年1月、六代目山口組と神戸山口組は、対立抗争の激化を受けて特定抗争指定暴力団等に指定された。
その後、指定期間は原則3カ月ごとに見直され、延長が繰り返されてきた。
2026年9月17日、兵庫県公安委員会など関係する9府県の公安委員会は、両団体に対する指定期限をさらに3カ月延長することを決定した。
10月5日に官報で公示され、今回で27回目の延長となった。
新たな指定期限は2027年1月6日まで。警戒区域は9府県17市町に及ぶ。
兵庫県警の説明として神戸新聞が伝えたところでは、池田組や絆會との関係とは異なり、神戸山口組との対立については終結したとは認められないと判断された。
特定抗争指定によって何が制限されるのか
特定抗争指定暴力団等に指定されると、警戒区域内で組織の活動に対する厳しい制限が課される。
主な規制は次のとおり。
- 組事務所の新設や使用などの制限
- おおむね5人以上での集団的な集合の禁止
- 対立組織の構成員へのつきまといの禁止
- 対立組織の構成員の自宅や事務所付近での不必要なうろつきの禁止
- 警戒区域内での一定の組織活動の制限
これらは一般市民の集会や移動を一律に制限するものではなく、指定された団体の構成員による特定の行為を対象とする規制だ。
兵庫県警察が公表する暴力団対策法の運用資料では、禁止行為に違反した場合、3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科される場合があると説明している。
池田組・絆會の指定解除で何が変わったのか
今回の指定解除は、2015年の分裂以降の抗争対策において大きな節目となった。
特に池田組との指定解除は、山口組分裂をめぐる特定抗争指定の解除として初めての事例だった。
一方、解除によって警察の警戒がすべて終了したわけではない。地域の安全確保や事件の再発防止に向けた警察活動は継続している。
ここで重要なのは、次の3つを区別することだ。
1. 指定暴力団としての指定
2. 特定抗争指定暴力団等としての追加的な規制
3. 個別の事件に対する捜査・警戒活動
池田組や絆會との特定抗争指定が解除されても、指定暴力団としての法的な位置付けや、個別事件への警察の対応がなくなるわけではない。
【構成員数と現在の実態】警察庁の統計から読み解く組織の変化
六代目山口組の勢力は長期的に縮小
六代目山口組の勢力を考える際、2015年の分裂前後からの変化を確認することが重要だ。
警察庁の統計では、2016年末の六代目山口組の勢力は、構成員約5,200人、準構成員等約6,700人、合計約1万1,800人だった。
それに対して2025年末は、構成員約3,100人、準構成員等約3,200人、合計約6,300人となっている。
六代目山口組の勢力推移
構成員と準構成員等の合計・概数
2016年末から2025年末にかけて、合計勢力は約47%減少。
数字から読み取れるのは、六代目山口組が分裂後も大きな組織規模を保ちながら、構成員と周辺者の双方を減らしているという現実だ。
また、2025年末の構成員約3,100人は、全国の暴力団構成員約9,400人の約33%に当たる。
人数が減ったからといって、組織的な影響力や犯罪リスクが同じ割合で低下したと判断することはできない。
全国の暴力団勢力も過去最少に
警察庁の2026年4月公表資料では、2025年末の全国の暴力団構成員及び準構成員等の総数は約1万7,600人だった。
内訳は以下のとおり。
- 暴力団構成員:約9,400人
- 準構成員等:約8,200人
- 前年比:約1,200人減少
この数字は、暴力団対策法が施行された1992年以降で最少となる。
一方、全国暴力追放運動推進センターが紹介する警察庁の情勢分析では、暴力団の活動が不透明化し、資金獲得活動が多様化していることも指摘されている。
つまり、人数の減少だけでは、組織犯罪の実態をすべて把握できない。
警察庁が注視する匿名・流動型犯罪グループとの関係
2026年の組織犯罪対策で注目されるのが、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」と暴力団との関係だ。
警察庁の令和7年版組織犯罪情勢では、暴力団構成員や元構成員が匿名・流動型犯罪グループの中核となる事例や、同グループから暴力団に資金が流れる事例が確認されている。
また、暴力団がこうしたグループを実質的に傘下に置き、資金獲得活動の一部を担わせている可能性も指摘された。
この分析は六代目山口組だけを対象にしたものではない。しかし、伝統的な階層型組織を取り巻く犯罪環境が変わっていることを示す重要な情報だ。
警察庁は、従来型の暴力団対策だけでなく、資金の流れや組織間の関係を解明する捜査を強化している。
【プロの結論】六代目山口組の現在を判断する3つの視点
六代目山口組の2026年の状況を正しく理解するには、単純な組織規模やニュースの見出しだけで判断しないことが大切だ。
1. 構成員数と実際の勢力は別の指標
約3,100人という数字は、正式な構成員数だ。
準構成員等を含めれば約6,300人となる。両者は統計上異なる区分であり、同じ数字として扱ってはいけない。
また、警察の統計は概数であり、実際の組織関係をすべて数値化したものではない。
2. 指定解除と抗争終結は同じ意味ではない
2026年9月には池田組と絆會との特定抗争指定が解除された。
しかし、神戸山口組との指定は継続している。
さらに、特定抗争指定が解除されたことは、過去の対立が歴史的になかったことになるわけでも、組織間の関係が正常化したことを意味するわけでもない。
法的な指定状況と実際の組織関係を分けて理解する必要がある。
3. 人数の減少だけで安全性を判断しない
暴力団の弱体化には、構成員の減少だけでなく、資金源の遮断、犯罪収益の剥奪、事業者や地域社会からの排除も関係する。
警察庁が匿名・流動型犯罪グループとの関係を調べていることからも、現在の組織犯罪対策は単純な人数管理だけでは完結しない。
2026年の六代目山口組を評価するうえで重要なのは、組織規模、抗争指定、資金獲得活動、警察の規制という4つの要素を合わせて見ることだ。
六代目山口組に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、六代目山口組の組長は誰ですか?
A1:篠田建市(通称・司忍)です。2026年6月更新の静岡県警察の公表資料でも、六代目山口組の代表者として記載されています。
Q2:六代目山口組の構成員は何人ですか?
A2:警察庁の2025年末統計では約3,100人です。準構成員等約3,200人を加えた合計勢力は約6,300人となっています。
Q3:六代目山口組は現在も特定抗争指定暴力団ですか?
A3:神戸山口組との関係で特定抗争指定が継続しています。2026年10月5日に指定が延長され、期限は2027年1月6日までです。池田組との指定は9月8日、絆會との指定は9月21日に解除されました。
まとめ:六代目山口組の今後の動向と注目すべきポイント
2026年10月31日現在、六代目山口組は篠田建市(司忍)を組長とする指定暴力団であり、構成員数は約3,100人、準構成員等を含む勢力は約6,300人とされている。
2015年の分裂以降、神戸山口組の結成、任侠山口組から絆會への名称変更、池田組の独立など、組織間の関係は大きく変化してきた。
2026年には池田組と絆會に対する特定抗争指定が解除されたものの、神戸山口組との指定は27回目の延長となり、2027年1月6日まで続く。
今後注目すべきなのは、次の3点だ。
- 神戸山口組との特定抗争指定が延長されるのか、解除に向かうのか。
- 六代目山口組の構成員数と組織運営にどのような変化が生じるのか。
- 暴力団対策法や暴力団排除活動によって、組織の資金源や犯罪活動がどこまで抑制されるのか。
【最終的な見方】
六代目山口組は、分裂前と比べて構成員数を大幅に減らしている。しかし、依然として全国的な勢力範囲を持ち、神戸山口組との対立に関する法的規制も続いている。
一部の抗争指定解除だけを見て組織の弱体化や抗争の全面終結を判断するのは早い。警察庁の年次統計、各都道府県公安委員会の指定状況、個別の事件報道を時系列で追うことが、六代目山口組の現在を正確に理解するための判断基準となる。
主な参考資料
- 警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」(2026年4月)
- 警察庁「平成27年の暴力団情勢」
- 静岡県警察「暴力団対策」(2026年6月更新)
- 兵庫県警察「暴力団対策法の運用」
- 全国暴力追放運動推進センター「暴力団情勢と対策」
- 神戸新聞NEXT(2026年9月の特定抗争指定解除・延長報道)
- 関西テレビ(2026年9月21日の絆會との指定解除報道) (出典: 6 代目 山口組(Yahoo!ニュース))