C形鋼の規格サイズ・寸法表を解説!JIS G 3350:2021の重量と許容差を2026年最新で徹底解説
C形鋼(C型鋼・Cチャンネル)の規格を調べる際、最初に確認したいのがJIS G 3350「一般構造用軽量形鋼」です。建築の母屋や胴縁、鉄骨下地、架台などに使われるC形鋼は、正式にはリップ溝形鋼に分類され、寸法・板厚・断面積・単位質量などが規格で定められています。
2026年11月現在、適用する規格はJIS G 3350:2021です。2017年版から2021年版への改正が行われているため、古い寸法表だけを参照すると、規格の版やメーカーごとの製造サイズを取り違える可能性があります。ここでは規格資料とメーカーの製品資料を照合し、代表的な37サイズの寸法・重量、6m材の質量、寸法許容差、一般溝形鋼との違いまで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】 - 規格: C形鋼の正式名称はリップ溝形鋼。基準となる規格はJIS G 3350:2021、材質記号はSSC400。 - 寸法・重量: 代表的な断面寸法は60×30×10から250×75×25まで。板厚は規格上1.6~6.0mmが適用範囲。 - 選定の注意点: kg/mだけでなく、断面積、寸法許容差、表面処理、断面性能、メーカーの製造可能サイズまで確認する。
【2026年最新】C形鋼の規格はJIS G 3350:2021が基準
C形鋼の規格を調べると、JIS G 3350、SSC400、リップ溝形鋼という3つの名称が登場します。それぞれ意味が異なるため、最初に整理しておきましょう。
C形鋼の正式名称はリップ溝形鋼
C形鋼は、薄い鋼板を冷間成形して製造する軽量形鋼の一種です。
断面を見ると、中央の縦部分(ウェブ)から上下にフランジが伸び、その先端が内側に折り返されています。この折り返し部分が「リップ」です。
リップを設けることで、単純な溝形断面とは異なる断面特性を持たせられます。
JIS G 3350では、一般構造用軽量形鋼として次の6種類の断面形状を扱っています。
- 軽溝形鋼
- 軽Z形鋼
- 軽山形鋼
- リップ溝形鋼
- リップZ形鋼
- ハット形鋼
このうち、一般にC形鋼やCチャンと呼ばれるものがリップ溝形鋼です。
JIS G 3350は建築その他の構造物に使用する冷間成形軽量形鋼の規格であり、熱間圧延鋼板、冷間圧延鋼板、めっき鋼板などを材料として製造します。
2026年時点のJIS規格とSSC400の関係
規格の改正履歴で注意したいのが、2017年版と2021年版の違いです。
日本規格協会の規格情報では、JIS G 3350:2021は2021年4月20日発行の改正版で、2026年11月時点でも有効とされています。
したがって、現在の設計・発注・材料確認では2021年版を基準にするのが適切です。
材質記号のSSC400についても確認しておきましょう。
| 項目 | SSC400の規格値 |
|---|---|
| 降伏点または耐力 | 245N/mm²以上 |
| 引張強さ | 400~540N/mm² |
| 伸び(板厚5mm以下) | 21%以上 |
| 伸び(板厚5mm超) | 17%以上 |
SSC400は一般構造用軽量形鋼の種類を示す記号です。SS400と数字が似ていますが、同じ規格の材料という意味ではありません。用途や機械的性質、製品規格を確認して区別する必要があります。
C形鋼の板厚は1.6~6.0mm
JIS G 3350の適用板厚は、原則として1.6mm以上6.0mm以下です。
ただし、ここで注意したいのが、規格の適用範囲と標準断面寸法表に掲載されるサイズは同じ意味ではないことです。
代表寸法として掲載されるリップ溝形鋼の板厚は、1.6mm、2.0mm、2.3mm、3.2mm、4.0mm、4.5mmなどです。
規格の適用範囲内だからといって、すべての断面寸法と板厚の組み合わせが各メーカーの標準在庫にあるわけではありません。
【保存版】C形鋼の寸法表・規格サイズ・重量37種類一覧
C形鋼のサイズを選ぶ際に確認したいのが、H×A×C×tという寸法表示です。
JIS G 3350のリップ溝形鋼の標準断面寸法表を基準に、呼び名、断面積、単位質量を整理しました。
以下の6m質量は、単位質量に6mを掛けた計算値を有効数字3桁で表示しています。
C形鋼の寸法・断面積・重量一覧
単位は、寸法がmm、断面積がcm²、重量がkgです。
出典・照合:JIS G 3350のリップ溝形鋼寸法・質量資料、日鉄建材の断面性能資料、アイ・テックの2024年版C形鋼資料。6m重量はkg/m×6で算出した参考計算値。
規格表を見るときの注意点
この一覧は標準断面寸法の確認に使うものです。すべてのメーカーが37種類を常時在庫しているという意味ではありません。
日本鉄鋼連盟の受注可能寸法表では、JFE建材と日鉄建材の製造・受注可能サイズが個別に示され、一部は通常対応、一部は問い合わせ対応として区別されています。
そのため、設計図面にサイズを記載する前に、使用予定メーカーのカタログと照合することが大切です。
【寸法の読み方】C形鋼のH×A×C×tと重量計算式
C形鋼の寸法表で混乱しやすいのが、H・A・C・tの意味です。
H・A・C・tはそれぞれ何を表す?
C形鋼の寸法は、通常次の順番で表します。
- H:高さ……断面の縦方向の寸法
- A:辺の長さ……上下のフランジの幅
- C:リップ長さ……先端を内側に折り返した部分の寸法
- t:板厚……鋼板の厚さ
例えば、100×50×20×2.3という表記なら、次の意味になります。
- 高さH:100mm
- フランジ幅A:50mm
- リップ長さC:20mm
- 板厚t:2.3mm
すべての寸法はmm単位です。
発注時には「100×50」という2つの数字だけで指定せず、リップ長さと板厚まで含めて指定する必要があります。
C形鋼の断面積を求める計算式
リップ溝形鋼の断面積は、JIS G 3350の質量計算方法に基づいて求められます。
\[
S=\frac{t(H+2A+2C-6.574t)}{100}
\]
- S:断面積(cm²)
- H:高さ(mm)
- A:辺の長さ(mm)
- C:リップ長さ(mm)
- t:板厚(mm)
式に含まれる6.574tは、曲げ加工部分の形状を考慮した補正項です。
単純にH・A・Cを足して板厚を掛けるだけでは、規格表の断面積と一致しません。
C形鋼の重量計算式は?
鋼材の基本質量は、断面積1cm²、長さ1m当たり0.785kgです。
そのため、C形鋼の単位質量は次の式で求められます。
\[
W=S\times0.785
\]
寸法を直接代入する場合は、次の式になります。
\[
\boxed{W=0.00785t(H+2A+2C-6.574t)}
\]
Wはkg/mです。
計算例:100×50×20×2.3
1. 断面積を計算する。
\[
S=\frac{2.3(100+100+40-6.574\times2.3)}{100}
\]
\[
S=5.172\ \mathrm{cm^2}
\]
2. 単位質量を求める。
\[
W=5.172\times0.785
\]
\[
W\fallingdotseq4.06\ \mathrm{kg/m}
\]
したがって、100×50×20×2.3のC形鋼は約4.06kg/mです。
C形鋼6mの重量はいくら?
6m材の重量は、単位質量に6を掛ければ求められます。
\[
6m重量=kg/m\times6
\]
先ほどの100×50×20×2.3なら、
\[
4.06\times6=24.36
\]
6m材の重量は約24.4kgです。
この計算は、運搬計画や必要本数の算出にも使えます。
ただし、めっき鋼板を使用した製品では、めっき層の質量を別途考慮する必要があります。例えば日鉄鋼板の製品資料では、100×50×20×1.6のC形鋼について、黒皮材が2.88kg/m、めっき190g/m²の製品が2.97kg/mと示されています。表面処理の違いによって実際の質量が変わる点にも注意してください。
【寸法許容差】C形鋼の板厚・高さ・長さはどこまでずれる?
規格寸法が100mmだからといって、実測値が必ず100.00mmになるわけではありません。
鋼材の製造工程では、成形や板厚のばらつきが発生します。そのためJIS G 3350では、形状・寸法ごとに許容差が定められています。
高さH・辺A・リップCの寸法許容差
高さHの許容差は、断面高さによって異なります。
- Hが150mm未満:±1.5mm
- Hが150mm以上300mm未満:±2.0mm
- Hが300mm以上:±3.0mm
そのほかの寸法については、次の値が基準です。
- 辺A・B:±1.5mm
- リップC:±2.0mm
- 隣り合った平板部分が構成する角度:±1.5°
例えばHが100mmのC形鋼なら、規格上の高さは98.5~101.5mmの範囲が許容されます。
C形鋼の板厚許容差
板厚は、厚さの区分によって許容差が変わります。
- 1.6mm以上2.0mm未満:±0.22mm
- 2.0mm以上2.5mm未満:±0.25mm
- 2.5mm以上3.15mm未満:±0.28mm
- 3.15mm以上4.0mm未満:±0.30mm
- 4.0mm以上5.0mm未満:±0.45mm
- 5.0mm以上6.0mm以下:±0.60mm
例えば板厚2.3mmなら、許容範囲は2.05~2.55mmです。
ここで確認したいのは、許容差が適用される測定部分です。JISでは平板部分の厚さを対象とし、曲げ部分の厚さと混同しないようにしています。
また、めっき鋼板から製造する製品は、JIS G 3350の附属書Aに定める厚さの取り扱いが関係します。通常の黒皮材と同じ考え方で測定値を比較しないようにしましょう。
長さと曲がりの許容差
長さについても基準があります。
- 7m以下:+40mm、-0mm
- 7m超え:長さ1mまたはその端数が増えるごとに、プラス側許容差を5mm加算
- 曲がり:全長の0.2%以下
例えば6m材の場合、長さの許容範囲は6,000~6,040mmです。
曲がりの許容値は、
\[
6000\times0.002=12\ \mathrm{mm}
\]
となり、6m材では全長の0.2%に相当する12mm以下が基準です。
なお、断面寸法や直角度は、鋼材の両端部を除いた任意の位置で測定します。切断端部の形状だけを見て規格適合を判断するのは適切ではありません。
【徹底比較】C形鋼と一般溝形鋼・チャンネルの違い
C形鋼と溝形鋼は、どちらも断面がアルファベットのCに似ています。しかし、製造方法や断面構造、規格が異なります。
C形鋼はリップ付き、一般溝形鋼はリップなし
C形鋼(リップ溝形鋼)
上下のフランジ先端に内側へ折り返したリップがある。
一般溝形鋼(チャンネル)
上下のフランジにリップがなく、熱間圧延で製造される。
C形鋼は薄板を冷間成形して作られます。一方、一般溝形鋼は熱間圧延で製造される形鋼です。
規格も異なります。
- C形鋼:JIS G 3350
- 一般溝形鋼:JIS G 3192
一般溝形鋼の寸法・形状・質量などについては、2024年改正版のJIS G 3192が適用されます。
寸法表示にも違いがある
C形鋼はH×A×C×tという形式で表示します。
一般溝形鋼は、一般的にH×B×t1×t2などの寸法で表示されます。
一般溝形鋼では、ウェブとフランジの厚さを区別して表示するため、C形鋼の寸法表をそのまま流用することはできません。
重量を比較するときの注意点
例えば、次の製品を比較してみます。
- C形鋼:100×50×20×2.3 → 約4.06kg/m
- 一般溝形鋼:100×50×5×7.5 → 約9.36kg/m
一般溝形鋼のほうが重い数値ですが、これは寸法構成や板厚、断面形状が異なるためです。
重量だけで強度の優劣を判断することはできません。実際の構造設計では、断面二次モーメント、断面係数、せん断中心、座屈性能などを確認する必要があります。
C形鋼と溝形鋼はどちらを選ぶべき?
C形鋼が適しているのは、比較的軽量な建築部材や下地、胴縁、母屋、架台などです。
一般溝形鋼は、より厚い断面や異なる断面性能が必要な構造部材などで選択肢になります。
ただし、C形鋼は開断面であり、荷重のかかり方によってねじれが生じる場合があります。リップがあるからといって、あらゆる方向の荷重に強いわけではありません。
構造設計では、支持条件や横補剛の有無まで含めて判断する必要があります。
【失敗しない選び方】メーカー資料・表面処理・発注時の確認点
C形鋼を選ぶときは、JISの寸法表だけで発注を決めないことが大切です。
規格に適合することと、実際の使用環境で十分な性能を発揮することは別の問題だからです。
1. 使用目的と必要な断面性能を確認する
最初に確認したいのは、C形鋼を何に使用するかです。
- 建築物の母屋
- 外壁の胴縁
- 鉄骨下地
- 機械設備の架台
- 太陽光発電設備の支持部材
- 各種補強部材
用途によって、必要な高さ、幅、板厚、断面性能が異なります。
特に長いスパンで使用する場合は、単純に高さや板厚を大きくすればよいわけではありません。
断面二次モーメントIx・Iy、断面係数Zx・Zyなどをメーカーの断面性能表で確認し、設計条件に適合するかを検討してください。
2. 黒皮材・塗装品・めっき品を区別する
C形鋼には、表面処理の異なる製品があります。
代表的なものは次のとおりです。
- 黒皮材:一般的な鋼材表面の製品
- 塗装品:防錆塗装を施した製品
- 溶融亜鉛めっき品:亜鉛めっきによって耐食性を高めた製品
- 高耐食めっき品:亜鉛にアルミニウムやマグネシウムなどを加えためっき鋼板を使用する製品
日鉄建材や明治鋼業などのメーカー資料でも、通常のリップ溝形鋼に加え、めっき材や高耐食性の製品が紹介されています。
屋外や湿気の多い場所で使う場合は、材料の規格だけでなく、表面処理の種類、めっき付着量、切断面の防錆処理も確認しましょう。
3. メーカーの製造可能サイズと標準長さを調べる
JISの標準寸法表に掲載されていても、メーカーによって製造可能なサイズや在庫状況が違います。
例えば、日本鉄鋼連盟の受注可能寸法表では、メーカーごとに対応可能サイズが整理されています。
また、JIS G 3350の標準長さは6~12mです。ただし、実際の在庫長さはメーカーや製品によって異なります。
6m材を指定したい場合でも、必要数量、切断加工、納期、運搬条件を合わせて確認してください。
4. 発注書には寸法と材質を明記する
発注時には、最低限次の情報を明確にしておきたいところです。
- 規格:JIS G 3350:2021
- 材質:SSC400
- 断面形状:リップ溝形鋼
- 寸法:H×A×C×t
- 長さ:必要な切断寸法
- 数量:必要本数
- 表面処理:黒皮・塗装・めっきなど
- 必要な検査証明書・品質資料
さらに、切断面の防錆処理や穴あけ加工などを依頼する場合は、その条件も図面や発注書に記載すると認識違いを防げます。
JISでは、製品の表示や検査、報告に関する規定も設けられています。品質確認が必要な案件では、ミルシートなどの検査文書についても事前に取り決めておきましょう。
【よくある質問】C形鋼の規格・サイズ・重量に関するFAQ
Q1:C形鋼の規格はJIS G 3350で間違いありませんか?
C形鋼の正式名称であるリップ溝形鋼は、JIS G 3350「一般構造用軽量形鋼」に規定されています。2026年11月時点では2021年版が有効です。
Q2:C形鋼100×50×20×2.3の6m重量は何kgですか?
単位質量は約4.06kg/mです。6mの場合は4.06×6となり、約24.4kgです。めっき品などは表面処理によって実際の質量が異なる場合があります。
Q3:C形鋼の板厚は何mmから何mmまでありますか?
JIS G 3350の適用板厚は1.6~6.0mmです。ただし、すべての板厚がすべての断面寸法で標準在庫されているわけではありません。メーカーの製造サイズを確認してください。
まとめ:C形鋼はJIS規格とメーカー資料の両方で選定する
C形鋼の規格を理解するうえで、最も重要なのは、正式名称がリップ溝形鋼であり、JIS G 3350:2021を基準に寸法・板厚・断面積・単位質量を確認することです。
今回紹介した内容を整理すると、次のようになります。
- 規格番号はJIS G 3350:2021
- 材質記号はSSC400
- 適用板厚は1.6~6.0mm
- 寸法表示はH×A×C×t
- 重量は断面積と0.785kg/cm²・mを基準に算出
- 6m重量はkg/m×6で計算
- 寸法許容差と板厚許容差はJISの規定に従う
- メーカーごとに製造可能サイズや表面処理が異なる
【プロの結論】
C形鋼の選定で失敗しないためには、規格表のkg/mだけを見て判断しないことです。
同じ高さのC形鋼でも、フランジ幅、リップ長さ、板厚が違えば、断面積や断面性能は変わります。また、黒皮材とめっき品では質量にも差が生じます。
特に構造部材として使用する場合は、断面二次モーメントや断面係数、ねじれ、座屈、支持条件まで確認することが欠かせません。
2026年の材料選定では、JIS G 3350:2021の規格値を基本に、メーカーの最新カタログ、在庫・製造可能サイズ、品質証明書を照合することが、調達と設計の両面で確実な判断につながります。 (出典: c 形 鋼 規格(Yahoo!ニュース))